夏の映画興行シーズンが終了 全米興収40億ドルの大台に届かず
2025年8月26日 11:00

2025年の夏映画シーズンが終了し、全米興行収入が期待された40億ドルの大台に届かなかったことが明らかになったと、米バラエティが報じている。5月1日から8月24日までの興行収入は35億3000万ドルにとどまり、コロナ禍以降の映画業界回復への道のりの厳しさを改めて浮き彫りにした。
アメリカの夏映画シーズンは通例、映画業界にとって最も収益性の高い期間で、年間興行収入の約40%を占める重要な時期である。しかし新型コロナウイルスのパンデミック以降、40億ドルを突破したのは2023年に「バービー」と「オッペンハイマー」が大ヒットした「バーベンハイマー」現象が起きた年のみとなっている。
今夏最大のヒット作となったのは、ディズニーの実写映画「リロ&スティッチ」で、北米興収4億2100万ドル、世界総興収10億3000万ドルを記録した。これは25年にハリウッドスタジオ作品で唯一の10億ドル突破作品となった。
その他の好調作品では、「ジュラシック・ワールド 復活の大地」が8億4400万ドル、実写版「ヒックとドラゴン」が6億2600万ドル、ジェームズ・ガン監督の新生DC映画第1弾「スーパーマン」が6億400万ドル、ブラッド・ピット主演の「映画「『1(R) エフワン』」が6億300万ドルを記録した。インディペンデント系ではA24配給の「マテリアリスツ(原題)」が8500万ドル、ザック・クレガー監督の「ウェポンズ(原題)」が1億9900万ドルの健闘を見せた。
今年の興行収入は昨年夏の35億2000万ドル(「インサイド・ヘッド2」「デッドプール&ウルヴァリン」が牽引)や2022年の34億1000万ドル(「トップガン マーヴェリック」が大ヒット)は上回ったものの、パンデミック前の2019年の43億8000万ドルという水準にはまだ遠く及ばない状況だ。
アナリストの一人は「世界興収で10億ドルに到達した作品が1本だけというのは、ハリウッドが観客をグローバルレベルで再び惹きつける方法について、まだ調整が必要だということを物語っています」と指摘する。
映画業界にとって、観客の映画館回帰を促進する魅力的なコンテンツの創出が引き続き最重要課題となっているようだ。
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