「雪風 YUKIKAZE」あらすじ・概要・評論まとめ ~戦闘そのものを描くことを目的としない戦争映画~【おすすめの注目映画】
2025年8月14日 08:30

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本記事では、「雪風 YUKIKAZE」(2025年8月15日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。

太平洋戦争中に実在した駆逐艦「雪風」の史実をもとに、戦中から戦後、さらに現代へとつながる激動の時代を懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を、壮大なスケールで描く。さまざまな資料を基に映画オリジナルの登場人物として生み出された「雪風」艦長の寺澤一利を竹野内豊が演じる。
太平洋戦争下、数々の激戦を最前線で戦い抜き、ほぼ無傷で終戦を迎えた駆逐艦「雪風」。軽量で機動性に優れていることから、艦隊の先陣を切って魚雷戦を仕掛け、対空戦闘によって戦艦や空母といった主力艦を護衛するのが駆逐艦の役目であり、「雪風」は任務を果たしながら、幾多の戦場を生き抜いていく。そして、最後まで戦場に留まり、沈没する僚艦から海に投げ出された仲間たちを救助して帰還することも多く、時には敵兵にも手を差し伸べた。「雪風」は戦うために出撃しながらも、最後は必ず人を救って戻ってくることから、「幸運艦」「不沈艦」と称された。
アメリカをはじめとする戦勝国からも讃えられた「雪風」の雄姿を、史実に基づいたフィクションとしてよみがえらせる。主演の竹野内のほか、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、益岡徹、石丸幹二、中井貴一ら、そうそうたる顔ぶれのキャストが結集。監督は「聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」「空母いぶき」の助監督を務めた山田敏久。脚本も同じく「空母いぶき」などを手がけた長谷川康夫が担当。

戦後80年を迎えた2025年の夏。例年になく、太平洋戦争を題材にした日本映画が劇場公開されている。戦意を煽るような勇ましい言葉も飛び交うようになった、昨今のきな臭い社会傾向において、戦闘や空襲の薄れゆく記憶を後世に語り継ぐ役割を映画が担うことの重要性は、より増してゆくであろう。それは、戦争体験者が減少しているという不可避な現実があるからにほかならない。「雪風 YUKIKAZE」(2025)は、日米開戦以降、ミッドウェイ、ガダルカナル、ソロモン、マリアナなどの激戦を生き抜いた、駆逐艦<雪風>の史実に基づいた作品。仲間を救助しながら必ず本土へ帰還してきたことから、“幸運艦”と呼ばれた<雪風>の乗員たちが、アメリカとの雌雄を決するレイテ沖海戦に向かってゆく姿がフィクションとして描かれる。

今作の大きな特徴は、海上での激しい戦闘場面が登場する一方で、戦闘そのものを描くことを目的としていないと思わせる点にある。むしろ、撃沈された艦艇から海へ投げ出された乗員たちを救助する姿を描く方に重点が置かれているのだ。戦場における彼らの混乱や混沌は、寄りのショットを多用することにより、甲板上での戦闘状況をあえて判りにくくさせている点にも表れている。そのため、命をめぐる人間ドラマが作品の礎となっているだけでなく、彼らを取り巻く家族の物語に対する比重が大きいことも窺える。例えば、玉木宏が演じる兄・幸平の無事を祈るサチ(當真あみ)のエピソードは、その代表格。戦争の悲惨さは戦場だけにあるのでなく、市井の日常にも及ぶことを描きたかったのだと推し量れる所以だ。戦後になって<雪風>は、復員輸送船として外地に取り残された人々を日本に送り還す役割を担ったという功績もあっただけに尚更だろう。

加えて、<雪風>には様々な作品に登場してきたという経緯もある。例えば、ゴジラ討伐に挑む駆逐艦のひとつとして「ゴジラ-1.0」(2023)に登場し、テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」では、主人公・古代進の兄が艦長を務めた地球防衛艦隊の駆逐艦名の由来にもなっていた。また、山田達雄監督の「駆逐艦雪風」(1964)は、建造に関わった水兵の視点で描かれた作品。<雪風>がくぐり抜けてきた戦歴だけでなく、苛烈な戦局から生き抜いた人々の姿も印象的な作品だった。「雪風 YUKIKAZE」では、艦内の手続きが克明に描かれている点も特徴のひとつ。登場人物の設定を描くことと同じように、<雪風>艦内での手続きやシステムを描いているのだ。その結果、<雪風>が海軍内でどのような立場にあったのかをわたしたちは推察し、ほぼ無傷で終戦を迎えたことの要因を知るための一助にもなっているのである。
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