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「ジュラシック・ワールド 復活の大地」あらすじ・概要・評論まとめ ~「怪獣映画」の本性を剥き出しにする、ミッション遂行型のシリーズ新章~【おすすめの注目映画】

2025年8月7日 10:30

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「ジュラシック・ワールド 復活の大地」
「ジュラシック・ワールド 復活の大地」
(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

近日公開または上映中の最新作の中から映画.com編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介!

本記事では、「ジュラシック・ワールド 復活の大地」(2025年8月8日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。


画像2(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

1993年にスティーブン・スピルバーグが生み出した第1作「ジュラシック・パーク」から始まり、これまでのシリーズ6作がいずれも大ヒットを記録してきた「ジュラシック」シリーズの通算7作目。スカーレット・ヨハンソンら新たな顔ぶれのキャストで、前作「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」から5年後を舞台に、新章の幕が開ける。

熟練の特殊工作員ゾーラ・ベネットは、信頼する傭兵のダンカン・キンケイド、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士らとともに、初代「ジュラシック・パーク」の極秘研究施設が存在した禁断の島へ足を踏み入れる。そこはかつてパークの所有者が極秘の実験を行い、“最悪の種”と言われる20数種の恐竜が生き残った、地球上で最も危険な場所だった。ゾーラたちの任務は、心臓病に奇跡的な治療効果をもたらす新薬の開発に不可欠な、陸・海・空の3大恐竜のDNAを確保すること。ゾーラたちは恐竜の脅威に立ち向かいながら、任務遂行のために歩みを進めていくが……。

監督は「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」「ザ・クリエイター 創造者」のギャレス・エドワーズ。製作総指揮をスティーブン・スピルバーグが務め、脚本は「ジュラシック・パーク」「ロスト・ワールド ジュラシック・パーク」のデビッド・コープが28年ぶりにシリーズに復帰。シリーズ初の女性主人公となるゾーラをスカーレット・ヨハンソンが演じ、マハーシャラ・アリジョナサン・ベイリールパート・フレンドらが共演する。


●「怪獣映画」の本性を剥き出しにする、ミッション遂行型のシリーズ新章(執筆:尾﨑一男)
画像3(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

 心臓病の特効薬を開発するため、大手製薬会社が恐竜のDNAサンプルを必要としていた。スカーレット・ヨハンソン演じる特殊工作員ゾーラ・ベネットは、この危険な任務を負うリスクテイカーとして、凶暴に野生化した恐竜が群れるエリアへと潜入することになる―。

シリーズで初めて女性のメインキャラクターを配した今回の最新作は、併せて先述したようなミッション遂行型のストーリーを導入することで、「ジュラシック」フランチャイズの新生をはかっている。とはいえ、作品世界は過去6部作と地続きだ。本作はそれらが形成してきた遺産を受け継ぎ、医学や科学が企業独占によって公共性を失うことへの懸念や、利己主義がもたらす倫理観の欠如に触れ、内容をより奥行きの深いものにしている。特に遺伝子操作によって人為的に生み出された「変異恐竜」にズームすることで、パークの収益目的で創造された彼らが人間に忍び寄る、モンスタームービーの性質を剥き出しにしていく。たび重なる核兵器の実験が、悲劇の怪獣ゴジラを生み出したように。

画像4(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

このことからも分かるとおり、今回の監督がギャレス・エドワーズというのも腑に落ちる人選だろう。未知の巨大生物をめぐる探究のロードムービー「モンスターズ 地球外生命体」(2010)で長編デビューを果たし、同作が認められてハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」(2014)の監督に抜擢された、同ジャンルの有望株として台頭してきた存在だ。本作はそんな監督の作家的特性が見事に活かされ、「恐竜映画」を越境した「怪獣映画」として機能する。生物科学をいたずらに扱うことへの自縄自縛として、その犠牲者である者たちの影に我々は怯えるのだ。

同時にエドワーズは、敬愛するスティーヴン・スピルバーグへのリスペクトをあらわにし、モササウルスと相利共生を結んだスピノサウルスが船を襲撃するさいの背びれ演出で「JAWS ジョーズ」(1975)を高らかに復唱する。スピルバーグに魅了された男が、スピルバーグの膝元にあるフランチャイズにたずさわることを、自ら祝福するかのごとく。

画像5(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

水中からボートを襲撃するティラノサウルスの特別出演的な登場も、マイケル・クライトンの原作で映像化できなかった場面を実現させたものだが、そこはシリーズの顔として、過去ゴジラやヴェイダー卿(2016年の「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」)を千両役者のように演出した、エドワーズらしいハッタリが利いている。そもそも彼はゴジラ、スター・ウォーズ、そしてジュラシック・パーク&ワールドの3大フランチャイズを制した、世界に二人といない監督だ。主演のヨハンソンよりも恐竜の存在感が明らかに引き立っていようが、そこは覇者の特権として温かい目で見ようではないか。

執筆者紹介

尾﨑一男 (おざき・かずお)

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映画評論家&ライター。主な執筆先は紙媒体に「フィギュア王」「チャンピオンRED」「映画秘宝」「特撮秘宝」、Webメディアに「ザ・シネマ」「cinefil」などがある。併せて劇場用パンフレットや映画ムック本、DVD&Blu-rayソフトのブックレットにも解説・論考を数多く寄稿。また“ドリー・尾崎”の名義でシネマ芸人ユニット[映画ガチンコ兄弟]を組み、TVやトークイベントにも出没。

Twitter:@dolly_ozaki


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