藤原竜也「バトル・ロワイアル」は「宝物」、故深作欣二監督との貴重エピソードを披露
2025年7月15日 20:40

7月27日に65年の歴史に幕を下ろす「丸の内TOEI」のグランドフィナーレプロジェクト「さよなら 丸の内TOEI」の一環として、7月15日、故深作欣二監督の問題作「バトル・ロワイアル」(2000)が上映された。中学生が殺し合うというセンセーショナルな内容で物議をかもした高見広春の同名小説を映画化した青春バイオレンスアクションだ。
上映前には、同作主演の藤原竜也と深作監督の息子で、本作の脚本を手掛けた深作健太が舞台挨拶に登壇。当時の舞台裏から、深作監督への思いまで、貴重なエピソードをたっぷり語った。

1999年の秋から始まった生徒役の大規模なオーディションを勝ち抜き、主人公の七原秋也役の座を掴んだ藤原は「もう(公開から)25年ですか。欣二監督に出会わせてもらい、映画の厳しさと楽しさを教えてくれた作品。青春の1ページですし、俳優人生にとっては、ありきたりな言い方ですけど、宝物ですね」としみじみ語った。
当時の深作監督は、「誰ひとり(役名を)呼び間違えずに、深くアグレッシブにひとりひとりと向き合ってくれた」といい、「ときに褒めていただき、ときには『この感情で続けると、お客がついてこないから、こういう芝居をしてくれ』と。内面にある数ミリ単位の感情のズレを指摘していただいた。人間の本質を見透かす演出をされる」と、現場でのやり取りも明かした。

その内容の過激さから、若年層への悪影響が危惧され、国会議員による上映規制運動が展開されるなど、公開前から社会現象化した。藤原は「自分も若かったので、騒動は違う世界だった」と回想。一方、健太氏は「いい宣伝になったなと(笑)。東映の仕込みかと。昔からヤクザ映画をはじめ、アナーキーな映画で頑張ってきて、逆境をメリットに変える会社。宣伝、営業の皆さんがリスクある作品を盛り上げてくださった」と、当時の関係者に感謝を伝えた。
ふたを開けると、世間の関心が予想以上に高まっており、興行収入31億円超の大ヒットを記録した。健太氏は「親父は(観客の)入りが心配で、僕と一緒に夜中、映画館に様子を見に行ったんです。そうしたら、たくさんの人が徹夜で並んでいて。そのときの親父の笑顔なのか、泣き顔なのか、表情が忘れられない。何よりのプレゼントになった」と、親子ならではの思い出話を披露した。

「撮影当時、がんを患っていたんです。だから、周りは高倉健さんや菅原文太さんといった大人の役者さんと仕事してほしいと思っていた。でも、竜也くんをはじめ、若い役者さんと一緒にやることを選んだ。深作欣二の生き方だったなと……。(劇中で命を落とす)役者が最後のシーンを撮る日は、親父のほうがNGを出すんですよ。別れたくないから」(健太氏)
改めて、藤原は「いまの僕の中には、深作欣二監督が強く残っています。少しでも若いうちに、深作組に参加させてもらったことが、これからも財産になるはず。もっともっとご一緒したかった」と深作監督への思いを吐露。「丸の内TOEI」閉館に対しては、「さみしいですけど、思い出は残しつつ、新たな気持ちで新しい作品を、皆さんに喜んでいただければ」と決意を新たにしていた。
1960年9月20日に開業した映画館「丸の内TOEI」は、7月27日に閉館。現在、グランドフィナーレプロジェクト「さよなら 丸の内TOEI」が開催されており、期間中は往年の名作から、近年の話題作まで、100作以上を特集上映。作品にまつわるゲストによる舞台挨拶も行われている。
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