ピクサー最新作「星つなぎのエリオ」宇宙飛行士・野口聡一氏が吹替版に参加 天文学者カール・セーガン博士の歴史的音声を担当
2025年7月7日 07:00

ディズニー&ピクサーの劇場最新作「星つなぎのエリオ」の日本語吹き替え版に、宇宙飛行士の野口聡一氏が参加していることがわかった。劇中で使用されている、天文学者で作家の故カール・セーガン博士の音声の吹き替えを担当した。
本作は、ひとりぼっちの少年エリオが、銀河を越えて星と星をつなぐ壮大な冒険と運命を変える出会いを通し、成長していく姿を描く感動作。宇宙が大好きな少年エリオは、両親を失い、寂しさを抱えていた。この広い世界のどこかには、きっと“本当の居場所”があるはず。エリオの切ない願いが届き、星々の代表が集う夢のような“コミュニバース”に招かれる。そこで出会ったのは、同じように孤独なエイリアンの少年・グロードンだった。
監督は、「リメンバー・ミー」でストーリーアーティストを務めたマデリーン・シャラフィアンと、「私ときどきレッサーパンダ」の監督を務めたドミー・シー、「リメンバー・ミー」に脚本・共同監督として参加したエイドリアン・モリーナの3人が共同で担当。日本語吹き替え版では、主人公の少年エリオ役を川原瑛都、心優しいエイリアンの少年グロードン役を佐藤大空が務め、エリオの親代わりとなるオルガ役を清野菜名が担う。さらに、お笑いタレントの渡辺直美が、USオリジナル版と日本語吹き替え版両方で、平和を愛する惑星の明るく情熱的な大使オーヴァ役で参加した。
寂しさを抱えていたエリオはある日、1977年に打ち上げられた無人惑星探査機ボイジャーの存在を知る。ボイジャーには、セーガン氏が宇宙のどこかにいるほかの生命体に、“地球からのメッセージ”を届けるために作ったゴールデンレコードが搭載された。

劇中では、セーガン氏の「宇宙に存在するのは人類だけか、我々は孤独か」という実際の音声が使用され、自分を見つけてくれる“誰か”を探して、今もたったひとりで広い宇宙の旅を続けるボイジャーの姿に勇気づけられたエリオは、より宇宙に憧れるようになる。さらに、ゴールデンレコードは、エリオが様々な星の代表が集うコミュニバースに招待されるきっかけとなる。
“つながり”を描く本作を象徴する大切なセリフの吹き替えを担当した野口氏は、セーガン氏が監修した宇宙をテーマにしたドキュメンタリー番組「コスモス」の大ファンで、セーガン氏は宇宙飛行士を目指す上で影響を受けた存在だという。
野口氏は「大変光栄でした。我々世代にとってカール・セーガンさんの『コスモス』というテレビ番組は非常に影響力があって、あの番組を見て宇宙飛行士になりたいと、宇宙科学関係で働きたいと思った人はいっぱいいると思うんです。私も高校生くらいの時だったのですが、毎回放送を楽しみにしていたことを覚えています」と喜びを語った。
そして、「はるか遠い宇宙の冒険活劇のようだけど、これは孤独と絶望に苛まれる少年エリオが大切な人との心の絆を取り戻す、魂の再生の物語です。さまざまな出会いを通して、姿の違いや意見の衝突を乗り越えながら、エリオは共生することのすばらしさを学んでいきます。誰からも愛されない、必要とされてないと嘆いているあなたにこそ、この映画を観てほしい」と呼びかけ、「かつて世界中の宇宙ファンをとりこにしたカール・セーガン博士の温かい言葉が、あなたの凍った心をきっと解かしてくれるはずです」とコメントを寄せた。
もしも、ゴールデンレコードに込められた地球からのメッセージが、はるか彼方の“宇宙”に届いたら……? マデリン・シャラフィアン監督は、宇宙のロマンがつまった夢のような世界を描くにあたり、「SETI(地球外知的生命体探査)や、カール・セーガン、ボイジャー計画、実在の宇宙飛行士たちが言ったことも参考にしています」と明かしている。
プロデューサーのメアリー・アリス・ドラムも「私たちは、SETI研究所の創設メンバーの一人で、カール・セーガンと一緒に仕事した天文学者のジル・ターター博士と会いました。彼女は私たちに、宇宙についてもっと広い視野で考えることを教えてくれました。この物語には、つながりという強いテーマがあり、私たち全員の心に響きました」と語っている。
ディズニー&ピクサー最新作「星つなぎのエリオ」は、8月1日公開。
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