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横浜聡子監督や白石和彌監督が応援する「嬉々な生活」8月公開決定【予告編あり】

2025年7月7日 18:00

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画像1(C)belly roll film

若手映像クリエイターの登竜門として知られるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024で、審査員特別賞とSKIPシティアワードをダブル受賞した「嬉々な生活」が、8月9日から大阪・第七芸術劇場で1週間限定公開、8月29日から新宿武蔵野館ほか全国で順次公開されることが決定。併せてポスタービジュアルと予告編が披露され、横浜聡子監督、白石和彌監督らオピニオンから応援コメントが寄せられた。

本作は、磯部鉄平監督の「凪の憂鬱」(22)、「夜のまにまに」(23)などのプロデューサーで、これが劇場デビュー作となる谷口慈彦監督のオリジナルストーリー。大阪の団地を舞台に、最愛の妻を失ったショックで万年床から出られなくなった父・賢介と、父や弟妹のケアを一身に背負うこととなった逞しい中学生、嬉々の日常を描く。彼らを取り巻くのは、ハラスメントに無自覚な同僚教師への嫌がらせがやめられない嬉々の元担任や、賢介の行動に怒りと疑問を持つ同じ団地の住民。そんな大阪の土地柄を反映した、距離が近くてお節介で、どこか不器用な大人たちが織りなす人間模様を、嬉々のクールな眼差しが責めるわけでもなく、慈しみと優しさで浮き彫りにしていく。なお、嬉々役を演じた西口千百合は、第25回TAMA NEW WAVEコンペティションでベスト女優賞を受賞している。

画像2(C)belly roll film

スマホで撮影された家族の何気ない日常風景が映し出される。5人の家族は幸せそうだ。母親が急死し、時を経て中学生の長女・嬉々が家事をしながら妹や弟と慌ただしく学校にいこうと出かける。布団の中の父親に「いってきます」と声をかけるが反応がない。親友の美優と待ち合わせをし、学校へ向かうと思いきや、嬉々は商店街でバイト求人の張り紙を探し回っている。経済的に困窮する嬉々は、元担任教師の高妻のある行動を目撃し、他言しないことを条件にお金を貸してもらうよう交渉する。高妻の協力を得て一家の生活が変わっていく兆しが見えてきたが、一方で父の状態は悪化していく。

画像3(C)belly roll film

ポスタービジュアルは、母親の遺骨を手にした嬉々が中央にレイアウトされ、その周りを家のベランダで育ててている、母親との思い出でもある色とりどりの花や弟妹が描いた絵が囲んでいる。一見かわいらしいビジュアルに見えるが、寒色中心で少しもの悲しく、「大人ってそんなに強いんですか」という嬉々目線のキャッチコピーからは、彼女の秘めた葛藤が伝わってくるデザインに仕上がっている。

予告編は、母親の死をきっかけに、嬉々が元担任からお金を借りたり、怪しいバイトをしようとしたり、経済的に困窮する一家を支える彼女の日常を収めた前半から一転、後半には、父を後ろに乗せ自転車で爆走する嬉々や弟妹の生き生きとした姿を映し出している。

画像4(C)belly roll film

横浜聡子監督、白石和彌監督、俳優の川瀬陽太らの応援コメントは以下のとおり。


横浜聡子(映画監督)
「ヤングケアラーがテーマの映画、最近多いなあ」と漠とした不安とともに映画を観始めたが、すぐにそんな不安は吹き飛んだ。矛盾だらけの人間をちゃんと理解し、かつ的確な距離をもって描く谷口監督の眼にすっかりやられてしまった。人間をしっかり描けば自ずと社会が浮かび上がってくるということを「嬉々な生活」は証明している。映画の終わらせ方もこれまで観たことのない類の、見事なものだった。どうか観てほしい。

白石和彌(映画監督)
その一瞬でしか切り取ることの出来ない衝動と、谷口監督の俳優たちへの優しい眼差しが見た者の心を撃ち抜く。映画を見終わって息遣いが荒くなるほど爽やかな、おっさんの私でさえ今すぐ走り出したくなるような余韻。この映画のラストシーンは必見です。

川瀬陽太(俳優)
どこにでも在る出来事、ひと。皆ずっと同じではいられない。時間は残酷だが救いでもあって、すべての人間に等しく降り注ぐ。要らない時間や人間なんていやしない。そう信じさせてくれる魔法がこの映画にはかかっている。

■武井みゆき(配給会社ムヴィオラ代表)/2024SKIPシティ国際Dシネマ映画祭審査員)
私は洋画配給が主な仕事なので、本当は洋画の味方でいたいのですが。谷口慈彦監督の映画にはやられました。あのラストのシークエンス。瞬間が永遠になるのを目撃し、体力ゲージもメンタルゲージも一気に爆上がりしました。誰にも撮れない映画だから、1人でも多くの人に見てほしい。

メイスク・タウリシア(映画プロデューサー)
"A life that is full of love that it breaks your hearts.
Beautifully made, and will not be easy to forget."
心が張り裂けるほどの愛に満ちた人生。美しく作られており、決して忘れられないでしょう。

荒木美也子(アスミック・エース・プロデューサー)
人と同じように映画とも素敵な出会いがあるもの。「嬉々な生活」は、そんな思いを抱いた作品だ。主人公の嬉々(きき)という名前は、「魔女の宅急便」のキキが由来であることも、タイトルが「嬉々の生活」ではなく「嬉々な生活」であることも、谷口監督がこの作品に込めた思いとして、観終わった後、じんわり広がってくるものがある。ダメな父親や、境遇に負けず生き抜く嬉々の演技・演出は、お見事!暗闇のなかで予想外の行動をとる嬉々とラストシークエンスは、圧巻です!!

小川あん(俳優)
最愛の母を亡くした家族。団地の一室で過ごす生活、沈黙する父、それを支えようとしたり、遠ざけようとする周囲——そんな最小単位の家族(世界)を丁寧に映しながら、失業や孤独、喪失といった日本社会を覆う不安や孤立までもが滲み出てしまう。
しかし、谷口監督は、嬉々の「正しさ」に追い立てられた生活の脆さに焦点を当て、ベランダから覗くような限られた視界に、それでも確かに何かが芽吹こうとする気配をとらえていた。不器用ながらも差し出される手があり、言葉にされないまま寄せられる思いやりがある。誰かを思う静かな気配が、沈黙のなかに幾重にも重なっていく。
わたしは、ラストカットで駆け出す嬉々の背中姿を見送って、ファーストカットのホームビデオで見せた嬉々の笑顔をもう一度見返した。彼女はこれから、人生の「痛み」と「願い」を一つにして引き受ける力強さをもって駆け出していくだろう。

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