野村宏伸「受け継がれる映画っていいな」 公開30周年「学校の怪談」特別上映は“即日完売”
2025年7月6日 22:40

1990年代のホラーブームを牽引した映画「学校の怪談」シリーズ全4作品のBlu-ray発売を記念し、7月6日に東京・池袋HUMAXシネマズで、シリーズ第1弾「学校の怪談」(95)が特別上映された。上映後には主演を務めた俳優の野村宏伸、監督の平山秀幸、脚本を手がけた奥寺佐渡子が登壇。当時の貴重なエピソードに、即日完売となった客席は大盛り上がりだった。
この日、ファンと一緒に映画を鑑賞したという野村は「フィルムの良さもあるし、いま思うと贅沢な撮影だった」と振り返り、「当時、子どもだった皆さんが、いまは親になって、お子さんにも見せられる。そんな代々受け継がれる映画っていいなと思う」と誇らしげ。印象に残るのは、お化けと対面し叫ぶシーンだといい「何回もできるシーンじゃないので、あそこに賭けていた」と話していた。
小学校教師の小向先生を演じ「どこか頼りない先生ですけど、そこから(子どもたちとピンチを乗り越え)先生、先生って慕われるようなキャラクター。押しつけがましくなくて、そこがいいのかな」と人気の理由を分析。子役たちの共演については、「慣れ合っちゃうと、緊張がゆるんでしまうので、ある程度の距離を保っていた。もちろん、嫌っていたわけではないです」と話していた。

平山監督は「お化け屋敷で騒ぐ楽しいテイストは残しつつ、僕と奥寺さんで『お化けや幽霊は友だちである』というテーマを決めて、そこだけは崩さずにやろうと。(コンビとして)3作品つくりましたが、中身の柱は変わっていない。お化けたちは、子どもと遊びたくて出てくるので」と述懐する。
子役オーディションでは、「おはようございますって挨拶してくる子は、ほとんど落ちたと思います」と明かし、「みんな、とにかく言うこと聞かないので(笑)、自然体の状態を撮りたくて、黙ってカメラを回したことも。とにかく、出演したお子さんが将来すごい俳優になる、ならないは興味がなく、子どもたちにとって、夏休みのいい思い出であれば、それで十分だろうと思った」と語っていた。

現在、大ヒット公開中の「国宝」の脚本も手がける奥寺氏は、「改めて見て、本当に丁寧に作られた映画だなと思う」とコメント。劇中には、「コーヒー牛乳とイチゴ牛乳、どっち好き?」「おれ貯金してんだ、貯金好き?」といった子どもらしいユニークなセリフも数多く登場しており、「私も当時、(脚本家)デビューしたばかりで、中身が小学生みたいだったのかも」と照れ笑いを見せた。ラストで香織が「私を忘れないでね」と伝えるセリフについては、「あれはさようならという意味だった」と説明した。
また、「学校の怪談2」に登場する稲葉杏子というキャラクター名について、長年ネット上で、同名キャラが登場する「地獄先生ぬ~べ~」が元ネタではないかと議論されてきたが、この日、奥寺氏は「偶然です」と回答していた。お気に入りのお化けは「インフェルノ」だといい、「(元の姿の)クマヒゲは、道徳に厳しいので、ルールを守らせたい一心。本当は優しい」と理由を語った。

いまも根強い人気を誇る「学校の怪談」。もしも、令和の時代にリメイクや続編が作られたら、どんな作品にしたいかと問われた野村は「やっぱり、舞台は現代ではなく、携帯やスマホがない時代のほうが、いろいろと話を膨らませられるかなと思う」。自身が演じてみたい役柄について「もう還暦なので、先生役は無理かな。近所のおじさんかも」と答えると、平山監督から「お化け役もいいんじゃないですか?」と提案され、「お化けもいいですね」と思いをめぐらせた。
奥寺氏は「やっぱり、木造校舎が見たいな。いま残っているかな?」。舞台挨拶の締めくくりとして、平山監督が「自分が作った映画が30年後に上映してもらえるのは、自分にとってもうれしいこと。今日みたいなイベントや、Blu-rayとして残していただけるのもありがたい。いつか同窓会もやってみたいですね」と語ると、会場は大きな拍手に包まれた。
「学校の怪談」シリーズ全4作品のBlu-rayは、7月16日に発売される。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント