「罪人たち」“招かれざる客”役のジャック・オコンネル、撮影中は「ビヨンセになったような気分になる日もあった」【独占インタビュー】
2025年6月26日 08:00

ライアン・クーグラーが監督、マイケル・B・ジョーダンが一人二役で主演を務める「罪人たち」(公開中)。本作で裏の主人公とも言える“招かれざる客” レミックを演じたジャック・オコンネルのインタビューを映画.comが入手した。難役を理解するまでや、クーグラー監督との仕事について語っている。
舞台となるのは、1932年のアメリカ南部、ブルース発祥の地とされるミシシッピ・デルタ。双子の兄弟スモークとスタックは、一攫千金の夢を賭けて、当時禁じられていた酒や音楽をふるまうダンスホールを計画する。オープンを迎えた店で誰もが熱狂する中、スタックとスモークの19歳の従兄弟で、生粋のブルース・ミュージシャンであるサミー(マイルズ・ケイトン)が魂を震わせるブルースを披露する。悪魔を呼び寄せるかのようなその歌によって招かざる客が姿を現し、事態は一変。歓喜は絶望にのみ込まれ、人知を超えた者たちの狂乱が幕を開ける。
全米では、オリジナル作品としてここ10年で最大のオープニング成績を樹立し、全米興行ランキング2週連続1位に。全世界興収は527億円を突破した(※6月23日時点)。

日本では6月20日から全国30劇場(50スクリーン)で公開を迎えると、6月22日までの3日間で観客動員1万1859人、興行収入2396万円を超える結果となった。この数字は、公開スクリーン数の平均興行収入“興収スクリーン・アベレージ”で計算すると、1スクリーンで興収約479万円を記録する好スタートを切った。SNSでは「幸せで涙が溢れてしまった。人生でこれ以上の映画に出会える自信がない」「ライアン・クーグラー脚本も書いたオリジナル作とは天才中の天才!年間ベストいや人生ベスト入るかも」「ぶっ飛びました!ヤバい!!!こんなにおもしろいと思わなかった!!!」など、熱い感想が上がっている。
イギリス出身のオコンネルは、「名もなき塀の中の王」やベルファストを舞台にした政治サスペンス「ベルファスト71」、アンジェリーナ・ジョリー監督の「不屈の男 アンブロークン」に主演し、注目される。その後もジョージ・クルーニー主演「マネーモンスター」など複数の作品に出演。最近では、マイケル・マン監督の「フェラーリ」でイギリス人レーシングドライバーのピーター・コリンズ役、エイミー・ワインハウスの伝記映画「Back to Black エイミーのすべて」でエイミーの運命を変える恋人を演じた。
「罪人たち」でオコンネルが演じるのは、アイリッシュ民謡を高らかと歌い、自由を求める人々を自分の世界に誘い込もうとする異邦人レミックだ。

レミックとは何者かと問われたオコンネルは、クーグーの脚本を読んで戸惑ったと告白する。「何度も読み返してようやく自分の目が信じられました。アメリカの脚本で、伝統的なアイルランド音楽、それも単なるポピュラーなアイルランド音楽ではなく、本物、正真正銘の音楽を取り入れている脚本なんて滅多にありません。ですから、レミックと他の吸血鬼たちがアイルランド民謡『Rocky Road to Dublin』を歌う場面を、6、7回読み返してようやく理解できました。ご想像の通り、かなり不思議な体験でした」と述懐する。
自分の役が時を越えた“不死の存在”だと理解したオコンネルが続ける。「レミックはおそらく1000歳くらいの年齢を自称していると思います。私が手がかりにしたのは、映画の中でアイルランドが初めて植民地化されたときのことを語るセリフだけです。それは少なくとも600年前の話です」と、アイルランドの歴史に照らし合わせることも忘れなかった。
本作の舞台は、1932年のミシシッピのクラースデール。なぜ、この地に悪魔のようなアイリッシュが現れるのか……。「ご想像のとおり、脚本には埋めるべき空白がたくさんあります。創造し、発明する余地と機会がたくさんあります。同時に歴史と事実に根ざしており、私自身も非常に興味深いと思っています」と、オコンネルは自分に与えられた空白を楽しむことに決めた。
「レミックが自ら語るほど長く生きてきたことで、彼の性格、個性、そして能力には、ある種の複雑さが備わっています。人の気持ちを読むことができ、死についても独自の見解を持っています。ですから、そういった余地を大いに活用して、大いに楽しむことができました」と満足げに語る。
クーグラー監督との話し合いも刺激に満ちていた。「ライアンはレミックに奥行きを与えて描いています。すべてが既にページ上に存在していて、文章も素晴らしい」と監督の脚本を賞賛しつつも、それでも「何をどう考えればいいのか分からなくなるような感じです」と途方に暮れることも多かった。
「レミックは魅力と好感を持って描かれていて、それがとても面白い。彼には強いに共感力があり、救いようのある点がたくさんあるのです」と指摘する。「確かに、彼は人々を殺し、血を貪ろうとしていますが、そうすることで、彼らに永遠の命と悟りの約束を与えようとしているのです。つまり、彼は使命を帯びていて、私は彼をそう理解しました。彼にはある種の大義があるのです」

レミックは、劇中でアイルランド民謡に挑戦した。歌にもチャレンジすることになり、「最高のアーティストたちと仕事をしていたような気分でした。私は歌手ではないし、ギターを少し弾くことはあってもミュージシャンだとは思っていません。ルドウィグ・ゴランソンとセレーナ・ゴランソンは、映画音楽のエキスパートですから、最先端のレコーディングスタジオを用意してくれたのです」と最高の環境で歌を収録した。
続いて、ダンスにも取り組んだ。「アッシャーとも仕事をしたことがありダンスの振り付けの最高峰であるアーコモン・ジョーンズが担当してくれました。ビヨンセになったような気分になる日もありました(笑)。午前中に音楽のレコーディングをして、その後ダンスのリハーサルをする。まるで自分が大物ポップスターになったような気分でした」と微笑んだ後、「冗談はさておき、撮影現場に着く頃には、素晴らしい専門家たちと仕事をし、パートナーを組んでいました。もう準備万端だと感じていました」と振り返っている。
「ライアンは、私たちを温かく迎え入れてくれるような雰囲気を作ってくれました。彼は本当に頼りになります。いつでも準備万端で、いつでも対応してくれると感じました。彼はキャスト陣と素晴らしい関係を築いていて、質問があればいつでも彼とじっくり話せる環境を作ります。クーグラー監督については、良いことしか言えません」と常に現場ファーストで向き合い続けるクーグラー監督に全幅の信頼を寄せる。
そして、「監督にとって共感力は非常に重要なことでした。吸血鬼の伝承は確かに存在すると思います。それこそが、私たちが話し合った共通のポイントであり、私が理解した共通の認識です。共感すること、共感を示すことが鍵でした」と、レミックを演じるうえで共感力を重視したという。
最後に、クーグラー監督との仕事を振り返り「この物語には、たくさんの楽しみがありました。現場では笑い合ったり、何かを見つけたりして、オープンで独創的でクリエイティブな雰囲気を保つことができました。監督は常に相談に乗ってくれる人です。きっと他のキャストもそう思うでしょうが、彼は完全に理解しているという印象を受けます。役柄も、ストーリーも、すべて理解しています。そして、彼は疲れを知らない努力家です。それが本当に自信を与えてくれます」と結んでいる。
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