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池田エライザ、阿達慶を“未来人”にするために挑んだ試み 思い描いた“10年後の自分”も明かす【「リライト」インタビュー】

2025年6月13日 08:00

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阿達慶(左)、池田エライザ(右)
阿達慶(左)、池田エライザ(右)
池田エライザ/ヘアメイク:RYO(TRON)、スタイリスト:髙橋美咲(Sadalsuud) 阿達慶/ヘアメイク:浅津陽介、スタイリスト:柴田拡美(Creative GUILD)

松居大悟監督と「ヨーロッパ企画」の上田誠(脚本担当)が初タッグを組んだ「リライト」(6月13日公開)で、甘酸っぱいひと夏の関係を紡いだ池田エライザ阿達慶。緻密な構成によってタイムリープが巻き起こすドラマを描く映画の中で、青春の輝きを鮮やかに体現している。

映画初出演にして“300年後からやってきた未来人”という難役を演じた阿達について、池田は「とんでもなく輝いている」とにっこり。阿達は、池田をはじめとする共演者や監督に助けられながら、特別な空気をまとうキャラクターを演じることができたと感謝を込める。未知の世界に飛び込んだ阿達を支えたものは一体、何だったのか。

池田と阿達が夏の尾道の撮影を振り返ると共に、10年後の「なりたい自分」まで笑顔いっぱいに語り合った。(取材・文/成田おり枝、撮影/間庭裕基


【映画「リライト」概要】
画像2(C)2025「リライト」製作委員会

本作は、“史上最悪のパラドックス”として話題となった法条遥氏の同名小説(ハヤカワ文庫刊)を原作とした“タイムリープ×青春ミステリ”映画。主人公となるのは、高校時代に300年後からやってきた未来人・保彦(阿達)と出会い、恋に落ちた美雪(池田)。保彦と過ごしたひと夏の物語を小説にする約束をした美雪は10年後に小説家となって約束した物語を書き上げるが、「保彦との特別な思い出があるのは1人だけじゃない」と同級生から衝撃の事実が明かされる。


画像3(C)2025「リライト」製作委員会
池田エライザが実感している、映画づくりのよさとは?
――青春のきらめきと共に、それぞれの本音やギョッとするようなクライマックスが描かれた本作。原作や脚本を読んだ時には、どのような感想を持ちましたか。
池田:私は美雪の目線で読んでいたので、途中から「もうやめてくれ!」という思いが湧いてきました(苦笑)。脚本を読みながらも、時間を巻き戻したい、前のページで留まっていたいという気持ちになりました。
阿達:これまでもタイムリープを描いた作品に触れることはありましたが、まさか自分が“時をかける側”としての目線で作品に触れることになるとは思っていませんでした。未来人である保彦を演じるにはどうしたらいいんだろうと、不思議な感覚になりました。
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――阿達さんはオーディションを経て、映画初出演を果たしました。“タイムリープしてきた未来人”という難しい役でのオーディションとなりましたが、どのような気持ちで臨みましたか。
阿達:オーディションに受かることができれば、いろいろな新しい経験をできることになりますし、世に出たいという気持ちもあり、「絶対に受かってやるぞ!」という意気込みで臨みました。未来人というのはどのように演じたらいいんだろうという思いもありましたが、オーディションで実際に保彦のセリフを口に出してみると、保彦の感情や心の動きに違和感を持つこともなく、スッと言葉にすることができて。自分でも意外でした。保彦は、普段の自分とそう遠くないところにいるのかな、共感できるところがあるなと思うことができました。
――実際にオーディションに受かった時の喜びは大きなものでしたか。
阿達:めちゃくちゃうれしかったです!舞台の幕間に、マネージャーさんから連絡をいただいて。いつも冷静なマネージャーさんが、すごく喜んだ声で電話をしてきてくれたこともうれしかったです。やりきることができたと思えたオーディションだったので、合格の連絡をいただいた安心感もありつつ、その時点から「初めて映画に出演する」という緊張感も高まっていました。
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――池田さんが、映画づくりの現場のよさについて感じているのはどのようなことでしょうか。
池田:たくさんあります! 人助けをしたい、誰かの役に立ちたいという自分のエゴとしては、映画の放つメッセージが誰かのもとに届いて、何かしらの影響があるといいなと思っています。そして作り手となる現場のみんなのエゴが一致して、作品を生み出していく過程のすべてが大好きです。誰も悪意を持たず、同じ方向を向いて、よりよい作品にしていこうと取り組んでいるんだと思うとキュンキュンします。
――今回もそういった醍醐味を味わうことが多い現場となりましたか?
池田:本当にそう思います。バスに乗っているシーンを撮影する際、バスには最小限のスタッフさんしか乗ることができないので、バスに乗り込む私たちをみんなが「いってらっしゃい!」と手を振って送り出してくれて。バスが一周して戻ってくると、今度は「おかえり!」とまた手を振って迎えてくれたりと、毎日楽しく撮影をしていました。同じ目標があるゆえに団結できるんだなと、日々感じていました。
――阿達さんにとっては、そんなすばらしい世界に足を踏み入れたことになりますね。
池田:本当にそうですね。松居組はすごく朗らかで、演出もとても豊かです。阿達くんがそういった現場で映画初出演を果たせたことは、すばらしいことだなと思います。
阿達:スタッフさんや共演者の方など、たくさんの方から「初めてが松居組でよかったね」と言っていただきます。松居監督は俳優さんもやられているので、役を演じることに対して考え方の道順を教えてくれたり、説明がとてもわかりやすくて。演じるというのは、すごく楽しいことなんだと教えていただきました。
画像6(C)2025「リライト」製作委員会
●難役を鮮やかに演じた阿達慶、「ものすごく助けていただいた」と感謝
――池田さんは、まっすぐに突き進む力強さを持った美雪を演じました。制服姿の高校生時代と10年後の大人になった姿を演じ分けることになりましたが、役作りについて松居監督と話し合ったことがあれば教えてください。
池田:松居監督からは、高校時代の美雪についてシンプルな演出がひとつだけあって。「身振り手振りを大きくしてください」と言われていました。高校時代って、“人からどう見られているのか“、“自分はどう見られたいのか”ということの帳尻が合ってくる時期で、私自身、まだ当時の記憶が新しいものとして残っていました。その記憶を振り返りつつ、グッとギアを上げて、どんなことでもバカ笑いをしていたエネルギーを頑張って表現しました。同級生を演じた周囲も20代の方ばかりだったので、「みんなでやれば怖くない」と信じて(笑)。誰かに見られているという考えも持たず、久々にガニ股で歩けて、キョロキョロできて……。なんだかとても爽快でした。
――その爽やかなエネルギーをたっぷりと浴びることができました。一方、10年後の美雪を演じる上で大切にしたのはどのようなことでしょうか。
池田:10年後の美雪は、私と同じように苛まれ、同じような悩みに直面していました。大人になると向き合わなければいけないことがたくさんありますよね。それによってできてしまった表情筋を意識したことで、美雪の表情が出来上がっていったように感じています。
画像7(C)2025「リライト」製作委員会
――保彦の魅力が、物語を大きく動かしていく鍵となります。不思議な空気感をまとう保彦を見事に演じた阿達さん。未来人を演じる上で、特別に準備したことはありますか?
阿達:なにせ映画初出演なので、変に考えすぎたり、作り込んだりするとよくないのかなと思う部分もあり、内容についてはしっかりと読みつつ、保彦の演技についてはあまり決めすぎないほうがいいのかなと。保彦は周りをかき回すような存在ですが、彼のために周囲が動き回ってくれるようなところもあるので、僕も責任を持って保彦を演じると共に、相手の方に委ねよう、頑張って自然体でいようと思っていました。そして、こんなにお芝居が上手で経験もたくさんある方々の中に阿達慶がいるということ自体、異質な感じがするので……(苦笑)。その異質感が保彦役にうまくいきるといいなと思っていました。
――未来人と知りながら保彦に恋する美雪。その時代や尾道を案内してもらいながら、美雪とひと夏を過ごす保彦。美雪と保彦として共演した感想を教えてください。
阿達:お芝居をする上で、池田さんがたくさんパスをしてくださって。本当に感謝しかないです。
池田:セリフが終わってもなかなかカットがかからない時など、保彦に向けて「あの景色を見て」、「あれは何だろう」といろいろと話しかけてみることで、どのような未来人っぽさが出てくるかなと。たとえば美雪が「エイがいる!」と言ったとして。阿達くんとしては「未来人はエイを知っているのか、知らないのか」など難題が出てくると思いますが、阿達くんのように保彦に愛情を持って役柄に向き合っていれば、何かしら出てくるものだと思っていました。阿達くんとそういったやり取りができたことがとても楽しかったです。そういえば撮影の合間に、「好きなご飯って何?」と聞いたことがあって。阿達くんが「お母さんのご飯が好きです」と答えた時に、「未来人だ!」と思ったんです(笑)。私たちは実年齢だと10歳くらい差があるので、使ってきた電子機器や経験してきた流行も違えば、そういった回答でもこちらが予想もしないようなものが出てくる。保彦イコール、阿達くんだと感じることができました。
画像8(C)2025「リライト」製作委員会
――未知の世界に飛び込んだ保彦と、彼を迎え入れた美雪の関係性に似ているかもしれません。
池田:保彦に尾道をガイドしていく、美雪のようですね。初映画だというのに、こんなにアドリブを投げかけられて困らせてしまったかもしれません。
阿達:ものすごく助けていただきました!物語と同じように、阿達慶としてもいろいろなことを教えていただいて、言葉では伝えきれないくらい感謝しています。セリフが始まる前や、セリフが終わった後にも、池田さんがいろいろなことを投げかけてくださって、それに対して返していこうとすることで保彦を演じられたんだと思います。その場ではとにかく必死で、そのパスに気づかなかったり、受け取れなかったり、弾いてしまったり……。完成した作品を観てみると、無意識のうちに引き出してもらっていたんだと感じることばかりでした。一度、「いつもこちらから(アドリブを)投げかけているから、投げかけてみて」と言ってくださったことがあるんですが、うまくできませんでした(苦笑)。
池田:劇中でも阿達くんはとんでもなく輝いていらっしゃるので、そのまぶしさでみんな目がつぶれればいいと思っています(笑)。
画像9(C)2025「リライト」製作委員会
●結婚、出産、俳優像……思い描いた、10年後の自分
――本作では、“10年後”がキーポイントとなりますが、10年後の展望を伺えればと思います。池田さんは今回、監督作を務めた「夏、至るころ」でご一緒した倉悠貴さんと共演していますが、また映画監督をやりたいという気持ちはありますか?
池田:倉くん、「自分だけ監督が2人いるみたいだ」と緊張していました(笑)。私自身、また「夏、至るころ」のようなやさしい映画を撮りたいと思っています。10年後かあ…。まだ結婚の予定もなく、どうすればいいんでしょう(笑)。今年29歳になり、そういったことを考える年齢になりました。周囲のみんなは「30代は楽しいよ」と言ってくれたり、「ホルモンバランスも変わるし、いろいろなことが変わる」という話も聞きます。いろいろな話を聞きすぎて、どうしたらいいんだろうと頭がフリーズしてしまっている状態ですが、また映画も撮るし、歌も歌うし、お芝居もやる。そして産めたら、子供も産みたいなと。常にやりたいことがいっぱいあります。死に際に後悔しないためには、自分が心から楽しめることをしたいなとも思い、旅行に行きたいなと。このお仕事を始めて一度しか長期休暇を申請したことがないのですが、その時はイギリスに行って勉強ばかりしていたので、今度はスイスを訪ねてただただ大自然に圧倒されたいなと感じています。
――結婚や出産について考えると、お仕事とのバランスや働きやすい環境について思いを巡らせることも増えるかもしれません。
池田:環境については安心しています。ヘアメイクさんやマネージャーさんなど、周りの人たちと一緒に誰かが出産をすればサポートし合える、助け合える環境を作ってきました。もしそうなったら、私も全力で甘えようと思います。
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――阿達さんは、本作で演じる楽しさを味わったとのこと。10年後はどのような自分になっていたいと思いますか。
阿達:今はどうしても“与えてもらう側”になってしまうので、10年後はもっと与えられるような人になりたいなと思っています。憧れの俳優像で言うならば、中島健人くんを尊敬しています。中島健人くんには世の中にキラキラとした“ケンティー”というイメージがあるので、俳優さんをやる時にそのイメージを変えていかなければいけないのは、とても大変なことだと思うんです。でも映画やドラマを観ると、役としてその中で生きていて、俳優さんとして活躍されているので本当にすごいなと思います。
池田:このお仕事を続けていく上でも、たくさん憧れて、いっぱい挫折して、失敗して、それを繰り返していけば、それほど豊かなことはないなと思います。
――失敗を恐れないというのは、大切なことのような気がします。
阿達:本作の撮影前にホン読みが行われたんですが、実はそこで一度心が折れたことがあって……。周りの方々のお芝居がうますぎて、2、3日くらいは打ちのめされていました。でもすばらしい方々と共演ができて、映画に出演できる機会なんてなかなかないことですし、落ち込む気持ちは一度置いておいて、思い切って自然体でやってみようと切り替えることにしました。松居監督からも「もっと肩の力を抜いて」と言っていただきました。一度折れたからこそ、尾道ではのびのびとリラックスして撮影に臨むことができました。
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――1冊の小説が、それぞれの運命を動かすアイテムとなります。人生観を変えられた、励まされたなど、お二人にとって世界を変えたような本や漫画、映画などがあれば教えてください。
池田:ジョルジュ・サンドの「愛の妖精」は、私にとってのバイブルです。人の劣悪な部分、そして正しさや清らかな心など、そのどちらもが描かれていて、「美しさとは何か」ということを教えてもらった小説です。
阿達:舞台になるんですが、「Endless SHOCK」は僕にとってものすごく影響を受けた作品です。出演者としてザ・エンタテインメントという世界に入ることができて、堂本光一さんが「どんなことがあってもショーを続ける」ということを体現しているカッコいい姿を見て、自分にとっての最終的な目標を肌で感じたような気がしました。

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