映画「宝島」沖縄から全国キャラバンがスタート 妻夫木聡が“里帰り”で涙「二度の延期は神様がくれた時間」
2025年6月9日 11:05

大友啓史監督(「るろうに剣心」シリーズ、「レジェンド&バタフライ」)がメガホンをとった映画「宝島」の沖縄プレミア試写会舞台挨拶が6月7日、沖縄・シネマQで行われ、大友監督のほか、妻夫木聡、広瀬すずが登壇した。
原作は、戦後沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描き切った真藤順丈氏による同名小説。妻夫木、広瀬のほか、窪田正孝、永山瑛太らが共演し、アメリカ統治下の沖縄を舞台に、混沌とした時代を全力で駆け抜けた若者たちの姿を圧倒的熱量と壮大なスケールで描き出す。
先日行われた完成報告会見で、「『宝島』は、“人生のバトン”の物語。映画を越える存在になっているこの作品を、皆さんに直に会いに行って届けたい!」と“宝島宣伝アンバサダー”として全国行脚することを宣言した主演の妻夫木。その“全国キャラバン”が遂に開幕となり、第1弾として、物語の舞台・沖縄の地に妻夫木、広瀬、大友監督が降り立った。
那覇市の劇場・シネマQでの沖縄プレミア試写会舞台挨拶では、最初に沖縄の人々に映画を見てもらえることに対して、妻夫木が「感無量です。二度の延期を乗り越えて、戦後80年という節目に公開されることになったのは、もしかしたら、時間をかけて練り上げる時間を神様がくださったのではないかと思う」と“運命的な出来事”として語った。


広瀬が「時間がかかったからこそ、作品に対するスタッフの皆さんの情熱や愛情、敬意を感じ、貴重な経験だった」と話すと、さらに大友監督は「アメリカ統治下の沖縄を再現するのは難しく、美術的なことだけでなく、予算的なことも含め覚悟を決めないと作れなかった」と当時の状況を語り、さらに「調べるにつれ、伝えなければならない想いが募り覚悟を持って撮影した」と明かす。
さらに、コザ暴動のシーンでは集めてきたビンテージカーをひっくり返して燃やした豪快なエピソードに話が及ぶと、妻夫木は“当初実際のゲート通りで撮影したいと言っていた”と大友監督のエピソードを語り、「もし本当にゲート通りで撮影してたら、新たなコザ暴動が起きていたかもしれない」と述懐。コザ暴動の撮影について、大友監督は「コザ暴動はあまり映像などが残っておらず、うちなんちゅの方々によって語り継がれた情報を元に想像力を駆使して組み立てた」と苦労を語った。

広瀬は沖縄の歴史を演じることについて「授業で習ったことしか知らなかったが、実際に撮影前にいろいろと沖縄の地を回ってみると肌の感覚が変わり、血が騒ぐ感じがし、今の時代に生きている自分たちがどういうふうに受け止めるべきなのか?」と考えさせられた事を語った。
撮影前の役作りに関して妻夫木は、コザにある資料館訪問や、実際に体験者への取材を敢行。当時のことを思い出し、涙で言葉を詰まらせる場面が何度もあった。その都度、会場からは「がんばれ」と温かい声援が送られ、「自分が大好きな沖縄だから、ないがしろにしたくない。どこか見てみぬふりをしていた自分がいたんじゃないか」と佐喜眞美術館で「沖縄戦の図」を見た時に感じた事を語り、作品を大切に思う気持ちを述べていた。

妻夫木に対して、大友監督は「アメリカ統治下の沖縄を描くのは大変で、キャスティングしながら、2人の顔が自然に出てきたのと同時に、この歴史を背負える俳優というのは、キャリアとか考え方とかを共有して託せる人じゃなければいけないと思って役者を決めた」という。さらに「何も情報を知らない人が映画の中に入って、登場人物たちと一緒に追体験をして欲しいと思った時に、やっぱり、今の妻夫木くんのような感性が必要だった」と絶大な信頼を置いているようで、「本当にありがとうね」と妻夫木に感謝の意を伝えていた。

イベントの最後には、それぞれが胸の内に秘めた“願い”を打ち明ける。

さらに、上映後には妻夫木が“宝島宣伝アンバサダー”として沖縄への感謝の想いを込め、来場した340人全員に宣伝アンバサダーの名刺を自ら手渡しするサプライズイベントも実施。鑑賞の感動を本人に伝え、妻夫木自身も涙ぐむ場面が何度もあった。

名刺を配布し終わった妻夫木は「映画を見たお客様としっかりと向き合い、時間を共有できたことはとても貴重な体験だった。この想いを持ち全国キャラバンに向かいたい」と今後のキャラバンへの決意を語っていた。
「宝島」は、9月19日から全国公開。
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