【第78回カンヌ国際映画祭】アリ・アスター新作、ジェニファー・ローレンス&ロバート・パティンソン共演作などお披露目 「Sirât」が話題
2025年5月23日 15:00

今年のカンヌ国際映画祭は邦画の参加作品が多い一方、洋画も話題作が続々と披露されている。前半の注目作は、A24製作によるアリ・アスター監督の「Eddington」と、ジェニファー・ローレンスとロバート・パティンソンが共演したリン・ラムジー監督の「Die My Love」だった。
前者はホアキン・フェニックス、エマ・ストーン、オースティン・バトラー、ペドロ・パスカルら豪華キャストが顔を並べる現代劇。ニューメキシコのEddingtonという街を舞台に、保安官ジョー(フェニックス)が市長(パスカル)と確執を持つなかで、事態が思わぬ展開を迎える。シュールな状況、奇抜な物語、風変わりなキャラクター設定は、いかにもこの監督ならでは。アメリカ社会に対する風刺も色濃いものの、いささか飛びすぎていてプレスの評価はいまひとつだった。
前作「ビューティフル・デイ」(2017)がカンヌで男優賞(フォアキン・フェニックス)と脚本賞を受賞したラムジー監督による後者は、ローレンス扮する精神的な問題を抱える若い母親の苦悩を描く。人里離れた一軒家に家族と越してきたものの、子育てのストレス、夫婦生活の潜在的な不満、得体の知れない不安感などに苛まれ、彼女は精神のバランスを崩していく。ローレンスの体当たりの演技に圧倒されるが、壊れていく理由がとくに描かれているわけではないためやや説得力に欠け、共感はしづらい。
もっとも映画祭前半、一番の話題をさらったのは、砂漠のレイブ・パーティを訪れる旅を描いたオリバー・ラックスの「Sirât」である。家出し行方を断った娘を探して、父親(セルジ・ロペス)とその息子が北アフリカを車で横断する。冒頭から、砂漠に置かれたサウンドシステムのダンスミュージックが響き渡るなか、本物のレイバーたちも登場する迫力に魅せられる。父と子のエモーショナルなドラマと砂漠の危険地帯を行くサスペンス、荒涼とした風景と大音量が生み出すトランス感の融合は、コンペ作品のなかでも際立ったオリジナリティを放っている。(佐藤久理子)
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