DIE MY LOVE ダイ・マイ・ラブ

劇場公開日:2026年6月12日

DIE MY LOVE ダイ・マイ・ラブ

解説・あらすじ

「ビューティフル・デイ」「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督が、ジェニファー・ローレンスとロバート・パティンソンを主演に迎え、愛と狂気の狭間で揺れる夫婦の姿を描いた心理ドラマ。第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、第83回ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞にもノミネートされた。

田舎町に移り住んだ作家のグレースは、夫ジャクソンとともに新たな生活を始める。穏やかな日々が続くはずだったが、出産をきっかけに彼女の生活は一変。執筆活動は滞り、育児による重圧と孤独、さらに断片的に訪れる幻覚が、日常を徐々に歪めていく。やがて現実と幻想の境界が揺らぎはじめ、グレースの精神は静かに、しかし確実に崩壊へと向かっていく。

主人公グレースを演じるのは、「世界にひとつのプレイブック」でアカデミー主演女優賞に輝いたジェニファー・ローレンス。本作ではプロデューサーも兼任し、出産後の女性が抱える孤独や不安を、自身の出産経験も生かした役作りで体現。夫ジャクソンには、「THE BATMAN ザ・バットマン」のロバート・パティンソンが扮した。原作はアリアナ・ハルウィッツによる小説「死んでよ、アモール」。プロデューサーとしてマーティン・スコセッシが名を連ねる。

2025年製作/118分/PG12/アメリカ・イギリス合作
原題または英題:Die My Love
配給:クロックワークス
劇場公開日:2026年6月12日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第83回 ゴールデングローブ賞(2026年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) ジェニファー・ローレンス

第78回 カンヌ国際映画祭(2025年)

出品

コンペティション部門
出品作品 リン・ラムジー
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映画レビュー

4.0 わたしの苦しみはわたしのものであるという覚悟。

2026年6月30日
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村山章

3.0 フレームからはみ出す“枠外”の愛の行方は…

2026年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ジェニファー・ローレンスに原作を推薦したのはスコセッシだったらしい。
死ぬほど好きな男とニューヨークから片田舎に移り住んだ女性。自殺した叔父が残した彼の家で愛の戯れに身を委ねる新しい毎日。だが幸福なときは長くは続かない。愛する人がいて、彼との交わりで愛くるしい子どもが生まれた。なのに、なぜ…。

ジェニファー・ローレンスが選んだ監督は『ビューティフル・デイ』のリン・ラムジー。
元FBIでベトナムに従軍した退役軍人は、ある特殊な任務を自分に課している。マザコンであり、ロリータの兆候があり、どこかトラヴィスをも思わせる男をホアキン・フェニックスが体現、鬼気迫る快演に圧倒された。個人的には『ジョーカー』よりも断然好きな映画だ。

ラムジーは、冒頭からフレーム内フレームの構図と手持ちカメラによって自由な演技空間を作る。枠組みをはみ出す自由な演技を引き出す能動的な演出に撮影が呼応する。画角はもちろんのこと、エクタクロームだから表現できる陰影と光彩が感情の揺れを繊細にとらえている。つまり、すべては固定された枠の中ではなく、枠外の揺れを描き出すのだ。冒頭と終わりの同一アングルから家を見据えたとき、ふたりが共にした時の経過が浮かび上がる。この描写センスも抜群だ。

ジェニファーは共演者にもこだわる。出産後の変化に惑い、途方に暮れながらも彼女を愛し続ける男にロバート・パティンソン、突然姿を現す娘を見守りながらも、ときにライフルを向ける姑にシシー・スペイシク、認知症を患い達観の域にある舅にニック・ノルティと、硬軟を織り交ぜたキャストが顔を揃えている。

出産と育児によって失われたこと、変わってしまったこと。複雑で単純ではない内なる変容を表現することの難しさ。言下にうごめく特別な感情を表現する。衝動に身を任せるかのように振る舞う女優と、もはや限界だと彼女をもて余りしがらも、突き放すことができない自分を体現する俳優。極めて難易度の高い感覚的な演技で表現されるのは、あてどない魂の彷徨。ふたりが行き着く先には…

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髙橋直樹

3.5 壊したいのは彼、愛、それとも私?

2026年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

原作小説の著者アリアナ・ハルウィッツは1977年にアルゼンチンのブエノスアイレスで生まれ、2007年にフランスの田舎に移住。異国の地で言葉と文化の壁を感じながら子育てをした経験から、デビュー作「Matate, amor」を執筆し2012年に発表した。英訳「Die, My Love」は2017年に、そして邦訳「死んでよ、アモール」は今年6月にそれぞれ出版された。

小説の英題からカンマを抜いた映画の原題「Die My Love」、そして原語にカナ表記を足した邦題「DIE MY LOVE ダイ・マイ・ラブ」は、韻を踏んでいて詩や歌詞の一節のように美しく聞こえるかもしれない。ただし、スペイン語の原題の解釈をAIに尋ねたところ、スペイン語のMatateは、動詞matar(殺す)に再帰代名詞te(お前自身を)がついた形なので、厳密には「お前自身を殺せ(自殺しろ)」という意味になるのだとか。だから、スペイン語題の強烈な感じには、邦訳本の「死んでよ、アモール」の方がより近いようだ。

単にタイトルが持つ語感だけでなく、この映画は米英合作の英語劇として製作されたことで、肯定的に言えば詩的にソフィスティケートされた、批判的に言えば重要な不安要素の一部が抜け落ち主人公がより分かりづらいキャラクターになったと思われる。

映画化の流れとしては、英訳本を読んだマーティン・スコセッシがプロデュース作品として企画を立ち上げ、ジェニファー・ローレンスに主演を打診。ローレンスは製作に加わり英国出身のリン・ラムジー監督に声をかけ、ラムジーが共同脚本も手がける形で本格始動したという。

原作からの重大な改変点は、物語の舞台と主要人物の母国語。小説では主人公の国籍は明示されていないものの、著者と同様にスペイン語を母国語とする外国からフランスの田舎に移住してきたことが示唆されている。いっぽうパートナーの男性について、やはり国籍が明示されていないものの、こちらは現地のコミュニティーやフランス語に溶け込んでいることから、フランス語が母国語か、少なくとも日常的なフランス語会話に馴染んできたことがうかがわれる。

ところが映画では、グレース(ジェニファー・ローレンス)とジャクソン(ロバート・パティンソン)のカップルがニューヨークから米北西部モンタナ州の田舎に移り住む。この変更により、ジャクソンや地元住民とグレースとの間に言語の壁は必然的になくなってしまう。脚本チームはこのままだと主人公の孤立した感覚や疎外感が足りないと思ったのか、グレースは訪れた雑貨店のレジ係が愛想よく始めた世間話を断ち切るなど、コミュニケーションを嫌っているか苦手とする性格の一面が追加された。

つまり、産後うつや育児ノイローゼとして一般に知られる状況に、言葉もろくに通じない外国に移住したことによるストレスや孤独が加わって精神状態を悪化させていくという原作の重要なポイントが失われ、映画ではコミュ障なせいで自滅していく、身勝手ではた迷惑な主人公に見えてしまうリスクを抱えることになった。もちろん、映画のキャラクターにどの程度共感できるかは観客個々の経験や考え方の違いで個人差が出るだろうし、本作のストーリーでも十分に納得できると評価する方がいてもいい。とはいえ個人的には、脚本の工夫次第でもっと共感しやすいキャラターになったはずなのにと惜しまれる。

最後に、アモールもマイ・ラブも文脈的な第一義は「私の愛しい人」だが、「私の愛」と読み換えるなら、感情をかき乱し破壊的な行動をとらせる自らの愛そのものを消し去りたい、とも解釈できる。さらに言えば、愛に振り回される自分こそが「死んでよ」の対象だったのか。それでも、原作者が苦労した経験を克服し小説を書いて成功したことを考慮すれば、ラストは主人公の“新しい自分への生まれ変わり”を詩的に表現したシーンだと解釈するのもありだろう。

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高森郁哉

3.0 産後鬱,珊瑚撃つ

2026年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

さすがに今更ジェニファー・ローレンスのヌードでは勃起しませんよ.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.
っていうかジェニファー自身が意識してのことかどうかは存じませんが,ヌードになることで自身のセクシャリティを撲滅させる傾向にあるのすごくない?クリスティン・スチュアートにも同じような傾向がみられます.『愛はステロイド』で勃起する人いないでしょ.いや,アレの場合はいるか.筋肉フェチもきっといるだろうしな.
それはともかく,このあたりはシドニー・スウィーニーと真逆なアピールだと思うの.どっちが正しいとかそーゆーのじゃなく.でもシドニーさんはたぶんドが6個くらい付くMっぽいから,そのうち,「そーゆーのはもういいです」って言いそう,私が.

それはともかく産後鬱による暴走っていうよか,地の性格が産後鬱で100%開花したって感じかしらね.だってOPのまるでクリンゴン人みたいなSEXを自発的にやるってのはそーゆー事でしょ.だからって許容できるかどうかは別問題ですがね.
子供が産まれた事で夫が真っ当になってくの,最近の流行りなんでしょうかね.『ワン・バトル・アフター・アナザー』もそうだったし.

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三遊亭呼延灼

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