高橋一生、「岸辺露伴は動かない　懺悔室」映画化に「身が引き締まる思い」と感無量　飯豊まりえとは“懺悔”の内容が一致

「岸辺露伴は動かない」は、シリーズ累計発行部数1億2000万部超を誇る「ジョジョの奇妙な冒険」から生まれたスピンオフ。相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気マンガ家・岸辺露伴の姿を描く。高橋を主演に迎えた実写ドラマは、2020年12月に第1期、2021年12月に第2期、2022年12月に第3期が放送され、原作ファンからも人気を獲得。実写ドラマのチームが再集結し制作した映画版第1作目となる「岸辺露伴　ルーヴルへ行く」が、2023年5月に公開された。

邦画初となる“全編ヴェネツィアロケ”にて撮影が行われた本作は、シリーズの原点とも言われ、ファンの間で屈指の人気を誇るエピソードを映画化したもの。幸せの絶頂に絶望が襲ってくる、奇妙な呪いによって岸辺露伴最大の危機が訪れる。5年にわたって露伴役を演じ続けている高橋は、「懺悔室」を映画化すると聞いた時には「身が引き締まる思いがした」と回想。「ようやく『懺悔室』というエピソードに手を伸ばすんだなという感覚がありました。原作である短編を映画の尺に落とし込み、違和感なく膨らませていくことは一つの懸念だったと思います。2020年から実写のシリーズをやらせていただいて、最初にやってしまっていたらきっとここまで多く反響は得られなかったんじゃないかと思います。これだけ実写版の作品を愛してくださる方が増えている状況ができたからこそ、ようやく手を伸ばすことができた。満を持してこのステージに来てしまったという感覚」と感無量の面持ちを見せた。

露伴の担当編集の泉京香を演じる飯豊は、「ついに来たかと思いました」とにっこり。泉は原作の「懺悔室」には出てこないキャラクターであるため、「泉が、どうやって露伴先生と一緒に『懺悔室』の世界に入っていくのかなと思っていた。小林靖子さんのおかげでちゃんと出れました」と笑顔で脚本家に感謝を伝えた。仮面職人であるマリア役の玉城は、原作や実写化シリーズのファンが多い作品だけに「プレッシャーがあった」とコメント。「不安以上に、ワクワクの方が勝ったのでぜひ受けさせていただきたいなと思った」と話した。

シリーズの大ファンだと愛情をあふれさせたのが、呪いによってポップコーンを使った試練に挑む男・水尾役の大東と、懺悔室で露伴に恐ろしい告白をする謎の男・田宮役の井浦だ。大東は「原作に敬意を持って、実写だからこそ、人が演じるからこそできることを追求している作品。その覚悟と信念が画面から伝わってきていた」とファンとしての思いを熱弁し、撮影現場では「心地よい緊張感と、幸せの絶頂にいるような感じ。でも僕が演じたのは苦しい役なので、幸せを押し殺す作業が難しかった」と吐露。井浦は「好きすぎて、ちょっと具合が悪くなるくらいだった」とオファー時の心境を振り返り、「推しの皆さんがいるところに入っていくので、ホン読みもめちゃくちゃ緊張して。あまり顔が見られなかった。一生くんや監督をはじめとするスタッフ、キャストの皆さんが5年間かけて作ってきた座組だからこそ、温かく大きな受け皿で迎え入れてくれた」とチームにお礼を述べていた。

映画のタイトルにちなんで、「懺悔したいこと」を告白する場面もあった。高橋は「5年通して、どれだけピアスを落としたかわからない」と苦笑い。そのたびにスタイリストが探してくれるそうで、「ヴェネツィアでも落としました。拾ってくれて、『スペアも用意しています』『準備していますから』と言ってくれる。心強い。申し訳なかった」とスタイリストに懺悔して会場の笑いを誘った。すると飯豊も「私もなんですが、ピアスを落としちゃってごめんなさい」と回答が一致。「結婚式のシーンは、2日間にわたって行われて。同じ場所で、同じ衣装だったんです。その時クランクアップだった大東さんとお話していたら、イヤリングに付いていた黒い丸い石の部分が落ちてしまった。次の日の朝、早く行って探したんですが見つからなくて。でもそこでミラクルが起きて、メイクさんのバッグにちょうど同じような黒い丸のボタンが付いていて。そのボタンをペンチで切って（イヤリングに）装着して、なにもなかったように撮影ができました」とチームワークに助けられたと声を弾ませていた。

「岸辺露伴は動かない　懺悔室」は5月23日公開。