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第3回新潟国際アニメーション映画祭コンペ出品作「リビング・ラージ」「口蹄疫から生きのびた豚」「ワールズ・ディバイド」「かたつむりのメモワール」「クラリスの夢」会見

2025年3月19日 19:50

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(左から)クリスティーナ・ドゥフコバ監督、ホ・ボムウ監督、デンバー・ジャクソン監督、アダム・エリオット監督、フェルナンド・グティエレス監督、グート・ビカーリョ監督
(左から)クリスティーナ・ドゥフコバ監督、ホ・ボムウ監督、デンバー・ジャクソン監督、アダム・エリオット監督、フェルナンド・グティエレス監督、グート・ビカーリョ監督

新潟市で開催中の第3回新潟国際アニメーション映画祭で、コンペティション部門に選出された5作品の監督会見が3月19日、新潟日報メディアシップであり「リビング・ラージ」クリスティーナ・ドゥフコバ監督、「口蹄疫から生きのびた豚」ホ・ボムウ監督、「ワールズ・ディバイド」デンバー・ジャクソン監督、「かたつむりのメモワールアダム・エリオット監督、「クラリスの夢」グート・ビカーリョ、フェルナンド・グティエレス監督が出席した。

今回のコンペティション部門では第1回、第2回を大きく上回る28の国・地域から69作品の応募があり、すでに日本で公開されている「化け猫あんずちゃん」「ルックバック」のほか、14カ国(共同製作含む)から12作品が選出された。

「リビング・ラージ」
「リビング・ラージ」
(C) 2024 Barletta,Novinski,Novanima,Česká televize,RTVS,MAGIC LAB

ドゥフコバ監督の「リビング・ラージ」は、思春期を迎え、突然体重が気になりだした少年の心の成長を描いたコマ撮りアニメ。「新潟も日本も初めてです。皆さんとても親切でアニメが大好きなのでうれしいです」と初来日の感想を語るドゥフコバ監督。ストップモーションという表現を選んだ理由は「チェコのストップモーションは長い歴史があります。私たちのスタジオで新しいものを作りたかったのです。水を表現するのは難しいのですが、これもストップモーションを用いました」と説明。1作を仕上げるのにとても時間のかかる手法だ。「13年の年月をかけました。次回はそこまで時間をかけたくないですがストップモーションで作ります」と語る。

クリスティーナ・ドゥフコバ監督
クリスティーナ・ドゥフコバ監督

また、今回同じくコンペティションに入選したエリオット監督(「かたつむりのメモワール」)の過去の短編作品からインスピレーションを得たことがあると明かし、「ここでこうやって席を並べられること光栄に思います」と喜んだ。

「口蹄疫から生きのびた豚」
「口蹄疫から生きのびた豚」

「口蹄疫から生きのびた豚」は、ホ監督の長編第2作で、口蹄疫を生き延びには人間になるしかないと考えた豚と、いじめを受け続け、獣になりたいと願った軍人の物語。「長編アニメに特化するしている映画祭は貴重だと思います。私がアジア人だからかもしれませんが、気楽に参加できる気がしますし、私の家から3時間もあれば着くので自分の庭にいるよう」と映画祭の印象を語り、「きれいで静かで美しい都市だと思いました。昨日は偶然ジャズ喫茶を見つけて、ライブを見たり、美味しいお寿司も食べました」と新潟滞在を楽しんでいる。

ホ・ボムウ監督
ホ・ボムウ監督

構想から完成まで10年かかったという作品については、「私の作品を一言で表すと闘争です。人間らしさとは何かを追求した作品です」と紹介、「韓国でアニメーション監督を目指す多くの人はピクサー作品などに影響を受けますが、私はカナダのNFB(カナダ国立映画制作庁)で1970年代から80年代の有名なアニメーションフィルムを見て、アニメーション監督を目指し、短編から始めました」と自身のキャリアスタートのきっかけも明かした。

「ワールズ・ディバイド」
「ワールズ・ディバイド」

ジャクソン監督の「ワールズ・ディバイド」は、終末後の戦争に荒れた世界で恐怖に怯えて暮らしていたナトミが、父に魔法の世界「エスルナ」へと導かれる物語。「私はアーティストとしてカオスのような生活をして映画を作っています。新潟はそんな私の環境とは対極ですごく自然豊かでリラックス出来る街」と新潟の印象を述べカラオケも楽しんだそう。映画祭についても「観客の皆さんが素晴らしい質問をしてくださります。大規模映画祭は混沌としてしまうことがありますが、サイズがちょうどいいと思います」と振り返る。

デンバー・ジャクソン監督
デンバー・ジャクソン監督

作品の技法や長さについての質問に対しては「私はひとりで作っているので、新しいアイディアが生まれたときに新しい技法を作りたいと思う。長編は戻って作り直しが難しいですが、短編は実験できる。どちらも好きです」と答えた。

「かたつむりのメモワール」
「かたつむりのメモワール」
(C)Arenamedia Pty Ltd.

かたつむりのメモワール」は、カタツムリを集めることが心のよりどころだった孤独な主人公が、人々との出会いを通じて希望を見いだしていく様子をユーモラスに描いたクレイアニメーション。アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞のクリスタル賞を受賞。第97回アカデミー賞でも長編アニメーション賞にノミネートされた。

エリオット監督は、「私は何度か日本に来ていろんな都市を訪問していますが、新潟はクリエイティブで素晴らしい街。この映画祭は3回目ということですが、勢いを感じ、雰囲気も素晴らしいです。長く続くことを望みます」と作品を携え世界を訪問するベテランらしいコメント。

アダム・エリオット監督
アダム・エリオット監督

ストップモーションで表現する理由は「私の作品は手作りの側面を祝福するような作品であり、作り手の指紋がついたような作品を見ていただくのが大事。私が28年前に学校で映画を学んでいたとき、ストップモーションは死に絶える技術、CGにとって代わられると言われたものですが、現在も残っていますし、ティム・バートンギレルモ・デル・トロウェス・アンダーソンという監督たちもいます。また、現代でもも編み物だったりパンを作ったり、壊れやすいものを好んで作ることを若い方もやっていると思います。映画でなにより大事なのは物語です。物語を表現するために、制作者がどんな媒体を使うかを決めていくのです」と語る。

短編、長編それぞれにチャレンジがあるといい、「短編は何を取り除くかが何を加えるかより大事。長編は物語やキャラクターを深く語れます。短編はより自由に作れますが、長編は使ったお金と見合った収益を得られるかが気になってしまいます」と自身の考えを述べ、「次の長編に取り組んで知るので、完成は15年後でしょう」と宣言した。

「クラリスの夢」
「クラリスの夢」

グート・ビカーリョ、フェルナンド・グティエレスの共同監督による「クラリスの夢」は、母親を失った悲しみを乗り越える、才気あふれる少女の物語。「日本に来られて夢がかないました。新潟は東京に比べて小さいけれども構造的で素晴らしい街だと思います」(ビカーリョ)、「寒いですが人々が温かく、愛に溢れています。素晴らしい経験をしております」(グティエレス)と初来日を喜び、「我々はブラジルに住んでいますが、日本の、新潟の街はどこも整理整頓が行き届いて、映画祭もスケジュール通りにすべてが進むことに驚いています、上映や音響を含めた環境も素晴らしいです」とグティエレス監督。

グート・ビカーリョ、フェルナンド・グティエレス監督
グート・ビカーリョ、フェルナンド・グティエレス監督

作品について「お母さんが亡くなった女の子のシンプルな生活と内なる感情を表現しました」(ビカーリョ)、日常の些細な事はシンプルに見えますが、素晴らしく魔法のようである。友情や他人をジャッジしない、そういうことを描きました」(グティエレス)と紹介する。

2人にとって今作が初の長編作となる。「長編アニメーションはアートにおいて高次の表現だと思う」とビカーリョ監督。「この映画を完成させるのに10年かかりました。もう映画は2度と作らないと思いましたが。止まることはできません」とグティエレス監督がコメントし、現在は子ども向けの短編作品に携わっていると近況を報告した。

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第3回新潟国際アニメーション映画祭は3月20日まで開催、チケット販売、プログラムなど詳細は公式HP(https://niaff.net)、SNSで随時告知する。

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