映画で見つめる、ヨーロッパ 「EUフィルムデーズ2024」12月14日から開催、全25作品上映
2024年11月11日 14:00
EU加盟国の在日大使館・文化機関がセレクトした近年の注目作品を一挙上映する「EUフィルムデーズ2024」が、12月14日から12月27日までの2週間、渋谷・シアター・イメージフォーラムで開催される。EU加盟国23カ国の日本未公開11作品、EUとアフリカの合作映画を含む全25作品を上映する。
昨年、開催20周年という節目の年を迎えた「EUフィルムデーズ」。本年は、EU加盟国(27カ国)のうち23カ国が参加し、例年同様に文化多様性を感じられるバラエティに富んだ作品がラインナップされている。
「セラフィーヌの庭」(08)の主演などで知られる名優ヨランド・モローの最新監督作でノエミ・ルボフスキーやセルジ・ロペスが出演する「詩人の花嫁」、元モデルの新鋭監督サウレ・ブリュバイテが、リトアニアの工業地帯でモデル学校に通う少女たちを描き、デビュー作にしてロカルノ国際映画祭でグランプリと新人賞をダブル受賞した「トクシック」などを含む11作品は、貴重な日本初上映となる。
そして、特別枠として、現在活発に行われているEU加盟国とアフリカ各国との共同製作作品を「ウィンドウ・トゥ・アフリカ」として2作品を紹介。「夜の王たち(Night of the Kings)」はアカデミー賞国際長編映画賞にエントリーされたコートジボワールのフィリップ・ラコート監督作品。悪名高き監獄“ラ・マカ”を舞台に、監獄の慣習により、夜明けまで物語を語り続けなければならない語り部に任命された若者が必死に紡ぐ、あるギャング王の物語。「バネルとアダマ(Banel & Adama)」はセネガル系フランス人監督ラマタ・トゥレイ・シーが描く、古い因習が残る砂漠の村で自分らしく生きようとする若い男女のラブストーリーだ。
「EUフィルムデーズ2024」は、2024年12月14日~12月27日、シアター・イメージフォーラムで開催。作品詳細は公式HP(https://eufilmdays.jp/)で告知している。
アイルランド 「あのボートに乗って」 監督:デクラン・レックス / 2022 / アイルランド/ 96分
イタリア 「人生の最初の日」 監督:パオロ・ジェノベーゼ / 2023 / イタリア / 121分
エストニア 「ファイアバード」 監督:ペーテル・レバネ / 2021 / エストニア、イギリス / 107分
オーストリア 「ウィーン10区、ファボリーテン」監督:ルート・ベッカーマン / 2024 / オーストリア / 118分*2024年ベルリン国際映画祭平和賞受賞作品
オランダ「We don't talk ‐言葉では語れないもの‐」 監督: マリョライン・ブッストラ / 2022 / オランダ / 75分
キプロス「イマン」 監督: コリンナ・アブラミドゥ、キリアコス・トファリディス / 2022 / キプロス / 110分 *日本初公開
ギリシャ 「ジャマイカ」 監督:アンドレアス・モルフォニオス / 2017 / ギリシャ / 98分*日本初公開
スウェーデン 「ザ・キング」 監督: カーリン・アフ・クリントベリィ / 2023 / スウェーデン / 100分*日本初公開
スペイン 「スルタナの夢」 監督: イサベル・エルゲラ / 2023 / スペイン / 87分 *第71回サンセバスチャン映画祭(2023年)バスク映画賞受賞
スロバキア 「ピアルギ」 監督: イボ・トライコフ / 2022 / スロバキア、北マケドニア、チェコ / 100分*日本初公開
スロベニア 「ライダーズ」 監督: ドミニック・メンツェイ / 2022 / スロベニア、セルビア、ボスニアヘルツェゴビナ、イタリア、クロアチア / 107分
チェコ 「ワルツィング・マチルダ」 監督: ペトル・スラヴィーク / 2023 / チェコ / 113分*日本初公開
ドイツ 「ダンシング・ピナ」 監督: フロリアン・ハインツェン=ツィオブ / 2022 / ドイツ / 111分
ハンガリー 「私の孫」 監督: クリストフ・デアク / 2022 / ハンガリー / 115分*日本初公開
フィンランド 「初雪」 監督: ハミー・ラメザン / 2020 / フィンランド / 82分
フランス 「のら犬」 監督: ジャン=バティスト・デュラ / 2022 / フランス / 93分
ブルガリア 「ジグリバンドの赤裸々な真実」 監督: ヴィクトル・ボジノフ / 2021 / ブルガリア / 111分*日本初公開
ベルギー 「詩人の花嫁」 監督: ヨランド・モロー / 2023 / ベルギー、フランス / 103分*日本初公開
ポーランド 「彼女たちの人生」 監督: キンガ・デンプスカ / 2023 / ポーランド / 98分
ポルトガル 「サイクリストの魂 ~ゆっくり走る人々~」 監督: ヌノ・タバレス / 2020 / ポルトガル / 73分
リトアニア 「トクシック」 監督: サウレ・ブリュバイテ / 2024 / リトアニア / 99分 *日本初公開*ロカルノ国際映画祭2024金豹賞受賞
ルーマニア 「ルサールカ」 監督: クラウディウ・ミートク / 2024 / ルーマニア / 86分 *日本初公開
ルクセンブルク 「リトル・デューク」 監督:アンディ・バウシュ / 2023/ ルクセンブルク / 100分 *日本初公開
「夜の王たち」 監督: フィリップ・ラコート 2020 / コートジボワール+フランス+カナダ+セネガル / 93分
(日本語・英語字幕) *日本初公開 第77回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門正式出品
「バネルとアダマ」 監督: ラマタ・トゥレイ・シー / 2023 / フランス+セネガル+マリ / 87分
(日本語・英語字幕) *日本初公開 カンヌ国際映画祭2023 コンペティション部門正式出品
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
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