「鬼が来た!」のチアン・ウェン監督作「太陽の少年」失われたシーンを復活させた4Kレストア完全版、10月18日公開
2024年8月13日 18:00
「鬼が来た!」のチアン・ウェン監督がメガホンをとり、シア・ユイが主演を務めた「太陽の少年 4Kレストア完全版」が、10月18日から新宿シネマカリテで公開されることがわかった。あわせて、新ポスターと予告編も披露された。
本作は“初恋”と“記憶”と”夏”という3つのエレメントからなる青春映画の伝説的傑作。撮影監督は「さらば、わが愛 覇王別姫」の撮影監督クー・チャンウェイが担当。シア・ユイが第51回ベネチア国際映画祭・主演男優賞を獲得している。今回の上映は、失われた約10分のシーンも復活した“4Kレストア完全版”となっている。
1970年代、文化大革命下の北京。中学生のシャオチュンは幼馴染の悪友たちと町を闊歩し、労働や下放で大人たちが不在の家に合鍵を作って忍び込んだりしていた。ある日、シャオチュンは忍び込んだ家で水着の少女の写真を発見。彼女が仲間たちの間で話題になっているミーランであることがわかると、シャオチュンは彼女を探し出し、やがて2人は暇があれば会うようになる。だが、ミーランを仲間たちに紹介すると、シャオチュンの兄貴分のイクーがミーランと接近するようになり、シャオチュンの心は騒いでいく。
「太陽の少年 4Kレストア完全版」は、10月18日より新宿シネマカリテにて公開。その後、シネマスコーレ、第七藝術劇場ほか全国順次公開。映画評論家・森直人氏の解説は、以下の通り。
このあまりに鮮烈な青春映画は「初恋」と「記憶」と「夏」という3つのエレメントから成り立っている。物語は回想形式。ある男が約20年前、1970年代の少年時代に想いを馳せる。当時は激動の文化大革命。いつも軍服を着て、不良仲間たちと自転車で走り回る主人公の少年シャオチュンがいる北京の街は、大人の姿は疎ら。青年層は国策の下方運動で地方の農村に送り出されており、まるで悪ガキたちの王国だ。16歳のシャオチュンは赤い水着でほほ笑む少女ミーランの写真を目にして、彼女に恋をする。いわゆるボーイ・ミーツ・ガール――。しかしこの映画で貫かれるのは現実と妄想が混交する「主観の世界」だ。大人びたミーランは手が届きそうで届かない存在。彼女は灼熱の白昼夢の中に現れた幻惑の美のように、やがて蜃気楼に溶けていく。そんな淡い恋の次第をノスタルジックというより、凶暴なまでのエネルギーを全力放出しながら眩い映像に焼き付けていく。
監督のチアン・ウェン(姜文)はのちに『鬼が来た!』(00/カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)なども撮る鬼才だが、当時は何より気鋭のスター俳優。『芙蓉鎮』(86)の大役、『紅いコーリャン』(87)の主演で183cmの屈強な肉体を見せつけ、『太陽の少年』は監督デビュー作だ。原作はワン・シュオ(王朔)の小説『動物凶猛』。そこに監督の極私的な実体験も練りこみ、ヴェネチア国際映画祭主演男優賞、米TIME誌年間ベスト1などを獲得。本作はいくら社会や政治が混迷化しようと、個人の想念には誰も侵せない自由な聖域があることを示してくれる。製作から30年、約10分の未公開シーンを加えた完全版としての復活を迎え、いよいよこの映画は我々の脳裏と胸の奥に永遠に絡みつく。
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