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黒沢清監督の貴重な演出映像公開 役所広司、哀川翔らは新作「蛇の道」をどう見たのか?

2024年6月23日 12:00

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公開中
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(C)2024 CINEFRANCE STUDIOS - KADOKAWA CORPORATION - TARANTULA

柴咲コウが主演し、「スパイの妻 劇場版」の黒沢清監督がメガホンをとる映画「蛇の道」(公開中)のメイキング映像が、この程公開された。また、黒沢監督作「CURE」「カリスマ」などに出演した役所広司、オリジナル版「蛇の道(1998)」に出演した哀川翔らのコメントも披露された。

本作は、黒沢監督が自身初の試みとなるセルフリメイクに挑戦した作品。26年の時を経て、国境を越えて蘇ることになったのは傑作サスペンス「蛇の道(1998)」。フランスの映画制作会社「CINEFRANCE STUDIOS(シネフランス・スタジオ)」と「KADOKAWA」による日仏共同製作となり、全編フランスロケ、フランス語にて撮影されている。

8歳の愛娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)は、偶然出会ったパリで働く日本人の心療内科医・新島小夜子(柴咲)の協力を得ながら、犯人探しに没頭。復讐心を募らせていく。だが、事件に絡む元財団の関係者たちを拉致監禁し、彼らの口から重要な情報を手に入れたアルベールの前に、やがて思いもよらぬ恐ろしい真実が立ち上がってくる……。

画像2(C)2024 CINEFRANCE STUDIOS - KADOKAWA CORPORATION - TARANTULA

静かに復讐に燃える小夜子がアパートで日々の生活をどのように過ごしているのか――。メイキング映像では、黒沢監督が小夜子のキャラクターに合わせた動きを、柴咲に繊細かつ明確に指示を出している様子が映し出されている。

黒沢監督の現場はいつもスピーディに撮影が進んでいくが、舞台をフランスに移しても変わらない。俳優にそのシーンの動きだけを説明し、細かい心情や芝居に関する演出をしないのもいつも通りだという。マルシェで購入したであろうレジ袋の中身を見ながら、「(復讐が)始まるまでは、もう少し食べていたのかもしれませんが、始まってからはもう……果物くらいは食べているかも。野菜とか肉を出して調理するという感じではない」と説明する黒沢監督。復讐に燃える人間が豊かな食生活を営むわけはなく、心身ともに鋭利な刃物のように、研ぎ澄まされた生活を送る小夜子像を柴咲に丁寧に説明していく。

「言葉では言い表せられない、人間の複雑さ、曖昧さを表現されるのに長けた、本当に素晴らしい監督だと思う」という柴咲も、黒沢監督の指示に対して頷きながら確認し、納得した表情をみせる。日本語とフランス語が飛び交う現場でも、黒沢監督を中心とした「黒沢組」が集中して作品作りに取り組む様子を見ることができる。

そんな黒沢監督が作り上げた小夜子像について、SNS上では「柴咲コウの冷たい目と物腰、独り暮らしの部屋に満ちた不穏な空気など素晴らしい」「瞳に射抜かれる」「柴咲コウの真骨頂」など、好意的な意見が多く投稿されている。

役所や哀川らのコメントは、以下の通り。

黒沢監督の映画は、我々を惑わし、引き付けて離さない、魔力がある。
2時間呼吸を忘れ、この後何が起こるのか目が離せない。
画面に映ってないものへの恐怖がジワジワと押し寄せて来る。
フランス語でフランスの名優たちと渡り合う柴咲さんの逞しい姿は、
とても美しい。
哀川翔
これぞ、黒沢映画。小夜子の淡々と突き進む冷静な日常、復讐の矛先が何処に行くのか、最後まで目を離せませんでした。
黒沢監督の生み出す世界はやはり唯一無二。
フランス語、眼差しと立ち姿、柴咲コウさんの全てから目が離せなくなる存在感。
物凄く静かに熱を帯びたなにかが心に迫ってきます。
【大島育宙】
セルフリメイクの結果、
黒沢清濃度が明らかに倍増した!
半透明のカーテン、無機質な廃墟、車、テレビ画面…
あらゆるお馴染みの記号が鋭く必然的に配列される。
柴咲コウが東京とテレビ電話を繋ぎながら
PC画面の前から去った時、
やはり画面を1番恐ろしいと思っているのは
黒沢清その人なんだな、と胸がいっぱいになった
【ビニールタッキー】
終始不穏で気味が悪い!しかし事の真相はさらに気味が悪い。暴走する復讐心の行き着いた先は底の見えない人間の闇だった。善意の裏に隠された真意が、蛇のような目で私たちを見つめる。
【人間食べ食べカエル】
冷たく無機質な映像に体温を奪われる。だが最も冷徹で恐ろしいのは、柴咲コウの目。あの恐ろしさは筆舌に尽くしがたい。蛇に睨まれた餌の気分ってこんな感じなんだろうな。今でも彼女の表情が頭の中から消えない。

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