ラウールの異次元力が炸裂! 手足の長さを活かしたアクションにも注目の「赤羽骨子のボディガード」現場ルポ

2024年6月4日 12:00


主演するラウール
主演するラウール

「Snow Man」のラウールが映画「赤羽骨子のボディガード」(8月2日公開)で、「ハニーレモンソーダ」以来3年ぶりの単独主演を務める。ラウールは、大好きな幼馴染・赤羽骨子(あかばね・ほねこ)のボディガードとなり、彼女を守るために奮闘する威吹荒邦(いぶき・あらくに)を演じる。威吹を取り囲む面々にも個性的なキャラクターがズラリと登場する本作だが、その中で金髪ヤンキー高校生に変身した彼は、どのように撮影に臨んでいるのか。気になる思いを抱えて撮影現場を訪ねると、観客を一気に物語の世界へと引き込むようなキラリとした存在感を発揮するラウールを目撃。にぎやかで熱い場所に飛び込んだラウールの感想とともに、現場の様子をお伝えする。(取材・文/成田おり枝)

■ラウールの“異次元力”が炸裂

原作は、丹月正光氏が2022年9月から週刊少年マガジン(講談社刊)で連載中の同名漫画。錚々児高校3年4組の威吹荒邦はある日、クラスメイトで幼馴染の赤羽骨子が、100億円の懸賞金をかけられて命を狙われていることを知る。そんな彼女を護衛するミッションを与えられた荒邦は、「命に替えても守る」と全力で彼女を守るべく奔走する。実は3年4組の生徒たちも、骨子以外は全員がボディガード。各自の能力や武器を発揮してバトルを展開する、ド派手なアクションも見どころだ。監督は、「変な家」の石川淳一が務める。3月中旬にクランクインした。

記者が撮影現場を訪れた日は、骨子を狙う殺し屋に荒邦が捕まり、廃工場で縛られて監禁されてしまうシーン。そこに骨子以外の3年4組の生徒たちが駆けつけ、殺し屋たちをバタバタと倒していくという場面だ。ラウールは「序盤の最もキーになる、掴みのシーン」と解説している。

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千葉県内にある、巨大廃ビルを一棟貸ししているスタジオで夜間の撮影が行われた。コンクリート打ちっぱなしのビルは、夜の暗さも相まって廃工場という設定の雰囲気にぴったり。数十人にも及ぶ黒スーツの殺し屋集団が並ぶ様子は、とんでもないことが起きそうな空気に満ちていた。その中でラウールは殺し屋たちに拘束され、転がされた荒邦を熱演。そういった姿であっても驚くのは、ラウールの圧倒的な存在感だ。漫画原作の実写化では、日常ではありえないような風景にも観客を引きずりこむことがもっとも重要となる。久々に金髪にしたヘアスタイル、スラリとした長い手足で、純白ジャケット&ネクタイに黒シャツがアクセントとなった制服をバシッと着こなしたラウール。苦悶の表情の中にもギラギラとした威吹の熱血ぶりがみなぎり、しっかりとキャラクターを身体に染み込ませた彼からは、一気に「赤羽骨子のボディガード」の世界へと誘う、まさに“異次元力”とも言えるオーラがあふれていた。

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フジテレビの加藤達也プロデューサーは、ラウールの起用について「威吹荒邦役は、普通の人にはできないと思った」と明言。荒邦の周囲にもたくさんの際立ったキャラクターがお目見えすることから、「華やかな存在感があって、どんなに個性的なキャラクターがいても、その中心に主人公としてしっかりと立っていただける方と考えた時に、パッとラウールさんのことが思い浮かびました。ラウールさんは、規格外のスケール感で活躍をされていますから」と信頼感とともに主演を託したという。

■手足の長さを活かしたアクションにも注目

骨子を一途に思う恋心、バレバレなのにそれを隠そうとするお茶目な表情。とにかく熱く、無茶なことにも体当たりで挑んでしまう荒邦は、見ているだけでワクワクするような愛すべきキャラクターだ。加藤プロデューサーは「ラウールさんはお芝居にものすごく真摯に向き合っていて、もちろん荒邦としての存在感も申し分がない」と太鼓判を押しながら、「また、コメディセンスもあるんですよね。お芝居のジャンルとして、コメディというのはとても難しいものだと思いますが、ラウールさんの持っている天性の明るさや、陽のエネルギーが非常にマッチしている。アクションもあるので、ラウールさんの魅力が存分に詰め込まれた作品になると思います」と力強く語る。

ボディガードとして戦うために、ラウールはアクション練習にも励んだ。加藤プロデューサーは「ラウールさんは手足が長いので、やはりアクションの迫力が増すんですよね」と切り出し、「見せ方もものすごくうまくて、決めのシーンもカッコいい。相手と息を合わせていくという点ではダンスに近い部分もあるので、カッコよく決まるんだろうなという予感はありましたが、ここまでとは」とにっこり。この日のシーンだけではなく、荒邦はボコボコにされながらも必死に敵に立ち向かっていくが、「攻撃を受けている時のアクションもうまい。やられている時のアクションが、すごくいいんです」と彼の新境地を目にしたという。

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当のラウールは「(奥平大兼演じる)染島をいじめるヤンキーの子を倒すシーンが、すごく気持ちよかった」と初日に撮影をした“倒すアクション”に爽快感を味わったというが、「カッコいいアクションから始められたと思っていたら、それ以降はカッコつける顔をできるアクションシーンが全然なくて(笑)。ボコボコにされてばかりなので、ここからどうなるかなと思って楽しみにしています」と話すなど、やられるアクションにも思い切り飛び込んでいる。

コメディ要素に関しては、「威吹くんは積極的に面白いことをするというよりは、天然なかわいさが面白さにつながっている」と威吹の魅力とともに語ったラウール。キャラクターと自身の重なり合いも感じているといい、「威吹くんって、あのビジュアルで初心(うぶ)なんです。これは僕でしょ!という感じはありました。威吹くんはクラスで後ろの方の席にいるんですが、僕も背が高いから後ろの方にされていて、いつもあの辺りにいました。すごく見慣れた景色でしたし、僕も2回ぐらい転校しているので転校生の気持ちもすごくわかる。また僕はうまくいかないことがあった時にも、しっかりコミュニケーションを取りたいと思うタイプなんですが、芯からぶつかっていく感じも荒邦に近いなと思いました」とたっぷりと愛情を傾けながら、荒邦を演じている。

■異才を放つキャラクターを個性豊かなキャストが体現 ラウールは「僕の培ってきたコミュ力を一番発揮しています」

出口夏希が演じる赤羽骨子以外は、3年4組の全員がボディガード。いろいろな優れたスキルを持つスペシャリストたちとあって、3年4組の生徒を演じるメンバーには、染島澄彦(そめじま・すみひこ)役に奥平大兼、棘屋寧(とげや・ねい)役に髙橋ひかる、糸踏忠也(いとふみちゅうや)役に倉悠貴、日暮弥美姫(ひぐれ・やみひめ)役に山本千尋、迅来風太(じんらい・ふうた)役に戸塚純貴といった若手の実力派俳優が顔を揃えたほか、大叢井巌(おおむらい・いわお)役を声優としても活躍する木村昴、海代朱雀(うみしろ・すざく)役をお笑いコンビ「モグライダー」の芝大輔、首藤孔蘭(しゅとう・くらん)役を音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」の詩羽が演じるなど、あらゆるジャンルからユニークなメンバーが集結した。

荒邦が監禁されている場所に3年4組の面々が駆けつけるシーンの撮影は、原作から飛び出してきたようなビジュアルの面々が、本番前にもあちらこちらでアクション練習に励むなど異様な熱気がムンムンと立ち込めていた。柔道の腕が立ち、戦闘では常に最前線で戦いに挑む大叢井役の木村は、ジャケットを脱ぐほど暑くなって、相手役と組み手や足のさばき、背負い投げの練習に専念。練習後には「押忍!」と挨拶するなど、ちゃめっ気たっぷりの表情を浮かべていた。新体操で戦う夏野真凪(なつのまなぎ)役の安斉星来は、リボンのレッスン。指先まで意識を向け、身体中にエネルギーを宿らせていた。また日暮弥美姫役の山本、安斉、敷本奈々穂(しきもと・ななほ)役のお笑いトリオ「3時のヒロイン」のかなでは一緒に写真撮影をするなど、溌剌とした一体感のある撮影現場だ。

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廃工場のシャッターが下から上へと開いていくと、背中から光を浴びた3年4組のメンバーが勢揃いで並んでいる…という胸が踊るような登場シーンは、そのカッコよさに撮影現場でも拍手が上がるほど大盛り上がり。モニター前にいたラウールも「すごい!」と大喜びで、キャラクター全員の個性を楽しみながらスタッフと会話を弾ませ、「それぞれの役柄を紹介するようなシーンなので、一番ワクワクするシーンですね。クラスメイト全員が荒邦を助けにきて、シャッターが上がっていくところを見ていて、この映画はすごいなと思いました」と惚れ惚れ。自身の出演シーン以外も役者陣の演技を見守り、ニコニコとした笑顔を絶やさないラウールの姿も印象的。この柔らかな人柄が、現場の大きな力となっている様子だ。

撮影の合間には、スタッフやキャストたちと仲良く会話を繰り広げていたラウールだが、「今回は最初からフルオープンでいきました。いつもメンバーといる時と同じぐらいのトーク力、僕の培ってきたコミュ力を一番発揮しています。そうしていたら、荒邦がクラスメイトと近づいていく通りになって」と劇中の荒邦とクラスメイトと同じように、絆を育むことができたと笑顔。撮影現場は「和気あいあいとしていて、学園モノってこういうことだなと感じている」そうで、「それぞれ主軸にしているジャンルが結構バラバラなんです。すごくジャンルレスに集まっているので、お互いがお互いのことに興味津々で『ラウール君はどんな感じで仕事をしているの?』とか、そういう会話がすごく楽しいです」と充実感をにじませる。

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さらに「木村さんのセリフで、『おい、威吹!段取り稽古しようぜ』というのがあって。冗談で、僕がちょっとジャイアンっぽい声で『おい、威吹!段取り稽古しようぜ』と言ったところ、木村さんが本気でやってくれたんです。みんなも心のどこかで『昴さんのジャイアン聞きたいな』という思いがあったと思うんですが、僕もずっとそう思っていて『このセリフはバッチリだな』と思って言ってみました。木村さんが本気でやってくれて、ものすごくその場が沸きました」と興奮気味に回顧。続けて千坂時規(せんざかときのり)役の坂口涼太郎とは「美容トーク」に花を咲かせているというラウールは、「土佐さんが現場のムードメーカーとして盛り上げてくれています」と幡一平(はたいっぺい)役を演じるお笑いコンビ「土佐兄弟」有輝にも感謝するなど、にぎやかで刺激的な時間を過ごしている。

躍動感あふれる現場の様子を見ていると映画の完成が待ち遠しくなるが、「原作の絵柄を手がかりに、そのキャラクターに合った方にお願いしました。全員、思い通りのキャスティングが叶った」という加藤プロデューサーは、「皆さんが毎回、想像を超えるようなお芝居をしてくれています」としみじみ。

「原作者の丹月先生が、『お預けします』と初めから信頼してくださった。原作にたくさんの面白さが詰まっている。今回の映画では、そこにオリジナルの部分を加えながら作らせていただいています。脚本を読んだ丹月先生も『面白い』とすごく喜んでくださって、本当にありがたいなと思っています」と原作者の言葉も励みにしつつ、「赤羽骨子を守る姿を描くと同時に、友情や仲間など高校生活における青春の醍醐味を描く作品でもあります。荒邦のセリフで『何かを手に入れるために、何かを諦める必要はない』という言葉があるのですが、そんなふうにガムシャラに生きる熱さが伝わるとうれしいなと思っています。また役者の皆さんが、本気でキラキラしながら撮影に臨んでいます。本当の高校生活をしているようで、皆さんの青春感と作品のストーリーが組み合わさっているのもポイントかなと思っています」と熱を込めていた。

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