【18歳と36歳】シュー・グァンハンの華麗な演じ分け 藤井道人監督が一目惚れし、出会った日に出演オファー
2024年4月20日 14:00
日台合作映画「青春18×2 君へと続く道」から、国際的な人気を誇るスター俳優、シュー・グァンハンの場面写真とメイキング写真がお披露目。演じる主人公・ジミーの18歳と36歳を華麗に演じ分けるさまが確認できる。この記事では、藤井道人監督(「余命10年」「パレード」)が出演を熱望したというグァンハン、そして自身が「自分に最も近い役」と語るジミーの魅力を紐解く。
本作は、台湾で話題を呼んだジミー・ライの紀行エッセイ「青春18×2 日本慢車流浪記」を、藤井監督が映画化するもの。一組の男女が織りなすラブストーリーを、日本と台湾、18年前と現在を行き来しながら紡ぐ。世界最速の3月14日に公開した台湾では、公開後1カ月で観客動員30万人、興行収入7000万NTD(新台湾ドル)を突破し、2024年に台湾で公開された台湾映画(合作含む)で1位となるヒットを記録。ベトナムでは、先行上映を含む10日間で観客動員30万人を超え、日本実写映画で歴代1位の快挙を達成した。
始まりは、18年前の台湾。カラオケ店でバイトをする高校生・ジミー(グァンハン)は、日本から来たバックパッカー・アミ(清原果耶)と出会い、恋心を抱く。しかし、アミが突然帰国することになり、ふたりはある約束を交わす。そして時が経ち、現在。人生につまずき故郷に戻ってきたジミーは、かつてアミから届いた絵ハガキを再び手に取る。初恋の記憶がよみがえり、ジミーはあの日の約束を果たそうと、彼女が生まれ育った日本への旅を決意する。
グァンハンは、ラブミステリードラマ「時をかける愛」に出演し、韓国で一躍人気スターに。さらに台湾のテレビ賞・電視金鐘奨で最優秀主演男優賞にノミネートされたことをきっかけに、台湾のみならずアジア中に人気を広げ、第96回アカデミー長編アニメーション賞を受賞した「君たちはどう生きるか」の台湾での吹き替え版では、アオサギの声を担当している。
本作で扮するのは、18年前の台湾で、アミとひと夏の青春を過ごす18歳の青年ジミーと、当時の淡い記憶を胸に日本を旅する、36歳の大人になったジミーだ。主人公のふたつの年代を、ひとりの俳優に演じてもらうことを望んでいた藤井監督は、“台湾で最高の俳優”と噂に聞いていたグァンハンと初対面を果たすと一目惚れし、その日のうちにジミー役をオファー。グァンハン自身もジミーを演じるにあたって、「以前にも実年齢と離れた役や高校生から大人になるまでを演じたことがあったので、不安はありませんでした」と、自信をのぞかせた。
さらにジミーというキャラクターについて、グァンハンは「ジミーは私が演じてきた役のなかで、最も自分と似ています。迷いや不安定さと恥じらいがあるところに自分と共通点を感じますし、素直に感情を出さずに自分を抑えているところが似ていますね」と、親近感を抱く役どころであることを明かす。
そして、「監督とも相談してジミーを演じる時は、彼の魅力でもある『曖昧さ』を意識しました。18歳のジミーはアミとの出会いや様々な経験を通して成長していきます。そんな子どもから大人になる過程の『曖昧さ』を表現したかったんです」と、演じる上でのこだわりを明かした。
18歳のジミーは、密かに恋心を寄せるアミとどう接すればいいか分からずモジモジする、かわいらしい表情や、勇気を振り絞って映画デートに誘う姿など、恋心に振り回される思春期の青年らしい多彩な魅力を見せる。しかし、最後までアミには本当の思いを告げることができないまま、ふたりは離ればなれに。そして18年の時を経て、人生の酸いも甘いも知った36歳のジミーは、決して戻ることのできない青春の日々に思いを馳せ、どこか寂しげで切ない表情を浮かべている。全く違うふたつの時代を表現したグァンハンの高い演技力に、期待が高まる。
「青春18×2 君へと続く道」は、5月3日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
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