叶井俊太郎さん死去、56歳
2024年2月17日 21:34
叶井さんは一昨年6月、黄疸(おうだん)が出たため周囲のすすめもあって、内視鏡検査を2度受けた。2度目の検査結果は、倉田さんと聞きに来るように言われ、ステージ3で余命半年と告げられた。映画.comの取材には「治療法としては抗がん剤で小さくして手術で取り除く。でも、半年くらいやらなければいけなくて、その間に個人差はあるけれど毛は抜けるし衰弱もする。そこまでやっても成功するのが10~20%って言われたんだよね。俺はそこに懸けられないと思った。もうそこで覚悟を決めて、できることをやろうと思って仕事を全部前倒しでやることにした」と話していた。
その後ステージ4に進行。昨年夏には胃を半分切って食道と小腸をつなぐバイパス手術をしたが、年内にもつかどうかの宣告を受けた。倉田さんは昨年10月に公表。夫の闘病をSNSで発信していた。
昨年12月にはかつての同僚、後輩らが企画した「第1回東京国際叶井俊太郎映画祭」が開催され、叶井さんも計4回のトークショーに出席。今後の抱負を聞かれ、「そんなもんないよ。いつ死ぬか分からないんだから」とうそぶき、会場の笑いを誘っていた。
叶井さんはラジオ局勤務を経て洋画配給会社アルバトロス・フィルムに入社。セックスの最中にコンドームが人間を襲う98年「キラー・コンドーム」などのカルト系映画の宣伝を担当。日本映画でも04年「いかレスラー」、06年「日本以外全部沈没」など河崎実監督作品のプロデュース、宣伝を手掛けた。
その中で、01年のフランス映画「アメリ」は興行収入16億円の大ヒット。これも脚本を読んだ段階で女性のストーカーものと思って買い付けた作品で、叶井さんは最期まで字幕版を見ることはなかった。
昨年12月8日に封切られ全国順次公開中の「恐解釈 桃太郎」のエンドロールには「叶井俊太郎に捧ぐ」のクレジットが入れられた。今後、手掛けた作品には全て同じようにしていくという。波乱万丈の人生を送った映画界の異端児が、その生涯を全うした。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

“ベスト主演映画”TOP5を発表!
【出演123本の中から、1位はどの作品?】そして最新作は、生きる力をくれる“集大成的一作”
提供:キノフィルムズ

ワン・バトル・アフター・アナザー
【個人的・下半期で最も観たい映画を実際に観たら…】期待ぶち抜けの異常な面白さでとんでもなかった
提供:ワーナー・ブラザース映画

96%高評価の“前代未聞の心理戦”
【スパイによる究極のスパイ狩り】目を逸らせない超一級サスペンス
提供:パルコ

映画.com編集長が推したい一本
【ただの映画ではない…】むしろ“最前列”で観るべき奇跡体験!この伝説を人生に刻め!
提供:ポニーキャニオン

酸素残量はわずか10分、生存確率0%…
【“地球で最も危険な仕事”の驚がくの実話】SNSで話題、極限状況を描いた超高評価作
提供:キノフィルムズ

めちゃくちゃ笑って、すっげぇ楽しかった超刺激作
【これ良かった】激チャラ大学生が襲いかかってきて、なぜか勝手に死んでいきます(涙)
提供:ライツキューブ

なんだこのかっこいい映画は…!?
「マトリックス」「アバター」など数々の傑作は、このシリーズがなければ生まれなかった――
提供:ディズニー

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント