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藤井道人監督、盟友・河村光庸さん死後に一緒にいてくれたのは「横浜流星」

2024年2月15日 11:00

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故河村光庸さんへの思いを吐露した藤井道人監督
故河村光庸さんへの思いを吐露した藤井道人監督

藤井道人監督が214日、東京・ユーロライブで行われたNetflix映画「パレード」の完成披露試写会に出席。本作に込めた思いや、「人間として尊敬する俳優」だという主演の長澤まさみをはじめ、キャスト陣への信頼感を語った。

この日は劇中にも登場するユーロライブで完成披露が行われたが、藤井監督は「名もなき自主映画監督だった時に、毎日ここでレイトショーのトークショーをやっていた。自分たちでチケットを売って、自主興行をやっていた場所」と強い思い入れのある場所でのイベントに感無量の面持ちを見せていた。

藤井監督と司会のSYO氏
藤井監督と司会のSYO氏

本作は、「新聞記者」「余命10年」の藤井監督が長澤を主演に迎え、旅立ってしまった人の目線で、遺された人への思いをオリジナルで描く愛の物語。瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚ました美奈子(長澤)が、離ればなれになった息子・良を捜す道中でさまざまな仲間たちと出会い、各々の心に触れていく姿をつづる。

もともとは「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」「ヴィレッジ」、「」などで知られるスターサンズの故河村光庸さんが20年頃から企画開発していたもの。藤井監督がメガホンをとり、長澤主演で22年11から12にかけて撮影が行われる予定だったが、22年611日に河村さんが急逝。一時は企画自体を終了させる案も出たというが、藤井監督が企画を再構築して新たな形に生まれ変わらせた。

藤井監督は「大人になって初めてできた友だち。おじいちゃんの友だちのよう」と表現しつつ河村さんに愛情を寄せ、「彼とたくさんの作品をやっている中で『藤井、次はこういうのをやりたいんだ』と11に撮影をしようとしている時に、彼がいなくなってしまった」と述懐。スターサンズのメンバーも大きな喪失感を抱えていたそうだが、「河村さんと作ってきた作品を、しっかり完成させたいという思いがあった。彼の死後2日くらいで、熱海に行って。誰に頼まれたわけでもなく書いた本は、本当に久しぶり。3日くらいで、感情だけで1回(脚本を)書き上げた」と東京を離れた個人合宿で脚本を一気に書き上げたと振り返る。

画像3

長澤をはじめ、坂口健太郎横浜流星リリー・フランキーら豪華俳優陣のキャスティングについて話が及ぶと、藤井監督は「河村さんが『MOTHER マザー』という映画で、長澤さんとご一緒していた。アカデミー賞の時に、長澤さんが僕のことを『藤井先輩』と呼んだんですが、僕は長澤さんの中学校の一個上の先輩なんです。中野に引っ越してきた彼女のことは、中学生の時に知っていた。いつか長澤さんと映画の仕事ができたらなと思っていた」と告白。「そこから、スターサンズの作品に縁のある俳優たちが『自分たちも出たい』と増えていって、このようなキャスティングになった」と河村さんとつながりのある面々が、本作への参加を熱望してくれたと明かした。

「ムードメーカーの方々がたくさんいた」と撮影現場を懐かしんだ藤井監督は、リリーがみんなのまとめ役となり、寺島しのぶが「お母さんのような存在だった」とにっこり。「坂口くんは“一家に一台、坂口くん”と言うくらい、ひょうひょうとして、辛い時にもみんなを盛りあげてくれる。長澤さんは作品を背負ってくれる方で、自分はずっと『映画が失敗したら自分の責任だ』と思って取り憑かれたように生きていたけれど、長澤さんは『主演として、それを私も同じように背負っているんです』と考えてくださっている。人間として本当に尊敬する俳優」と敬意を表した。

さらに、横浜にもとても支えられたと話す。河村さんが亡くなって「今は人前で話せるようになりましたが、実は僕、ひどく落ち込んでしまった」という藤井監督だが、「東京から姿を消した時に、仕事もあるのについてきちゃって。『大丈夫か。一人になるとよくないから』と言って、僕が脚本を書いている横にずっといた。初稿を最初に読んでもらったのは、俳優としては流星」だと感謝を伝えていた。

河村さんは、東日本大震災やコロナ禍を経た自分たちに「なにができるんだろう」ということを生前よく口にしていたという。藤井監督は「『エンタテインメントは死なない』と言っていた。それが軸になっている」と河村さんからバトンを引き継ぐようにして撮り上げたといい、「守りに入らず、自分が好きな人のために、自分が好きなものを作ることができたらいいなと思って、自由にやらせていただいた」と力強く語っていた。

Netflix映画「パレード」は、229日より世界独占配信。

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