前田敦子、トラウマ抱える難役オファーに葛藤 「1カ月悩んだ」と告白
2024年1月18日 21:04

三島有紀子監督が実体験をモチーフに、オリジナル企画として自主映画からスタートした最新作「一月の声に歓びを刻め」の完成披露上映会が1月18日、東京・テアトル新宿で行われ、三島監督をはじめ、出演する前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔、坂東龍汰が出席した。
前田は、ある理由から愛する恋人とどうしてもセックスができない女性・れいこを演じ、「メッセージ性のある役なので、オファーをいただいたときは真剣に悩んだ。1カ月くらい淡々と考えさせていただいて」と葛藤を告白。それでも「できなければ、できないと即答する自分もいるはず。悩んでいる間は、自分の可能性を頑張って探る作業だった」と明かし、「三島監督は懐深く、どーんと待っていてくださり、その胸に飛び込んだ」と難役に挑んだ心境を語った。
大阪・堂島でのロケについては、「スタッフさんたちの愛もすごくて、包み込まれる安心感のなかで、戦わせてもらった」と振り返り、「監督の映画愛が詰まった、美しい世界が広がっている」と作品への確かな手応えも示していた。

カルーセルは、洞爺湖近くにひとりで暮らすマキ役を務め、本作で約10年ぶりの映画出演。気温マイナス20度の大雪原を歩くシーンを、ワンカットで撮影したそうで「寒いなんてもんじゃない。大変でした。監督に殺されると思いました(笑)」と恨み節。撮影時の年齢は80歳で、「化粧もさせてくれない、アップで撮るから、しわだらけで」とヒートアップしたが、前田から「カッコ良かったです」と絶賛されると思わず笑顔。「こんなかわいらしい方とお会いできてうれしい」と機嫌を直していた。


一方、哀川は八丈島でのロケに臨み「よく行く場所で、現場や島の人たちもよく知っているので、すんなり入れました。監督の絵づくりが決まっているから、やりきればいいんだと」とカルーセルとは対照的な感想。前田演じるれいこと出会う“レンタル彼氏”役の坂東は「大阪での(撮影期間)2日間は、ものすごく濃くて、1ミリの無駄もない時間」と回想し、「言葉に表せないというか、言葉にしていいのか。本当にすごい熱量で、僕は心に忠実に従いながら、前田さんの肉声に反応していた」と前田の演技に最敬礼。


本作が長編第10作となる三島監督は、「この映画を作ろうと決めたときは、お金も集まっていない。配給も決まっていない。公開日も決まっていない。そんななかで、キャスト、スタッフの皆さんと一緒に完成させた映画を見ていただけるのは、感慨深い」と感無量の面持ち。前田については「1カ月悩んでくださり、そこに誠実さを感じた。難しい役なので、入り込むとどうなるのか真剣に向き合い、考えてくれたんだと思う」と謝意。極寒での撮影をやり遂げたカルーセルに対しては「命がけの大女優のお姿に感激しました」と感無量の面持ちだった。
「一月の声に歓びを刻め」は、2月9日からテアトル新宿ほか全国公開。
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