フレッシュな若手俳優陣&新田真剣佑&森田剛の魅力とは? 監督がキャスティング理由を語る【ワンダーハッチの舞台裏 連載第1弾】
2024年1月10日 09:00
実写とアニメで描く、ディズニープラスの日本発オリジナル冒険ファンタジー「ワンダーハッチ 空飛ぶ竜の島」が、ディズニープラスで配信中だ。日本の映像コンテンツが改めて注目を集める昨今、「ガンニバル」「季節のない街」など、次々と話題作を世界に発信するディズニープラスの新たな挑戦の舞台裏とは? 映画.com独占連載(全3回)の第1弾では、壮大なストーリーに命を吹き込むキャスト陣の魅力をお届けする。
実写で描く「私たちが住む現実世界」の横須賀と、アニメで描く「ドラゴンが棲む異世界」のウーパナンタを舞台に、空想好きな女子高生・ナギと、ウーパナンタの落ちこぼれ“ドラゴン乗り”タイムが、「ふたつの世界に隠されたひとつの真実」をめぐる冒険に旅立つ。
そんな本作でフレッシュな輝きを放っているのが、主演を務める中島セナと奥平大兼。ナギを演じた中島は、ブレイクの登竜門として、数々の人気俳優が出演してきた大塚製薬「ポカリスエット」のCM、海外の映画祭で高く評価された映画「ウィーアーリトルゾンビーズ」(2019)、さらに国内外の雑誌、MV、広告など、幅広く活躍している新進俳優だ。
実写パートの監督を務めた萩原健太郎は、以前から「中島さんとはずっと仕事をしてみたかった」といい、「あの凛とした強さを世界に知ってもらいたいと思ったんです」と、起用の理由を説明する。「画面に映っているだけで目をひく、言葉を発さなくても見ている側が、彼女の感じていることを能動的に考えたくなる」と魅力を語り、「一見大人っぽくクールに見えることで、見た目と内面にギャップを抱えてきたんじゃないかと。その孤高の感じが、すごくナギっぽいと感じました」と、ナギの役どころとの共通点も、抜てきの大きな決め手だったと振り返る。
もうひとりの主人公であるタイムを演じる奥平は、映画「MOTHER マザー」(20)で映画デビューを飾り、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞など、数々の映画賞を受賞。その後も数多くの話題作に出演し、3月には主演映画「PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」の公開も控えるいま、最も注目を浴びる若手俳優のひとりだ。
これまでは、どこか影のある青年を演じることが多かった奥平について、萩原監督は「実際にお会いすると、とても明るい青年でした。彼のギリギリ少年らしさが抜けていないところが、今回のタイムと重なりましたね」と、当初からタイムとの共通点を見出したという。
さらに萩原監督は、「素直で、現場でも何でも吸収していくタイプ。芝居でも自分から何かを発するというよりも、芝居相手の発したことに対して、リアクションがすごく上手な俳優さんなので、『聞く』ことに優れているタイムにぴったりでした」と振り返る。「自分のプランと監督の考えていることにズレがあると、どんどん不安になっていくタイプ」と分析し、「現場では常にコミュニケーションを取りながら、一緒にタイムを作り上げていきました」と、二人三脚でタイムという人物像を作り上げていったエピソードを明かした。
主演のふたりに加えて、魅力的で、個性豊かなキャスト陣が脇を固めている。ナギの親友・ソンを演じるのは、オーディションで選ばれ、本作が俳優デビュー作となった新人のエマニエル由人。「彼は好きなものの話をしているとき、顔がすごく輝いていて、『ソンだ!』と直感しました。アクティングコーチをつけて、しっかり演技の特訓をしてもらいましたが、演技経験がないのも、今回のソンに関しては良かった。本人はめちゃくちゃ緊張していましたが」(萩原監督)。2023年12月に開催されたワールドプレミアイベントでも、共演者たちから、その人懐っこいキャラクターが愛されている様子が垣間見え、今後の活躍が期待される俳優のひとりだ。
本作では、アクションも重要な見せ場となっており、ウーパナンタからやってきた英雄のアクタを演じる新田真剣佑が躍動する。過去に漫画・アニメの実写化作品に数々出演している新田について、「どんなキャラクターでも、生きて存在しているような実存感が出せて、そして圧倒的な華がある。アクタというキャラクターは、彼以外には説得力を持って演じられないと思っていました」と太鼓判を押す。
もうひとりの重要なキャラクターとして登場するのが、謎のコンビニ店員・柴田と、ウーパナンタでは誰もが知る元伝説のドラゴン乗り・スペース。実は同一人物であるこの役どころには、近年、俳優としてさらに磨きがかかる森田剛が起用された。「アクタと対等に戦い、元英雄で抱えているものが多く、現実世界に来て10年間生きているので、そこにいるだけで、背景を感じられる人である必要があった」(萩原監督)。
両名の豪華共演については、「新田さんと森田さんが戦っている姿を見たい!」という萩原監督の純粋な願いも働いた。「このふたりの組み合わせは、この作品以外には見られないと思ったので、お願いしました」という言葉通り、クライマックスで、アクタとスペースが対峙する重要なアクションシーンは、萩原監督自身も現場で「かっこいい」と思わず声をあげたという、世界基準の迫力に仕上がった。フレッシュで可能性に満ちた主演ふたり、彼らを盛り立てる豪華なキャスト陣が放つ魅力が重なり合うことで、世界を見据えた「ここにしかない」完全オリジナル作品ならではの世界観が生み出されたのだ。
「ワンダーハッチ 空飛ぶ竜の島」(全8話)は、ディズニープラス「スター」で、独占配信中(毎週水曜に新エピソード配信)。
PR
©2024 Disney and its related entities
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。