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天才画家、村山槐多に魅せられた現代の若者描くアバンギャルド作「火だるま槐多よ」予告編

2023年11月25日 09:00

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大正時代の画家・村山槐多をめぐる物語
大正時代の画家・村山槐多をめぐる物語
(C)2023 Stance Company / Shibuya Production

22歳で夭逝した天才画家であり詩人の村山槐多(1896~1919)を主題に、“ピンク四天王”と称される佐藤寿保監督が、槐多の自画像“尿する裸僧”に感銘を受け製作した映画「火だるま槐多よ」の予告編、著名人からのコメントが公開された。

槐多の作品に魅せられた現代の若者たちが、槐多の作品を彼ら独自の解釈で表現し再生させ、時代の突破を試みる前衛エンタテインメント。タイトルの由来は、槐多の友人・高村光太郎の詩「強くて悲しい火だるま槐多」で、脚本は、「乱歩地獄 / 芋虫」「眼球の夢」などでタッグを組む夢野史郎

大正時代の画家・村山槐多の「尿する裸僧」という絵画に魅入られた法月薊(のりづき・あざみ)が、街頭で道行く人々に「村山槐多を知っていますか?」とインタビューしていると、「私がカイタだ」と答える謎の男に出会う。その男、槌宮朔(つちみや・さく)は、特殊な音域を聴き取る力があり、ある日、過去から村山槐多が語り掛ける声を聴き、度重なる槐多の声に神経を侵食された彼は、自らが槐多だと思いこむようになっていたのだった。

主演として、槌宮朔役には「佐々木、イン、マイマイン」などの遊屋慎太郎、法月薊役には「背中」で映画初主演を飾った佐藤里穂を抜擢。パフォーマンス集団の元村葉役に工藤景、民矢悠役に涼田麗乃、庭反錠役に八田拳、早川笛役に佐月絵美が集結し、研究施設を脱走した4人を観察する亜納芯役で田中飄、朔を見守る式部鋭役で佐野史郎が脇を固める。

このほど公開された予告編では、現代の若者が槐多の絵画に出合い、覚醒。槐多の死後、友人たちの熱望によりデスマスクがとられたエピソードなども切り取られ、アバンギャルドかつ幽玄な世界観が垣間見られる。

12月23日から1月12日まで新宿K’s cinemaにて公開、1月6日から大阪・第七藝術劇場、1月19日からアップリンク京都、来年名古屋・シネマスコーレほかで公開。12月23日~1月5日に新宿 K's cinema にて開催される佐藤寿保特集上映では、今まで映画館でめったに上映されてこなかったレアな作品を上映するほか、12月16日にはネオ書房@ワンダー神保町店にて、「眼球の夢」ブルーレイ発売記念イベントと「火だるま槐多よ」公開記念イベントが開催される。

▼コメント
佐野史郎(式部鋭役)
村山槐多の「尿する裸像」に魅せられた佐藤寿保監督の熱い想いが若き表現者、俳優たちと呼応し、大正時代と昭和60年代とが重なるかのような熱量を呼び覚まされる映画になるのだろうと、シナリオに目を通していました。
それは、若き日の自分が目の当たりにしてきた映画や表現とも重なるので、まさに過去と現在を、この世とあの世の橋渡しをする式部鋭役と重なるのだと思い知らされもするのでした。
けれど時空を超える感覚は、劇中で若者たちが模索していたように、暗闇の中のスクリーンを通してこそ得られるものなのかもしれません。
山本タカト(画家)
このところ妙に槐多の話題に接する事が多くなったが、20 年程前に文庫本の表紙絵として描いた「悪魔の舌」の呪いだらうか。
槐多の絵は様式的にはその時代の産物という感は否めないが「尿する裸僧」は今見てもその異様さは衝撃的である。槐多は明らかに自分を周囲から逸脱した特別な存在と感じていただろうし、映画の中に登場する周りから異端視されている Psychics たちはその分身として象徴的に描かれているのだろう。誰しも思春期には自我の覚醒とともに自分を過剰に意識する傾向があり、私自身もそんな妄想の中で槐多やシーレに憧れ天才の夭折を夢見ていた。
映画の中の聖域”AGHARTA“の森の幻想的で美しい情景描写は忘れがちな思春期の頃の特別な感覚を思い起こさせてくれた。
友川カズキ(歌手)
火だるま槐多よ」の畏(おそれ)
この映画は私にとって、反則であり、禁じ手である。
四十一年前、鎌倉近代美術館で観た、村山槐多の、自画像、裸婦、樹木、の衝撃は、今もって続いているからである。
スクリーンから次々と打ちつけてくる槐多の言葉と画は、強烈な時刻の匂いがし、刹那ではあるが、永遠である。
山田五郎(評論家)
夭折の画家にして詩人・村山槐多の伝記映画かと思いきや、まさかのスピリチュアル・サイキック・ファンタジー!やはり佐藤寿保監督は油断ができない。
槐多の声を聴いた現代の若者たちが、彼の世界を全身で表現しながら、地底帝国アガルタへと旅立ってゆく。槐多作品もふんだんにちりばめられた幻想世界に、心地よい目眩を感じさせていた
だいた。
山本政志(映画監督)
時代への協調? 口当たりの良さ? 上っ面の感動?
そーゆー罠は全シカトして、「オレはコレをコー撮る! どうだ!」
佐藤寿保の狂気じみた潔い突きつけに呆れつつ感心。
ブレねぇーなー。
瀬々敬久(映画監督)
「止まっていることと変わらないことは違う」
今夏、亡くなった PANTA さんが、かつて語ってくれた言葉だ。
佐藤寿保さんの映画も、僕が助監督としてついていた36年も前から、
いっこうに変わらぬ姿勢を貫き、時代の撃ち方を更新し、常に現実を塗り替えてきた。
今回も村山槐多が夭折のデカダンスとして転生し、現在進行形で、世界の荒れ地へと弾けてくれるに違いない。
いまおかしんじ(映画監督)
友達なんかいない。逃げてるけど、どこに行っていいか分からない。
愛とか恋とか仕事とか普通に生きるとか全然興味ない。なんかムカつく。
全部うまくいかない。爆発したい。怒りをぶつける。怒鳴る。殴りつける。
裸になって抱き合う。血のりまみれで愛撫し合う。
ただただ美しい。考えるな感じろ!美は美なんだよ!

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