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【北野武監督作「首」“唯一無二”の6人が語り尽くすリレーインタビュー】第4回:羽柴秀長役の大森南朋

2023年11月16日 12:00

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取材に応じた大森南朋
取材に応じた大森南朋

北野武監督の6年ぶりとなる最新作「」が、いよいよ11月23日から封切られる。構想に30年間を費やし、「本能寺の変」を題材にした壮大なエンタテインメントを完成させた。映画.comでは、カンヌ国際映画祭でも熱狂的に受け入れられた今作のリレーインタビューを、6週連続で展開。第4回は、羽柴秀長に扮した大森南朋に話を聞いた。(取材・文/鈴木元、写真/間庭裕基、編集/映画.com副編集長・大塚史貴)


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――主要キャストの中では唯一「アウトレイジ 最終章」から続けてのオファーでしたが、どのように受け止めましたか。

役柄を教えていただいて、またたけしさんの近くにいられる、弟ですけれどいわば側近みたいなものですから。今回もそういうポジションで呼んでいただけたのは、ある意味「アウトレイジ 最終章」がうまくいっていたんだなと思いましたし、また参加できることが純粋にうれしかったです。

――秀長は歴史上それほど有名ではありませんが、どのような人物と捉えましたか。

病気で早逝したことなど漠然とした概要は勉強しましたけれど、それなりによくできた参謀だったというくらいの認識で、とにかく秀吉の横で決して従順すぎず、自分も少し黒いものを抱えながらも本当はそこまでの器ではないことも分かっている人という感じです。

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――19年に小説も出版されていますが、読んでいましたか。

発売されてすぐに読ませていただきました。曽呂利新左衛門の話だと思ったので、映画化されるなら曽呂利を演じてみたいなと思いました。関西弁も一生懸命勉強したらできなくもないかなとは思ったんですけれど、映画を見たらやはりキム兄(木村祐一)だったなと。今回もたけしさんの横にいられることだけで十分でした。

――時代劇をやる上での楽しさ、難しさはどのように感じていますか。

気分としては、ロケ地やセットにかつらと扮装をして立つだけで80%くらいは完成していて、残りの20%を100%にするのか、40%乗せて120%にしていくのかみたいなことで成立しているような気がします。より明確なジャンルの世界にいくわけですから、作品によるとは思いますが決してやってはいけないことがある。ただ今回は、それを割と度外視した自由度の高い現場だったので、とにかくその場の空気をちゃんと感じながら、たけしさんが撮りたい画(え)の中でどう立ち続けるかを意識しました。

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――北野監督の側にいる幸せの度合いに変化はありましたか。

変わらないです。最高のポジションです。「アウトレイジ 最終章」で、大友(ビートたけし)と市川がマシンガンを撃つシーンを撮影している時に大きな夢がひとつかなったと思ったんです。その夢の続きで兄弟をやらせていただいて、だから緊張もするんですけれど、毎日撮影前にたけしさんの横でかつらをかぶる時にいろいろなお話をしてくださって、そういう時間が貴重でした。

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――撮影で特に印象に残っていることはありますか。

実際も兄の前で強がって見せることもあると思い、刀を抜いて蜂須賀小六らを脅すシーンはアドリブで挑戦でした。抜いた方が画的に面白いと考えたのですが、段取りでは凄く迷っていたんです。余計なことをしてたけしさんに嫌がられるのが一番ダメなので、隣にいた浅野(忠信)くんに3回くらい確認しました。そうしたら「いいんじゃないですか」って(笑)。思い切ってやったらモニターで見ていた(中村)獅童くんが大爆笑してくれて、監督にも採用していただけて、あの時は「合格出た」と思いました。

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――改めて感じた俳優としてのビートたけしの魅力はありますか。

僕が語るべき話ではないかもしれませんが、本番での集中力、間合いの置き方、監督としても凄いのに役者としてもむちゃくちゃ凄いじゃないですか。「戦場のメリークリスマス」(83)はもちろん、「夜叉」(85)やドラマの「昭和四十六年 大久保清の犯罪」(83)もハンパなかった。そういう凄みをずっと持ち続けていらっしゃるから、大友でも秀吉でも向き合った瞬間に全てを見透かされているような底知れぬ怖さがあります。それを凄い感じで外してきたりもすることもあるので、ビックリするというか焦ります。

――完成するまでは、どのような心持ちでしたか。

そこが一番ドキドキしていたかもしれないです。たけしさんの側にいたので、大幅にカットされることはないと思っていたんですけれど、先程話した刀を抜くところがカットされていたらヤバいなとか、ソワソワがずっと続いていました。「アウトレイジ 最終章」の時もそうだったので、その感触も思い出しました。

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――完成した作品を見た時の感想はいかがでしたか。

僕らの大好きな北野映画の、圧倒的な面白さがありました。戦国の解釈としても、秀吉が裏で糸を引いていたということは現実的でもあるし、今まで世間では言われてこなかった武将と小姓たちとの関係や男性と男性の性愛なども描かれていて、あの時代はもっと生々しくて生臭いものであったはずだという表現をしていると思いました。

――カンヌ映画祭でのお披露目の体験はいかがでしたか。

最高でした。あんな経験は人生で何度もできるものではないと思いますし、街の盛り上がりが凄かったです。

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――そこで「世界のキタノ」の人気を目の当たりにしたわけですよね。

想像を超えるというか絶しました。カンヌでもお食事させていただいたりすると、マーティン・スコセッシジム・ジャームッシュが挨拶に来るという、そういう話が尽きない。僕らはドンピシャ世代で漫才ブームからたけしさんを見続けてきて、日本人的には芸能界最強の芸人ビートたけしさんという感じなんですけれど、同じ時間軸で「その男、凶暴につき」(89)を監督された。そこから世界的な映画監督になるなんて、どういう規模感で生きているんだろうみたいな感じです。たけしさんはずっと、どの断片を切っても圧倒的なんです。カンヌに行ってそれを直に見ました。

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――では、北野監督の本当の姿はいまだにつかめないということですか。

一生つかめないです。だから皆大好きなんです。西島さんや獅童くん、僕らの世代は子ども頃からハートをつかまれたままですから。

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――最後に北野監督へのメッセージをお願いします。

新作、楽しみにしております。次回作も近くにいさせてください。ご自宅にもまた、お邪魔させていただきたいです。お願いばかりですね。あと、愛していますと書いておいてください。


」リレーインタビュー第5回は、11月23日に配信予定。

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