前田敦子、旧知の高良健吾に絶大な信頼感! でも“恋人役”には照れ笑い【第36回東京国際映画祭】
2023年10月31日 18:30
この企画は小津安二郎の生誕120年を記念して、初期のサイレント6作品をリメイクするというもので、「非常線の女」は1933年公開の映画。リメイク版では、前田が昼は歯科助手として働き夜は仲間たちと悪事に手を染める時子、高良はその同棲相手で元ボクサーの拓実を演じており、ある女性の存在をきっかけに2人の関係性が変わっていくさまが描かれる。
前田はシックな花柄のワンピースで登場。高良は「僕は18歳の時、初めて評価していただいたのが東京国際映画祭だったので、この場に戻ってこられて嬉しいです」と喜びを口にする。
松本監督は名匠・小津安二郎のリメイクという企画に「最初にお話をいただいた時は、自分でいいのだろうかと思い、迷いました。ただ調べてみると、小津監督が『非常線の女』を撮ったのは29歳の時で、お話をいただいた時の自分と同い年で、これもご縁かなと思いました」と振り返る。オリジナル版は90年前の作品だが「テーマ性は、いまにつながる普遍的なものを感じました。真っ当な世界で生きようとする男女がもがき、苦しむ姿はいまに通じると思いました」と語る。
撮影は7日間というルールの下で行われ、前田は「濃密だったので、幸福度は高かったんですけど、あまり記憶がない(苦笑)」と明かし、高良も「僕もあんまり記憶がなくて、でも(役作りもあって)ずっとタバコを吸っていました」と述懐。ちなみに、高良は元ボクサー役だったが「プライベートで3年くらい(ボクシングを)やってきて、やっと仕事に活きました」と笑顔を見せた。
前田と高良はこれまで何度も共演してきたが、前田は「共演者のみなさんが、どんどん高良さんに惚れていく姿を現場でいつも見ているんですけど、今回は高良さんのカッコよさがピカイチの作品で、それを間近で見つつ、尊敬する先輩ではあるんですけど、仲良くさせていただいているので(恋人役での共演は)こっぱずかしい役でもありました(笑)」と語る。
高良は前田に対し「絶大な信頼、安心感があります。カメラが回ってない時にふざけた話ができる、心許せる女優さんです」と語り、松本監督も「時子と拓実は映画の中では短いですが、これまで付き合ってきた年月があり、(前田と高良の)2人の関係性が短いシーンの中で活きているのを感じられました」と2人を称えた。
この日はハロウィンということで、過ごし方を尋ねられると前田は「静かに過ごすのが理想ですが……。あ、でもこないだ子どものハロウィンは、やってきました! かわいかったです。子どもたちが仮装して、『トリック・オア・トリート!』と言ってお菓子をもらっていて、一緒に並んで幸せ空間がすごかったです」と母親の顔をのぞかせていた。
「連続ドラマW OZU 小津安二郎が描いた物語」は11月12日スタート(全6話)。
第36回東京国際映画祭は、11月1日まで開催される。
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