秘められた場所で生きる女たちのリアル 高級娼館に潜入した小説家の自伝を映画化「ラ・メゾン 小説家と娼婦」12月29日公開
2023年10月3日 12:00

身分を隠して高級娼館に潜入した作家エマ・ベッケルの2年間を描き、2019年、フランスで発表されると同時に賛否両論を巻き起こした同名小説を映画化した「La Maison」が、「ラ・メゾン 小説家と娼婦」の邦題で12月29日から公開される。このほど予告、ポスター、メイン写真が披露された。
フランスからベルリンに移り住んだ27才の小説家エマ(アナ・ジラルド)は、作家としての好奇心と野心から、娼婦たちの裏側に惹かれてゆく。そして、大胆にも彼女たちの実情を理解するために、有名な高級娼館“ラ・メゾン”に娼婦として潜入する。危険と隣り合わせの女性たちの日常、そして孤独や恋愛の尽きない悩み…。そこでの日々は、エマにとって新たな発見に溢れていた。そして2週間のつもりが、いつしか2年もの月日が流れてゆく。果たして、エマがその先に見るものとは。
原作小説は、実際に娼館で働いた体験を小説にするという、大胆すぎる取材方法にフェミニストたちから激しく批判も浴びたが、しかし同時にアンダーグラウンドで生きる女性たちのリアルな姿が大きな共感を呼び、世界16カ国で大ベストセラーとなった。
主人公エマ役に抜擢されたのはファッションモデルとしても人気急上昇中のアナ・ジラルド。小栗康平監督作「FOUJITA」(15) のユキ役や、セドリック・クラピッシュ監督「パリのどこかで、あなたと」(19)等でも知られ、パリの老舗キャバレー「クレイジーホース」で実際に2ヶ月間トレーニングを行うなど、高級娼婦役に体当たりで挑んだ。

監督は、原作者からの強い希望で「ワンダーボーイ」(19)で熱い注目を浴び、「マダムのおかしな晩餐会」(18)、「THE INFORMER 三秒間の死角」(19)など女優としても活躍する気鋭の女性監督アニッサ・ボンヌフォン。本作の公開にあたって「女性が自分の身体をコントロールする権利、つまりはセクシュアリティをコントロールする権利が今、問われている、この映画の舞台が売春であるならば、真のテーマは女性のセクシュアリティと欲望である。だからこそ、「ラ・メゾン 小説家と娼婦」のような映画は、今日、強い共感を呼んでいるのだと思います」とコメントを寄せている。なお、本作のプロモーションのために、主演のジラルドと監督のアニッサ・ボンヌフォン監督の来日が決定している。
予告編は、作家のエマが、アンダーグラウンドで生きる女たちのリアルをえぐり出していく様子を捉えたもの。「男たちを妄想の世界に案内してるだけ」「汚れたとは思ってない」―小説に書くために実際の高級娼館に娼婦として潜入、ともに働くことで晒される女たちの本音と、繰り広げられる刺激的な出来事を、包み隠さずノートに書き記していく。「あなたは何が欲しいの?」娼館で働くエマの目を通した、めくるめく夜の世界の映像とともに、女性たちの自由とセクシュアリティの解放についても突きつけられるような映像となっている。
(C)RADAR FILMS - REZO PRODUCTIONS - UMEDIA - CARL HIRSCHMANN - STELLA MARIS PICTURES
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