ラ・メゾン 小説家と娼婦

劇場公開日:

  • 予告編を見る
ラ・メゾン 小説家と娼婦

解説

作家であることを隠して高級娼館に潜入したエマ・ベッケルが、その体験をもとにアンダーグラウンドで生きる女性たちのリアルな姿を描き、フランスで賛否両論を巻き起こしたベストセラー小説「La Maison」を映画化。

フランスからベルリンに移り住んだ27歳の作家エマ。娼婦たちの裏側に興味を抱いた彼女はその実情を理解するべく、高級娼館「ラ・メゾン」に娼婦として潜入する。一緒に働くことで顕になる女性たちの本音や、そこで繰り広げられる刺激的な出来事を、包み隠さずノートにつづっていくエマ。新たな発見に満ちた日々を送るうちに、当初は2週間だったはずが、いつしか2年もの月日が流れていく。

「パリのどこかで、あなたと」「FOUJITA」のアナ・ジラルドがエマ役で主演を務め、役作りのためパリの老舗キャバレー「クレイジーホース」で指導をうけるなどして高級娼婦役を熱演。「ワンダーボーイ」で監督としても注目される俳優アニッサ・ボンヌフォンがメガホンをとった。

2022年製作/89分/R18+/フランス・ベルギー合作
原題:La maison
配給:シンカ
劇場公開日:2023年12月29日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10

(C)RADAR FILMS - REZO PRODUCTIONS - UMEDIA - CARL HIRSCHMANN - STELLA MARIS PICTURES

映画レビュー

3.5変化球のフェミニズム映画として

2023年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

1988年にフランスで生まれたエマ・ベッケルは、20代前半で小説を2作発表したのち2013年にドイツのベルリンに移住し、2年にわたり娼館で働いた。その体験を綴り、世界16カ国でベストセラーになった3作目の小説「La Maison」を映画化したのが、この「ラ・メゾン 小説家と娼婦」だ。予備知識として、2013年当時フランスで売春は違法で処罰対象だったが、ドイツでは2002年以降売春が合法になったことを頭に入れておくといいだろう。

パリ出身のアニッサ・ボンヌフォン監督は2019年に長編ドキュメンタリー「ワンダーボーイ」を発表。2021年のドキュメンタリー第2作「Nadia」では、2019~2021年にパリ・サンジェルマンの女子サッカーチームに所属したナディア・ナディム選手(アフガニスタンからデンマークに亡命し、市民権を得たのちデンマーク代表としても活躍)を取り上げた。「La Maison」の映画化権は当初男性監督の手にわたったそうだが、権利が流れたのちに原作者本人の希望によりボンヌフォン監督が初の劇映画を手がけることになった。おそらく「Nadia」でのフェミニズムの要素も評価されたと推測される。

そうした成立過程もあり、本作ではセックスワーカーとして働く主人公エマと仕事仲間たち、娼館を訪れる多様な客たち、仕事とプライベートにおける行為の使い分けや感情の持ちようといったトピックを、女性の視点から描いていく。R18+指定であり性的なシーンが頻出するが、エロスを指向するのではなく、エマと相手の客との行為を社会学的な心持ちで観察するような、比較するならギャスパー・ノエ監督の「LOVE 3D」の臨場感とは対極に位置するような客観性が本編の多くを占める。

性産業に携わる女性たちはともすれば蔑視や忌避の対象になりがちだが、彼女らがセックスワーカーを選択する背景には賃金やキャリアにおける男女格差が依然存在することにも改めて気づかされる。また時には心身にダメージを受けるリスクもあるエマや仕事仲間たちの間にある絆も描かれ、変化球のフェミニズム映画として位置づけることも可能だろう。

作中のエマの設定は27歳で、一風変わった“自分探しの冒険”のような趣もあるのだが、演じるアナ・ジラルドが1988年生まれで30代半ばの年相応の風貌なのが難点か。また、エマが出会い系アプリで知り合った相手と初デートの公園でいたす行為は、そんな状況でいきなりそんなことになる?と唖然とした。脚本はボンヌフォン監督と男性のディアステームが共同で担当したが、あの場面には男性のファンタジーが混じったのかも、というのは考えすぎか。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
高森 郁哉

1.5結局は娼婦が天職!

2024年2月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

小説家が次回作の取材として娼婦を体験してみる!的な導入なのですが、
結局は娼婦が天職なんじゃないの?
と思ってしまいました。

おそらく本人はそれを認めたくないので、しのごの妹に言い訳しながら
娼婦の仕事を続けるんですよね。で、小説はいっこうに書かないですし、メモばかりがたまっていく。
最初二週間くらいの予定だったのに、半年やり続け、ひいては2年ですからね。
しかも娼婦の仕事に勉強熱心。深掘りしているな〜と思いました。

R18+な表現ではあるものの、エロティックかと言われるとそうでもないと思いました。
そういうふうに映らないというか、送り手もそうしようと思ってつくっていないと思うんですね。

それにしても娼婦の仕事はこんな感じだ!というのをキレイに見せてもらった感じがします。

面白くなくはないけど、若干いっぽん調子な感じなので、上映時間は短いのに、長く感じてしまいました。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ひでちゃぴん

3.0伝えたいことがよくわからない映画だった。

Mさん
2024年2月21日
Androidアプリから投稿

苦しい道をあえて選んでいく主人公の気持ちがさっぱりわからない。
娼婦の人たちはみないい人として描かれていた。
ただ、「一度娼婦という仕事をしたら、元の自分には二度と帰れない」という言葉はなんとなくわかった。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
M

3.0鑑賞動機:下心7割、どういうスタンスで描かれるのかへの興味3割

2024年1月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

さて、どうしたもんでしょうかね。十把一絡げにしないところや、いいことも悪いことも定時してるのはいいと思うのだけれど、どこか表層的なところにとどまっているように感じられてもどかしく思った。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
なお
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る