“声優初挑戦”の宮世琉弥へ、“超人気声優”梶裕貴からのアドバイスとは? 映画「タートルズ」インタビュー
2023年9月23日 09:00
世代を超えた人気を誇る「ミュータント・タートルズ」シリーズの新作CGアニメ映画「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」(9月22日公開)。
その日本語吹き替え版では、ハリウッド製作陣からの「“ティーンエイジ”タートルズのリーダーであるレオナルドには10代の俳優を!」という強い意向を受け、俳優業とアーティストの二刀流で躍進を遂げる19歳の宮世琉弥が、レオナルド役に起用された。
幼少期から「ミュータント・タートルズ」の大ファン。そして、出身地の宮城県から“世界へ”という願いを込めた芸名で活動する宮世にとって、ニューヨークの片隅から飛び出し、いまや世界中で愛されているタートルズは、まさに適役といえるだろう(ちなみに、実家でカメを飼っていたことも)。
初挑戦となった声優の苦労と手応え、超人気声優の梶裕貴から届いたアドバイス、そして、映画鑑賞を通して得られるインスピレーションについて語ってもらった。(取材・文/内田涼、企画・構成/映画.com編集部)
「宮城から世界へ」という想いがこめられた「宮世琉弥」で活動中の若手最注目株。2004年1月22日生まれで、2019年俳優デビュー。若手の登龍門といわれるCMに大抜擢され、TBS系「恋する母たち」や「君の花になる」など数々の話題作に出演。フジテレビ「めざましテレビ」では史上最年少マンスリープレゼンターに抜擢された。9月27日スタートのフジテレビ水10ドラマ「パリピ孔明」が控える。趣味は映画鑑賞、サウナ、ファッション、料理。
宮世琉弥(以下略):まず、「えっ、僕でいいんですか?」と思いました。子どもの頃に「ミュータント・タートルズ」の実写版(2014年製作)を映画館で見ていて、大好きな作品だったので、タイトルを聞いて驚きましたし、うれしい気持ちでいっぱいでした。もちろん、初めての挑戦なので、怖いなという思いもありましたし、アフレコは本当にすごく緊張しました。すべてが初めてなことだらけでした。
収録は3日間くらいでしたが、やはり、すごく難しかったです! いままで自分が経験してきたお芝居とは、声の出し方も表現の仕方もまったく違うので、現場の皆さんにいろんなことを教えていただきながら、なんとか無事に収録を終えることができました。ファンの皆さんには、役者として新しい一面をお見せできるので、それはうれしいです。子どもの頃は、まさか将来、自分がレオナルドを演じるなんて思っていませんから、当時の自分に教えてあげたいです!(笑)
ありがとうございます。全力で取り組みましたが、初挑戦で考えすぎてしまった部分もあって、反省点も多々あるんです。自分としては「こんなニュアンスかな?」と演じたシーンも、全体を見渡し、会話のキャッチボールで俯瞰すると「あっ、ちょっと違ったな」って。微妙な差なんですけど……。ただ、反省する部分がないと、そこで終わりなので、それ(反省点があること)は良いことかなと。何より、共演する声優の皆さんが素晴らしすぎて! すごく個性的だし、キャラクターにハマっているし、改めてすごさを実感しました。
はい、実は今回、レオナルド役の声優が決まったときに、梶さんから「頑張ってね」とご連絡をいただいて。さらにLINEで長文のアドバイスまで送ってくださって、緊張が和らぎましたし、心強かったです。アフレコは別々でしたが、ご縁を感じます。
(アフレコ中、画面に表示される)タイムコードのこととか、「多少のズレは、あまり気にせずに」とかですね。ズレは調整できるし、時間に追われて、感情が(演技に)乗せられないほうが良くないからと。それと今回の日本語吹き替え版のディレクターさんは、梶さんとも長いお付き合いだそうで、「とても良い人だから、安心して」って。技術的な面から心のケアもしてくださって、心強かったですね。実際のところ、台本の読み方ひとつ取っても、普段のお芝居とはまったく違いました。
友だちと遊びに行ったり、部活に参加したり。そんな“当たり前”の高校生活が、地下の下水道で暮らすレオナルドにとっては憧れですよね。僕も芸能活動を始めてから、全然学校に通うことができなくて。文化祭や運動会も参加したことがないので、うらやましいなと思う気持ちもありました。そういった部分で、レオナルドに感情移入できましたね。今、当たり前だと思っていることが、実際には1つ1つがとても大切なことなんじゃないかって気づかされましたし。もちろん、芸能活動の道を選んだことで、得られたこともたくさんあるので、どちらが良いとかそういう話ではありませんが。
アフレコに限らず、役作りのために、普段から映画はたくさん見るようにしています。そうすることで、台本を読んだときのイメージの引き出しを増やしていきたいので。それがないと、台本の読み取りが全然違うと思うんです。例えば、今回であれば、タートルズ4人が、大人数を相手に戦うアクションシーンがたくさんありますが、その場合「キングスマン」や「ジョン・ウィック」、それに「マトリックス」といった作品ですね。そういう引き出しがあると、やはり頭の中で想像しやすいです。
うっ~、好きな作品が多すぎて難しいですけど、そうですね……。「イエスマン “YES”は人生のパスワード」はすごく印象に残っていますね。何事もまずは挑戦してみようという気持ちを教えてくれた作品です。僕自身は、先のことを予測して「うーん、やっぱりやめておこうかな」って考えがちな性格だったので。それと「ジョーカー」ですね。もちろん、ジョーカーの行動ってダメなことではあるんですけど、彼なりの正義があって、正義と正義がぶつかり合っている。正義とは何かも考えさせられますし。
そうですね。それと最近見た映画だと「CLOSE クロース」がとても印象に残っていて、実はいま、「CLOSE クロース」にインスピレーションを受けながら楽曲制作をしているんです。映画鑑賞で得た感動や感情を、自分のフィルターを通して、別の形に表現できるのは、このお仕事をさせていただく良さだと思っています。
そうなれば、うれしいですし、世代を超えて楽しんでもらえる作品だと思います。僕自身、タートルズとの出会いを通して、絆だったり、物事を広い視野で見ることの大切さを教えてもらった気がします。レオナルドと一緒に成長できたというか。今後は、より一層お芝居に真剣に取り組みたいですし、演技や音楽をきっかけに、もっと世界に触れられればと思っています。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
十一人の賊軍
【本音レビュー】嘘があふれる世界で、本作はただリアルを突きつける。偽物はいらない。本物を観ろ。
提供:東映
知らないと損!映画料金が500円になる“裏ワザ”
【仰天】「2000円は高い」という、あなただけに教えます…期間限定の最強キャンペーンに急いで!
提供:KDDI
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
【人生最高の映画は?】彼らは即答する、「グラディエーター」だと…最新作に「今年ベスト」究極の絶賛
提供:東和ピクチャーズ
ヴェノム ザ・ラストダンス
【エグいくらい泣いた】「ハリポタ死の秘宝」「アベンジャーズ エンドゲーム」ばりの“最高の最終章”
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
予告編だけでめちゃくちゃ面白そう
見たことも聞いたこともない物語! 私たちの「コレ観たかった」全部入り“新傑作”誕生か!?
提供:ワーナー・ブラザース映画
八犬伝
【90%の観客が「想像超えた面白さ」と回答】「ゴジラ-1.0」監督も心酔した“前代未聞”の渾身作
提供:キノフィルムズ
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。