宮沢りえ「ぜひ参加したい!」と出演即決 「火の鳥 エデンの宙」で1300年生きるヒロイン役、コメント独占入手
2023年9月21日 10:00

手塚治虫氏の名作漫画「火の鳥」望郷編を、STUDIO4℃が映像化したアニメーション超大作「火の鳥 エデンの宙」(全4話)が、ディズニープラスで配信中だ。同作は、荒廃した地球から脱出し、1300年の眠りから目覚めたヒロインが、再び故郷・地球を目指す旅路を描く物語。映画.comは、主人公・ロミの声優を務めた宮沢りえのコメントを独占入手した。「企画書を見て『ぜひ参加したい!』と思いました」とオファーを受けた際の思いを明かす。
荒廃していく地球に絶望したロミと恋人のジョージは、ふたりだけの新たな生活を始めるため、惑星「エデン17」へと向かう。辺境の地を開拓し、希望の光が見え始めた矢先、ジョージが事故死。忘れ形見でもある愛息子・カインが、将来ひとりぼっちになることを恐れたロミは、カインに「13年後に目覚める」ことを約束し、自らコールドスリープに入る。しかし、システムの誤作動で、ロミが目覚めたのは、なんと1300年後だった。
「夢と希望と絶望、そして大きなメッセージをずっと送り続けた偉大な手塚さんの作品ということで、企画書を見て『ぜひ参加したい!』と思いました。オファーを頂いて、とても光栄でしたし、気持ちが高揚しました。作品のオファーを頂いて悩むこともありますが、今回は一切悩まずにお引き受けしました」
出演即決の理由をこう語る宮沢は、希望に満ちた青春時代、カインの母親、余命わずかなエデン17の女王としての日々、地球を目指す旅の途中で負傷し、治療を受けた結果、中身はそのままに若い姿を取り戻すなど、さまざまな姿のロミを演じている。
1300年間を生きるヒロイン像を、「強い生命力のある女性を演じるんだという覚悟を持ちながら、スタッフの方と相談して、細かく探って行きました。始まる時に『これだ!』と決めていくのではなく、ひとつひとつ重ねていった印象です」と振り返る。「実写では経験できないような飛躍力のあるストーリーなので、その飛躍力を楽しみながら、ロミの状況を想像して演じました」と役づくりを通して、自身も壮大な手塚ワールドを駆け抜けた。
実写作品での演技と、アニメ声優としての演技の違いについては、「実写は自分から湧き上がるものを体現していきますが、アニメでは自分が思っているのとは違う表情をキャラクターがしていることもあります」と語る。「そういう時は『なぜこんな表情をするんだろう』とロミの感情を探求しました。自分が考えるロミの感情と、映像で体現しているロミとの感情との差を埋めていく作業は、アニメの表現だと思いました。キャラクターの表情にヒントをもらえたりすることは、とても新鮮でした」と、アニメならではのアプローチに果敢に挑んだ。

声優陣には宮沢をはじめ、恋人・ジョージ役の窪塚洋介、冒険をともにする宇宙生命体・コム役の吉田帆乃華、怪しげな宇宙のよろず屋・ズダーバン役のイッセー尾形ら豪華キャストが参加している。
アフレコは個別で行われたが、「孤独な作業ではありましたが、アフレコでは映像に引っ張ってもらうこともありましたし、ほかのキャストの声に導かれる瞬間もありました。子ども時代のカインや、コムとのシーンは、とても可愛らしい声のおふたりと話していることを想像して、役づくりは考えなくても、自分のなかの母性が生まれました。ジョージ役の窪塚さんは、気負わず自然に演じられていて、ふたりのナチュラルな雰囲気が出せたと思います」と、“共演”から得た癒しやヒントが支えとなった。
手塚氏のライフワークでもあった「火の鳥」全12編のうち、望郷編が映像化されるのは、これが初めて。「鉄コン筋クリート」「ムタフカズ」などで、独自の作風を発揮してきた稀代のクリエイター、西見祥示郎監督が、原作に大胆な現代的アレンジを施しつつ、アニメならではの魅力が溢れる作品世界を構築し、連載から約50年経った現代に「人間とは、生命とは何か」を問いかける。
「素晴らしい、クリエイティブな映像でした。そして普遍的な、大きなテーマ、課題を受け取ったような気がします。これから未来を担う子どもたちと一緒に見て、色々と話をしたいと思いました。見る年齢や、その人の境遇によって響くところが違うと思いますし、人として命の尊さを教えてもらえる作品になっています。未来に何を残していくかを、みんなで共有したい。その手段としてこの作品があるといいなと思いました」(宮沢)
「火の鳥 エデンの宙」は、ディズニープラスで世界独占配信中(中国本土を除く)。11月3日からは、エンディングが異なる劇場版「火の鳥 エデンの花」が全国で公開される。
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