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【「ウェルカム トゥ ダリ」評論】ダリの映画を、そのアート作品とシンクロさせて「ダリ体験」に昇華

2023年9月3日 18:00

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「ウェルカム トゥ ダリ」
「ウェルカム トゥ ダリ」
(C)2022 SIR REEL LIMITED

説明するまでもなく、サルバドール・ダリは「シュールレアリスム」の代名詞的存在で、数々の絵画や彫刻を残した高名なアーティストなのですが、存命の頃は相当な「奇人・変人」と認識されていました。私たちが中学生や高校生だった頃は、その絵を見ても理解不能だし、ダリの風貌は「危ないオジサン」だし、なかなかハードルの高い芸術家だった記憶があります。

映画クラスターにとっては、ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」を共同制作していたり、「ホドロフスキーのDUNE」には銀河帝国の皇帝役でキャスティングされていたりと(この映画は製作されませんでしたが)、ダリはただ者ではない存在感を放っています。が、彼は決して「映画人」ではありません。

ダリに関しての、非常に断片的な知識しかない私にとって、この映画は非常に楽しい、そしてタメになるものでした。ダリの変態性、好色性、パーティー三昧の目茶苦茶な日々、そして彼のミューズでありマネージャーでもある女性・ガラの仕切り屋的存在感と守銭奴っぷり。彼らを取り巻く人々の、ダリに対する媚態と打算とさまざまな距離感。

本編を見終わって、それなりに満足する一方、「何かが足りない」とも感じました。人生の中で、これまでに鑑賞してきたダリの作品が思い浮かばないんです。共感が今ひとつ弱い。それはつまり、自分の身体の中の「ダリ度」が足りないということではないか。

「そうだ、ダリを浴びるように見に行こう」とばかりに、翌日、新幹線とレンタカーを乗り継いで、福島県にある「諸橋近代美術館」に駆けつけました。ここは、300点を超えるダリ作品をコレクションしている世界有数の美術館です。絵画も彫刻もふんだんに陳列してあります。ダリの狂気を、変態性を思いっきり浴びることができる凄い空間です。

映画の中で語られる、ダリの署名が作品によって違うという事実も、この美術館で確認できます。ガラがダリにとって聖母のような存在であったということも、「テトゥアンの大会戦」という3メートル×4メートルの大作に見て取れます。ダリの作品群が、昨日見た映画と見事にシンクロします。

日本には、世界有数のダリコレクションがあるという幸せ。諸橋近代美術館は、東京からだと4時間ほどかかりますが、この映画を見る方は、あるいは見た方は、是非とも訪れてみてください。「ダリ鑑賞」が「ダリ体験」に昇華する感じを存分に楽しむことができますから。

(駒井尚文)

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