山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023 上映作品&審査員決定
2023年8月5日 11:00
今年10月に第18回を迎える山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023(YIDFF 2023)で、既報のメイン・プログラム「インターナショナル・コンペティション」(15作品)に続き、もう一つのコンペティション部門である「アジア千波万波」の上映作品(19作品)と特別招待作品、コンペティション2部門の審査員の一部が決定した。
山形国際ドキュメンタリー映画祭のある「アジア千波万波」は、アジアに特化したコンペティション部門でアジアのドキュメンタリー作家を応援し、発表の場を創出することを目的として1993年からスタート。アジアの作家の成長を誰よりも強く望んだ故・小川紳介監督の意志を受け継ぐ意味を込めて最優秀作品賞として「小川紳介賞」が設けられている。今回は前回よりも多い67の国と地域から1,002作品の応募があり、選りすぐりの作品がラインアップされた。
民主化を求めて立ち上がった市民への弾圧が続くミャンマーから、匿名監督による2作品を含む3作品を選出。韓国からは、高校時代から自身の大学受験を追って撮り溜めたフッテージを見事に作品として完成させた 20代のホン・ダイェ監督デビュー作、また日本からは、沖縄戦の記憶が色濃く残る GAMA(ガマ/自然洞窟)を舞台にし、映画作家でもあるダンサー・吉開菜央を起用した小田香監督の最新作など、注目作品が目白押しだ。
既に発表されているインターナショナル・コンペティションでは、ウクライナ出身作家たちが異なる視点で本国を描いた2作、全編ゲームのグラフィックスで構成された異色のドキュメンタリー、本映画祭のコンペティションで初上映となるアフリカ・マリ出身監督の作品、そのほか、若い監督たちによる意欲的な長編デビュー作から審査員経験のあるベテラン監督たちの新作まで合計15作品が選出されている。
また、特別招待作品として、エディ・ホニグマン監督作「クレイジー」、ペドロ・コスタ監督短編最新作「火の娘たち」、ハナ・マフマルバフ監督最新作「リスト」の上映が決定した。
インターナショナル・コンペティションの審査員は、ヤンヨンヒ(映画監督)、チャン・リュル(映画監督)、オスカー・アレグリア (映画監督)、エリカ・バルサム(映画批評家)、ほか1名、アジア千波万波の審査員はリム・カーワイ(映画監督)ほか1名。
ほか特集などプログラム詳細やチケット情報は公式HP(www.yidff.jp/2023/)で告知する。山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023は10月5日~10月12日、山形市中央公民館、山形市民会館、フォーラム山形、やまがたクリエイティブシティセンターQ1で開催。
「アンヘル69」 監督:テオ・モントーヤ/コロンビア、ルーマニア、フランス、ドイツ/2022/75分
「ターミナル」 監督:グスタボ・フォンタン/アルゼンチン/2023/62分
「交差する声」 監督:ラファエル・グリゼイ、ブーバ・トゥーレ/フランス、ドイツ、マリ/2022/123分
「東部戦線」 監督:ビタリー・マンスキー、イェウヘン・ティタレンコ/ラトビア、ウクライナ、チェコ、アメリカ/2023/98分
「日々 “hibi” AUG」 監督:前田真二郎/日本/2022/120分
「あの島」 監督:ダミアン・マニベル/フランス/2023/73分
「ニッツ・アイランド」 監督:エキエム・バルビエ、ギレム・コース、クエンティン・ヘルグアルク/フランス/2023/98分
「何も知らない夜」 監督:パヤル・カパーリヤー/インド、フランス/2021/100分
「ある映画のための覚書」 監督:イグナシオ・アグエロ/チリ、フランス/2022/104分
「自画像:47KM 2020」 監督:章梦奇(ジャン・モンチー)/中国/2023/190分
「紫の家の物語」 監督:アッバース・ファーディル/レバノン、イラク、フランス/2022/184分
「三人の女たち」 監督:マキシム・メルニク/ドイツ/2022/85分
「不安定な対象 2」 監督:ダニエル・アイゼンバーグ/アメリカ/2022/204分
「訪問、秘密の庭」 監督:イレーネ・M・ボレゴ/スペイン、ポルトガル/2022/65分
「ホワット・アバウト・チャイナ?」(仮) 監督:トリン・T・ミンハ/アメリカ、中国/2022/135分
「地の上、地の下」 Above and Below the Ground 監督:エミリー・ホン/ミャンマー、アメリカ、タイ/2023/84 分
「壊された囁き」 Broken Whispers 監督: アミル・マスード・ソヘイリ、アミル・アサル・ソヘイリ/シリア、イラン/2023/63 分
「確かめたい春の出会い」 Encounters on an Uncertain Spring 監督:タイムール・ブーロス/レバノン、ポルトガル、ハンガリー/2022/25 分
「またたく光」 Flickering Lights 監督:アヌパマ・スリーニヴァサン、アニルバン・ダッタ/インド/2023/90 分
「GAMA」 監督:小田香/日本/2023/53 分
「ホーム・ストーリー」 Homemade Stories 監督:ニダール・アル・ディブス/シリア、エジプト/2021/69 分
「鳥が飛び立つとき」 Journey of a bird 監督: 匿名/ミャンマー/2021/28 分
「我が理想の国」 Land of My Dreams 監督:ノーシーン・カーン/インド/ 2023/74 分
「負け戦でも」 Losing Ground 監督: 匿名/ミャンマー/2023/23 分
「ベイルートの失われた心と夢」 A Lost Heart and Other Dreams of Beirut 監督:マーヤ・アブドゥル=マラク/フランス/2023/36 分
「ルオルオの青春」 Luoluo's Youth 監督:洛洛(ルオルオ)/中国/2023/93 分
「ナイト・ウォーク」 Night Walk 監督: ソン・グヨン/韓国/2023/65 分
「ここではないどこか」 Nowhere Near 監督:ミコ・レベレザ/フィリピン/2023/96 分
「平行世界」 Parallel World 監督:蕭美玲(シャオ・メイリン)/台湾/2022/177 分
「それはとにかくまぶしい」 Radiance 監督: 波田野州平/日本/2023/18 分
「記憶の再生」 Raise Me a Memory 監督:ヴァルン・トリカー/エストニア/2023/69 分
「私はトンボ」 Saving a Dragonfly 監督:ホン・ダイェ/韓国/2022/80 分
「列車が消えた日」 Trip to Lost Days 監督:沈蕊蘭(シェン・ルイラン)/中国、シンガポール/2022/73 分
「石が語るまで」 Until the Stones Speak 監督:キム・ギョンマン/韓国/2022/100 分
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
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