何も知らない夜

劇場公開日:2025年8月8日

解説・あらすじ

第77回カンヌ国際映画祭でインド映画史上初のグランプリを受賞した「私たちが光と想うすべて」のパヤル・カパーリヤー監督が、同作に先立つ2021年に発表した長編ドキュメンタリー。

カパーリヤー監督が、インド映画テレビ技術研究所の学生であった自身の体験をもとに手がけた作品。映画大学の寮から「L(エル)」という学生の恋文が入った小箱が発見され、その手紙に記された、カースト制度によって阻まれた恋人たちの苦難を背景に、2016年に実際に起きた政府への抗議運動や、極右政党とヒンドゥー至上主義者による学生運動の弾圧事件の真実を描き出す。

フィクションとドキュメンタリーを自在に行き来するカパーリヤー監督が、かなわぬ愛の物語と記録映像を通じて、インドの社会の問題を浮き彫りにする。第74回カンヌ国際映画祭監督週間に選出され、ゴールデン・アイ賞(ベスト・ドキュメンタリー賞)を受賞。山形国際ドキュメンタリー映画祭2023インターナショナル・コンペティション部門でロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)受賞。

2021年製作/103分/フランス・インド合作
原題または英題:A Night of Knowing Nothing
配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2025年8月8日

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映画レビュー

2.0インド夜想曲

2024年9月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

主に不鮮明なモノクロ映像にとりとめのないモノローグがかぶさるというもので、どうやら映画学校の女子学生が恋人に送った手紙という体裁らしい。最初は状況がよく飲み込めないが、次第に学生たちの政府への抗議活動が根底にあることが浮かび上がってくる。
他の某国やまたは別の某国のような権威主義国に比べると、インドはまだ民主国家寄りとの印象を持っていたけれど、この映画を見る限りかなり苛烈な思想弾圧が行われているようだ。現首相のモディはヒンズー教至上主義者で、過去にもいろいろと人権を蹂躙した事件への関与が取り沙汰されていたらしい。もうとっくの昔に解消されたと思っていたカーストによる差別も残っているふうな言及もあるし、(映画の内容とは離れるが)ダウリーやそれに起因する殺人などの前近代的な慣習はITで名を馳せた国とはとても思えない。
嬉し楽し歌って踊ってのボリウッド映画では触れられない、インドの負の一面が窺い知れる映画だった。

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梨剥く侍