ロバート・ダウニー・Jr.「ドクター・ドリトル」は過去25年間で最も重要な作品
2023年7月14日 14:00
ロバート・ダウニー・Jr.は、トニー・スターク役として長年にわたりマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を支えてきたことで知られている。米Deadlineの取材で、このほど最も重要な作品を尋ねられたダウニー・Jr.は、MCU第1作の「アイアンマン」やMCUからの卒業作品「アベンジャーズ エンドゲーム」ではなく、意外にも2020年公開の主演映画「ドクター・ドリトル」を挙げている。
「ドクター・ドリトル」は、名作文学「ドリトル先生」シリーズをダウニー・Jr.主演で実写映画化したファンタジーで、監督を「シリアナ」のスティーブン・ギャガン、プロデューサーを妻スーザン・ダウニーが務めている。ただし、作品の評価は芳しくなく、米映画批評サイトのRotten Tomatoesによると15%という厳しい評価になっている。
ダウニー・Jr.は本作を引き受けた理由について、「マーベルとの契約を終えた後、すぐに新しく楽しいフランチャイズが出来ると思って『ドクター・ドリトル』に飛びついた」と説明。「だが私も私のチームも、契約についてあまりにも興奮しすぎて、実際の映画をどう実現するかについては考えていなかった。当時の私は無敵の状態だった。私はすべてのジャンル映画の天才だと思っていた」
だが、よく考えずに「ドクター・ドリトル」に関わったことで惨めな経験をすることになったと明かす。特にひどい作品をなんとかまとめようと奔走したプロデューサー、スーザン・ダウニーのストレスは相当なものだったという。
この苦い経験がきっかけとなり、その後は実父を題材にしたドキュメンタリー「Sr. ロバート・ダウニー・シニアの生涯」や、Netflixドラマ「スウィート・トゥース 鹿の角を持つ少年」の制作総指揮など、コンテンツ重視に舵を切っている。
こうした失敗を経て、ダウニー・Jr.は「正直に言うと、過去25年で最も重要な作品はふたつある」と明言。「ひとつ目は『シャギー・ドッグ』だ。これがきっかけで(かつて薬物依存症だった)私はディズニーに保険をかけてもらえるようになった。そしてふたつ目が『ドクター・ドリトル』だ。『ドクター・ドリトル』は、2年半も無駄にしてしまった時間の象徴だから」
ダウニー・Jr.の最新作はクリストファー・ノーラン監督の注目作「オッペンハイマー」だ。キリアン・マーフィ、エミリー・ブラント、マット・デイモンらオールスター共演作で、ダウニー・Jr.は米原子力委員会のトップを務めるルイス・ストローズ委員長を演じている。「オッペンハイマー」は7月21日に全米公開。