ジブリの放送が金曜ロードショーだけなのはなぜ? 鈴木敏夫が明かす秘話
2023年6月29日 13:00

展覧会「金曜ロードショーとジブリ展」の開会セレモニーが6月28日、東京・寺田倉庫で行われ、スタジオジブリ社長の鈴木敏夫プロデューサーが出席。挨拶に立った鈴木氏は、「ジブリの作品って、金曜ロードショーでしかやらない(放送しない)ですよね。どうしてこんなことになったのか、ふと思ったんです。そういえば、皆さんの前で話したことはなかったなって……」と、2人の人物の名前を挙げながらその理由を説明した。

展覧会を見て「思い出した人物が2人いた」という鈴木氏は、日本テレビの社長・会長を歴任した氏家齊一郎氏と、徳間書店を創設し、スタジオジブリの社長も務めた徳間康快氏の名前を出し、「感慨深く思い出しちゃったんです」とほほ笑む。
そして、金曜ロードショーでスタジオジブリの作品が放送される理由について「この2人がね、若い時から仲が良かったんですよ」と、2人の関係性を交えながら説明する。
「氏家さんと徳間は6歳離れていて。氏家さんは東京大学の学生で、徳間は読売新聞の記者だったとき、映画を作るために氏家さんたちがシナリオをチェックすることになった。その取材に行ったのが徳間で、意気投合して付き合いが始まった。僕は徳間や氏家さんから何回もその話を聞かされました。この関係は一言で言えば友情なんです。後のジブリと日テレの関係を作った。それと同時に、自分で言うのはこっぱずかしいですが、この2人が僕のことを随分かわいがってくれて。この2人がいたから今日の僕があるのかなとも思いました。その延長線上にジブリがあります」
続けて、「いろいろ感慨深いですよね。ジブリと日テレの関係はいろんな人が関わっていますが、スタートはこの2人の友情から始まった」。2人のお墓の距離が近いことも明かした。


また、鈴木氏は金曜ロードショーがスタジオジブリの作品の認知を広げていったといい、「『風立ちぬ』の後、『アーヤと魔女』はありましたが、約10年、映画を外に出していなかったんです。それでも、皆さんがジブリのことを忘れないでいられるのは、金曜ロードショーの存在が大きい。『金曜ロードショーとジブリ展』っていうタイトルでイベントをやろうって言い出したのは僕なんです。若い人たちと話すとき、皆さんから『(スタジオジブリの作品を)映画館で見ていないんですけれど』『テレビで見ているんですけれど』って言われまくったんです。これがヒントです」と企画の成り立ちを説明する。

ちなみに、スタジオジブリの作品以外で鈴木氏が印象に残っている金曜ロードショーでの放送作品は「風と共に去りぬ」だそう。「あの時の熱狂は忘れないですね」と懐かしんでいた。
同展は6月29日~9月24日まで、寺田倉庫 B&C HALL/E HALLで開催中。
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