マイケル・B・ジョーダン、「クリード 過去の逆襲」に込めたアニメ愛 「日本のアニメ文化に対するリスペクトを持っている」
2023年5月25日 08:00
![マイケル・B・ジョーダン](https://eiga.k-img.com/images/buzz/103512/7a938105ab4d58d1/640.jpg)
不朽の名作「ロッキー」シリーズを受け継ぐ映画「クリード」の第3作目となる「クリード 過去の逆襲」。本シリーズの主人公となる、かつてロッキーと死闘を繰り広げた親友アポロの息子アドニス・クリードを演じているのが、マイケル・B・ジョーダンだ。過去2作同様、主人公アドニスを演じると共に、本作では監督としても作品に携わった。ジョーダン監督と言えば、日本のアニメの大ファンとしても有名だが、そんな監督に、随所にその影響が感じられる作品への思いや、アニメ愛を語ってもらった。(取材・文:磯部正和)
![5月26日から公開](https://eiga.k-img.com/images/buzz/103512/8bf185e73c91682d/640.jpg?1684921874)
ロッキーの魂を受け継ぎ世界チャンピオンになったクリード。輝かしい栄光、幸せな家庭などすべてを手に入れたと思われた男の前に現れたのが、刑務所から出所してきた幼なじみのデイム・アンダーソン(ジョナサン・メジャース)だ。彼は18年ものあいだ服役をしてきており、まばゆい光を放つクリードに対して複雑な感情を持つ。この関係性は、ジョーダン監督がSNSなどでも大好きだと公言しているアニメ「NARUTO -ナルト-」のナルトとサスケを連想させる。
「僕は8~9歳のころからアニメが大好きでずっと見てきているファンなので、『NARUTO』に限らず、アニメの構図や概念、アイデアなどが自然と体のなかにしみついているんです。その意味で、この映画のなかには、僕のアニメからインスピレーションを受けたものが随所に出ていると思います。デイムとアドニスの関係性を開発していくなかで、自分のなかのパーソナルな人間関係を参考にしているのですが、ナルトとサスケの関係性にすごく似ていると言われてみると、まさにそうなのかも……と思いました。ただそれは意識していたのではなく、自然に出てきたものなんでしょうね」
![画像3](https://eiga.k-img.com/images/buzz/103512/295c1bececa5f916/640.jpg?1684921789)
さらにジョーダン監督は、IMAXカメラで撮影された迫力のボクシングシーンについても、自身のアニメーション体験が大きく影響しているという。
「ファイトシーンは完全にアニメーションで僕が観てきたもののなかで、高揚できた瞬間が反映されていると思います。アニメの持つ感情面の表現を、増幅してよりダイナミックに見せる。アニメにおけるライバルってとても大きなテーマですよね。常にヒーローにとってのライバルは誰なのか、その存在によってヒーローは成長する。そういうアニメで感じたフィーリングはしっかりと持ち込みたいなと思っていました」
昔から上質なアニメに親しんでいる日本のファンにとって、本作でのファイトシーンは、斬新なアクションで臨場感いっぱいながら、どこか安心感を得られるような戦いが描かれる。さらに圧倒的なボクシングシーン満載の本編上映後、なんと日本のファンのために「クリード」をテーマにした短編のアニメーションが上映されるという最高のプレゼントがある。これはジョーダン監督が日本のアニメーション文化に対して熱い思いで制作されたものだという。
![来日イベントの模様](https://eiga.k-img.com/images/buzz/103512/920b4b72c6fef134/640.jpg?1684921802)
「僕は日本のアニメ文化に対して、リスペクトの気持ちを持っています。そして僕が日本のアニメ文化から多くの影響を受けていて、とても大切にしているんだということを理解してほしいと思って作ったものなんです。制作しているときはとても楽しかった。やっているうちに“これって結構イケているんじゃない?”なんていう気持ちも出てきましたが、観てくださった方が『この監督は、本当に日本のアニメが好きなんだな』と感じてもらえたら嬉しいです」
作風だけではなく、映像にもアニメ愛が溢れている。ジョーダン監督演じるアドニスの部屋には、「機動戦士ガンダム SEED ASTRAY」のポスターなども貼られていた。
「僕にとって一番好きなガンダムシリーズは『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇』なんです。子どものころに何度も見て観ていた作品で。ガンダムシリーズは壮大なので、全部をコンプリートできているわけではないのですが、ガンダムはすごく好きな作品です。そんな思いから、ガンプラやポスターはアイテムとして入れたいと思っていたんです」
自らのアニメ体験と実写ならではのリアルな演技。その両方を演者、作り手として作品に込めた。ジョーダン監督にとって、ディレクターとして挑んだ映画体験はどんなものだったのだろうか――。
![画像5](https://eiga.k-img.com/images/buzz/103512/9b811c6d465eb007/640.jpg?1684921803)
「監督の喜びの一つは、役者と親密な作業ができること。役者として作品に臨むよりも、監督としてだと、かなり深い部分まで役者とディスカッションができます。それは本当に楽しい作業でした。また役者をやっているので、どういう環境だとベストが出せるかもわかっている。役者のベストを引き出せたと感じる瞬間も監督としての最高の喜びでした。また、自分のビジョンが現実の画として表現できるというのは、最高の気分です」
多くのことを得られた「クリード 過去の逆襲」の現場。さらに夢は広がったという。
「監督という視点で影響を受けたのは、自分に多くのインスピレーションを与えてくれた、スティーヴン・スピルバーグ監督、クリストファー・ノーラン監督、ジェームズ・キャメロン監督。さらに役者兼監督のブラッドリー・クーパーさんやデンゼル・ワシントンさんにも影響を受けています。デンゼル・ワシントンさんは、この作品に入る前にご一緒していて、多くのことを学びました。ジャンルを押し広げたり、限界突破を試みて、新しいものを作ろうとしている方には感銘を受けます」
ジョーダン監督自身も偉大なる映画人たちのように「広いビジョンを持って、映画界に貢献していきたい」と未来に思いを馳せていた。
「クリード 過去の逆襲」は5月26日から公開。
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