あまりの過激さに映画史上空前の空振りを記録 英ブラックコメディ「金持を喰いちぎれ」7月14日リバイバル公開
2023年5月19日 17:00

1987年の初公開時、内容の過激さに映画史上空前の空振りを記録した英国の社会派ブラックコメディ「金持を喰いちぎれ」が、デジタルリマスター版で7月14日からリバイバル公開される。
イギリスの庶民派テレビ局で人気を呼んだ社会風刺コメディ番組「ザ・コミック・ストリップ」でポストモンティ・パイソンとして注目を浴びた英国コメディ集団コミック・ストリップの一員であるピーター・リチャードソン監督が、パイソンズより遥かに過激に強烈な風刺を利かせて制作。猛烈な社会批判を展開するも、その猛毒に誰もついて行けずに映画史上空前の空振りを記録したブラックコメディであり、36年ぶりの公開となる。
ロンドンで最も金持ちの集まる高級レストランでウェイターとして働くアレックスは、いけ好かない客やマネージャーにいびられクビになり、身寄りも友人も家もなく社会の最下層に沈んだ。同じくロンドンでは乱暴で下品だが実行力のある上流階級の権力者、超タカ派内務大臣ノッシュが、ソ連のスパイである英国情報部司令長官が仕掛けた女性スキャンダルの罠にはまるが、送り込まれた高級コールガールは一発でノッシュの子を懐妊。アレックスは底辺部隊を組成し、反旗をひるがえす大貧民たちが、大金持ちしか入れない超高級レストラン<BASTARDS>を乗っ取り、<EAT THE RICH>と改名して金持ちを血祭りにする。
(C)1987 National Film Trustee Company Ltd. All rights reserved.無能な者が権力者になるという、この世の摂理に切り込み、あらゆる差別とヒエラルキーを吹き飛ばして見事に散った、社会派の怪作だ。1980年代、パンク・ムーブメントを力ずくで押さえこみ、社会保障カットとフォークランド戦争で大英帝国を再建したサッチャー政権下、生活苦に耐えきれなくなったイギリス国民が蜂起。一部の金持ちだけが優雅な生活を謳歌し、庶民ばかりが苦しむ世の中を痛烈批判し、人種差別、性差別、階級差別、選民主義、権威主義に怒りを爆発させる。
製作総指揮は「ロッキー・ホラー・ショー」(75)や、ポリス、XTC、ディーヴォなど出演の音楽映画「Urgh! A Music War」(81)を手掛けたマイケル・ホワイト。主演にはジェンダーのボーダーを突破し、オールマイティに活躍するラナー・ペレー、元ヘビー級プロボクサーであり、007シリーズのスタントのほか「荒野の用心棒」(64)にも映っているノッシャー・パウエルが上流階級の内務大臣に扮する。
また暴走ロックンロールの帝王モーターヘッドをサウンドトラックに起用、劇中に唐突なライブシーンも差し込まれ、極悪レミーが演技を披露している。そしてポール・マッカートニー、アンジー・ボウイ、サンディ・ショー、クー・スターク、ミランダ・リチャードソン、シェイン・マガウアン(ポーグス)、ヒュー・コーンウェル(ストラングラーズ)、ビル・ワイマン(ローリング・ストーンズ)ら数多くの超豪華ミュージシャン、俳優、モデル、作家、アーティストたちがカメオ出演している。
「金持を喰いちぎれ」は7月14日から、シネマート新宿・シネマート心斎橋で公開。
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