紀里谷和明監督、感涙 “最後の作品”お披露目で来場した両親に謝意「本当にご迷惑をおかけしました」
2023年3月21日 12:00
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「CASSHERN」「GOEMON」「ラスト・ナイツ」の紀里谷和明監督の最新作にして“最後の作品”となる「世界の終わりから」完成披露試写会が3月20日、東京・新宿バルト9で行われ、紀里谷監督、主演の伊東蒼、毎熊克哉が出席した。
本作は、生きる希望を失いかけていたなかで、突如世界を救う使命を託された女子高生のハナが、さまざまな困難を前に戸惑いながら奔走するさまを描いた物語。「空白」「さがす」の伊東が、孤独と絶望に満ちた世界を必死に生きる主人公ハナを体現する。
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映画上映後、ステージに登壇した伊東は緊張の面持ちで、「この映画の試写を観た時は撮影のことをいろいろと思い出してしまって、冷静な気持ちで観られなくて。皆さんがどう思うか分からなくて今、すごくドキドキしています」と挨拶。さらに「この作品の台本を読んだときには、どんな作品になるのか想像できなかったんですけど、読み終わった後に自分はひとりじゃないんだと、なんだかすごく温かい気持ちになって。ハナとして、この世界がどんなものなのか経験したいと思い、ハナをやらせてもらいました」と述懐する。
絶望を抱えた少女という役柄に「すごく大変な状況に置かれた子なので、苦しい気持ちや悲しい気持ちになることが多かったんですけど、紀里谷監督が常に気にかけてくださいましたし、一緒にやらせていただいた方たちに支えていただきながらなんとか終えることができました」と振り返る。そして「完成した作品を観て、紀里谷さんが伝えたかったことはこういうことなのかと思いました。ひとりじゃないんだなという事や、逆に自分のそばにいる人に少し気持ちを向けてあげるだけで、その人のさみしさをカバーできるんだという事など、そういったメッセージが届けばいいなと思います」と呼びかけた。
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一方の毎熊は、本作のオファーを受けた際に「紀里谷さんが放ってくる人間のエネルギーがすごかった」と感じていたそうで、「この作品をつくりあげるために共闘してくれる人を探していると言われて。この戦士のようなエネルギーを持つ人と向き合って映画を作るのは相当な覚悟がいるぞと思って。たかが5秒くらいだったと思いますけど、日和(ひよ)りそうになりました。でもこれからこんな人に出会うこともないだろうと思い、ぜひやらせてくださいと、そう言ってはじまりました」と経緯を説明する。
さらに「そもそもこの映画に向き合うのは、自分自身の絶望と向き合うこと。別の言い方をすると、自分の中にある希望を探すということでもある。その希望は正直、まだまだ探さないといけないことかもしれない」と話す毎熊は、「おそらく誰よりも肉体と精神を切り刻んでこの映画を最後まで完成させた紀里谷さんには及ばないかもしれませんが、こうやって映画をお届けすることができてうれしく思います」と晴れやかな顔を見せた。
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そして最後に「ちょうど2024年で、映画監督デビューをしてから20年たちます」と切り出した紀里谷監督は、「特に過去5年、10年は絶望のどん底におりました。とにかく20年間は苦しみの連続でした。その絶望の中でどうしても伝えないといけないこと、未来に対しての希望をどうにか見つけようとしていた20年だったと思います。それをこのような形でお伝えできたのは喜びでしたし、もしわたしに使命というものがあるならば、わたしは監督として、この作品でまっとうできたと自負しております」と誇らしげな表情。
さらに「私事ですが、今日は両親が来ておりまして。とにかく今まで本当にご迷惑をおかけしました。そして本当にありがとうございました」と両親への感謝の思いを述べた紀里谷監督は、「映画監督というのは過酷な仕事です。経験された方なら分かると思いますが、わたしの場合、批判もたくさんありますし、いろいろなことを言われます。母はSNSを見る人なので、心を痛めたかと思います」とその正直な思いを吐露する。
だが絶望があるからこそ、そこに希望も見いだしているという。「現場は苦しいし大変。でも苦しいと言いながらも、みんなで作りあげて、できあがった時の喜びは本当にお金では買えません。こうやって皆さんにお届けして、皆さんのお顔を拝見させていただけるということ、これ以上の喜びはありません」と語る紀里谷監督だったが、その思いがあふれたのか、言葉に詰まり、その瞳にはみるみるうちに涙が浮かびあがる。その姿を目の当たりにした会場内からの万雷の拍手が鳴り響く中、紀里谷監督は「本当に幸せでした。ありがとうございます」と振り絞るように感謝の思いを述べた。
「世界の終わりから」は4月7日から公開。
(C)2023 KIRIYA PICTURES
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