第1回新潟国際アニメーション映画祭 技術スタッフ、企業、スタジオに贈る「大川=蕗谷賞」を発表
2023年2月17日 11:00
長編アニメーション映画のアジア最大の祭典として、3月17日から新潟市で開催される第1回新潟国際アニメーション映画祭が、アニメーションの技術職のスタッフ、企業、スタジオを選出し、その業績を映画祭で顕彰する「大川=蕗谷賞」の受賞者を発表。「犬王」「漁港の肉子ちゃん」「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」「THE FIRST SLAM DUNK」「劇場版 呪術廻戦 0」スタッフらに贈られる。
本映画祭は、世界15カ国からエントリー、10本の作品が参加するコンペ部門のほか、招待作品を上映するイベント、近年の観るべき作品を集めた世界の潮流、作家・ムーブメントの再評価をするレトロスペクティブ、オールナイト上映など会期中約50本を紹介。世界のアニメーション映画と監督、作り手が新潟に集結する。押井守監督が第1回のコンペ部門審査委員長を務め、現段階で押井監督のほか、りんたろう監督、永野護監督、片渕須直監督、磯光雄監督、人気声優の川村万梨阿などの来場が決定。この後も国内外から上映作品に関連したゲストの来場が予定されている。
「大川=蕗谷賞」は、第2次大戦後の日本のアニメーション文化の立上げに大きな役割を果たした、新潟出身でもある大川博と蕗谷虹児、2人の名を冠したもので、若手を含むスタッフの直近の成果、また制作現場の幅広い職種での活躍にスポットを当て、作り手を顕彰することで、アニメーションの文化の発展、振興への貢献を目指す。
授賞式は3月17日映画祭開会式で行われる。受賞作は3月18日~21日までT・ジョイ新潟万代で、連日18時から日替わりで全作品を上映。(※「THE FIRST SLAM DUNK」は、通常興行)。前売り券は2月17日正午より発売。
長年にわたり、アニメーション映画の美術に欠かせない存在であった木村真二さんが、「漁港の肉子ちゃん」でまた素晴らしい仕事を残しました。作品の舞台になった東北地方の漁港を、物語に相応しい繊細さと情感で表現しました。まさに日本のアニメーション技術の極みといえるものです。
近年、アニメーション制作における撮影の役割が以前より大きくなったと指摘されます。完成したアニメーションの絵に撮影の技が最後に加わることで、作品はさらに輝きを増します。寺尾優一さんはそんな撮影の素晴らしさを、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」を通じて示し、同時にその技は作品の魅力の大きな部分を担っています。
「漫画の絵がそのまま動き出したようなアニメーションを実現したい」、多くの漫画家が夢見る映像を、原作者・井上雄彦と共に最新のCGアニメーションで実現。誰も観たことがない、こんなことが出来るのか、驚きの連続でした。卓越した技術で実現した「THE FIRST SLAM DUNK」の映像は、CG アニメーションの新しい時代を切り拓くことになるはずです。
現代の若者の心を掴み空前の大ヒットになった「劇場版 呪術廻戦 0」。これはアニメーション制作を担当したMAPPAが設立から12年の若いスタジオであることも無関係ではないはずです。「チェンソーマン」、「ユーリ!!! on ICE」など話題作を次々に生み出す MAPPA は、新しい時代を捉える未来のアニメスタジオなのです。
井上伸一郎フェスティバルディレクターは「記念すべき第1回の大川=蕗谷賞を受賞した皆様、まことにおめでとうございます。大川=蕗谷賞は、功労賞的なものではなく、いま現在ご活躍めざましい個人のクリエイターと、制作スタジオ・制作会社を対象にしています。2022年、10億円を超える興行成績をあげた邦画作品のうち、アニメーション映画が占める割合は実に70%を超えています。大川=蕗谷賞の設立により、こうしたアニメーション映画の発展を支える現場の皆様を少しでも勇気付けることができましたら、映画祭実行委員会一同、恭悦の至りです」と賛辞を寄せている。
第1回新潟国際アニメーション映画祭詳細は公式サイト(https://niigata-iaff.net/)で告知する。