京マチ子の官能作、市川雷蔵の時代劇シリーズなど、今すぐ見られる映画4選
2023年1月27日 17:00

「大映映画祭」(https://cinema.eiga.com/daiei-80/)が1月20日から2月19日まで、オンライン配信プラットフォーム「シネマ映画.com」で開催されている。ラインナップ12作品をピックアップし、映画.comの編集部&スタッフがそれぞれの視点から配信作品の見どころなどを紹介する。(全3回)

1942年の創立から約30年間で1500本もの作品を世に送り出した映画会社大映。その創立80周年記念企画「大映4K映画祭」と連動する「大映映画祭」は、映画.comがセレクトした京マチ子、市川雷蔵、若尾文子、山本富士子、勝新太郎という大映スターの主演作と“Road to Master Pieces”の各2本、大映の魅力あふれる旧作12本を配信している。
▼見どころ 飛松優歩
日本映画界の名優たちが共演し、ひとつの殺人から、列車強盗、密輸団の暗躍、甘く切ない恋模様などがてんこ盛りでつながっていきます。ひとつひとつの証拠品を吟味する「科捜研の女」的な捜査や、志村喬さん演じる藤本主任が、足で捜査することの重要性を説く「はぐれ刑事純情派」的な熱いドラマ、意外なところに共犯者がいる驚きの展開に、最後まで目が離せません。刑事物でありながら、京マチ子さんの艶やかなダンスシーンもたっぷり収録されており、一見の価値ありです。

▼見どころ 飛松優歩
谷崎潤一郎による原作は、夫婦が互いに盗み読まれる前提で書いた日記形式で、物語が進んでいきます。市川崑監督による映画版では、日記の要素は終盤に出てくるだけで、原作を大胆に脚色。滅びゆく肉体とは裏腹に、高まっていく性への欲望を見つめる谷崎の耽美的な世界が、よりミステリアスなタッチで描かれ、衝撃の結末へと突き進んでいきます。

▼見どころ 和田隆
市川雷蔵の顔、立ち居振る舞い、台詞回し、剣術、殺陣とすべてが美しく、大映の二枚看板スター、カツライス(勝新太郎と市川雷蔵)と称されたことが製作から60年経ってもよくわかります。雷蔵演じる千葉周作は、江戸時代後期の武士で剣術家であり、漫画「赤胴鈴ノ助」のモデルにもなった人物。剣一筋のため、非情さと冷たい印象を与えながら、人を惹きつける魅力があり、剣を極めるにつれて次第に人間として悟りを開いていく様は雷蔵の美しさがあってこそ説得力を持つ。

▼見どころ 和田隆
「剣に賭ける」とともに見れば、市川雷蔵にハマること間違いなし。雷蔵の当たり役と言われた眠狂四郎のキャラクターと同化してみることができるでしょう。ニヒルな剣士の系譜と、原作者である柴田錬三郎の作風を貫くダンディズムが融合。江戸時代に拷問や迫害によって棄教したキリシタン(転びバテレン)と日本人の混血という生い立ちが影を落とす虚無感と、おせっかいな人情がありながら、平気で人を斬り捨てる非情さを併せ持っていることも魅力になっています。剣で円を描く有名な「円月殺法」という剣術は必見。いま見ても色あせることはなく、日本にも映画スターが存在したこと、大映映画の勢いと、当時の人々が熱狂しシリーズ化された理由が良くわかる時代劇の名作の一本です。

鑑賞料金は1本330円だが、それぞれまとめ購入がお得で、2本で660円のところ550円で購入視聴できる。「地下街の弾痕」と「剣に賭ける」はオンライン初配信。また、購入者の中から抽選で、市川雷蔵主演「大菩薩峠(1960)」復刻版ポスター(半裁サイズ/非売品)が30名、若尾文子主演「赤い天使」4Kデジタル修復版ブルーレイが3名の合計33名にプレゼントが当たる。※作品を視聴するには「シネマ映画.com」の会員登録が必要。
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