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【「非常宣言」評論】テーマの衝撃より、迫真攻めな作調に韓国パニック映画の獰猛さを見る!

2023年1月7日 18:00

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画像1(C)2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.

アジアはおろか世界を見渡しても先例のない、ウイルス感染による飛行機の非常事態を描いた韓国パニック映画……などと得意げに吹聴してみたが、先行作に「パンデミック・フライト」(2005)なる直球邦題な英国テレビムービーが存在するので誇張もほどほどにしたい。だが実際に作品にあたれば、こうした勇み足もやむなしと思ってもらえるのでは? それくらい、今回の映画は同ジャンルになかった新規性を放っている。

仁川空港から発着する旅客機に、テロ攻撃をしかける--。ベテラン刑事のインホ(ソン・ガンホ)は、この不吉な予告動画の出所を追い、発信者が微生物学の研究員であることを突き止める。だが時すでに遅く、ハワイ行きのジャンボ機に当該人物の搭乗が確認され、そして同便では他の乗客や添乗員、そして機長までもが次々とウイルス感染の影響で倒れていく。

機内での生化学テロという未曾有の危機に遭遇し、布告される“非常宣言”。しかし自国への感染拡大を恐れ、あらゆる国が緊急着陸を拒否し、事態は最悪の方向へと動いていく。そんな設定のもと、本作は警察や国家首脳、乗客らそれぞれの視点を並置させ、状況の推移を俯瞰的に淡々と捉えていくのだ。その様相はアルカイダのテロリストによるハイジャック事件を、ドキュメンタリー仕立ての再現ドラマにした「ユナイテッド93」(06)と似たテイストを共有している。それでなくともコロナ禍のおり、作品は寒気を覚えるほどの現実感を併せ持つ。

いっぽうでキャストはガンホを筆頭に、テロの標的機に乗り合わせた元パイロット役にイ・ビョンホン、政治的な立場から事件に迫る国土交通省大臣にチョン・ドヨンが扮するなど、オールスターを常道とするパニック映画の伝統を受け継いではいる。しかしここでのキャスティングは、あくまで演技達者なベテランを配することによる「リアリティ重視」の趣意が強く、先の迫真攻めな作調の補強に他ならない。やや加虐性をエスカレートさせた泣かせの演出で、ハッと我に返る瞬間が幾度かあるも、この全編にわたり映画を支配する異様なまでの緊張は観客を、スクリーンを見つめる第三者から、機内で得体の知れないウイルスにおびえる当事者にさせるのだ。さすがにそこまでは、パイセン格の「パンデミック・フライト」とて未踏の域だろう。

(尾崎一男)

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