グッチーズ・フリースクールの現代未公開映画特集、Strangerで12月10日開催! 次世代監督の3作品を上映
2022年11月19日 19:00
日本未公開の名作、世界の話題作を精力的に紹介し続け、多くの映画ファンから注目を集めるグッチーズ・フリースクールが主催する1日限りの上映会「Gucchi's Free School×DVD&動画配信でーた 現代未公開映画特集! with Stranger」(予告編:https://youtu.be/DT177-Gm2xA)が、12月10日に開催されることが決定した。
本上映は、映画エンターテインメント雑誌「DVD&動画配信でーた」と連動した企画。グッチーズ・フリースクールが同雑誌内に持つ連載「トレジャー・ハンタークラブ」で紹介し「文章での紹介ではあまりにも勿体無い」と上映にこじつけた作品が集まった。上映を行うのは、墨田区・菊川のカフェ併設型ミニシアター「Stranger」。独自買付による先鋭的なプログラムで映画ファンの心を掴んでいる同映画館だからこその挑戦的な上映イベントが実現した。
上映会は「リングワ・フランカ」(2019年、アメリカ/フィリピン)、「セブンティーン」(2017年、オーストリア)、「ストレンジ・リトル・キャット」(2013年、ドイツ)の3作品をラインナップ。チケット料金は、1500円均一。
上映作品の詳細は、以下の通り。
出演:イザベル・サンドバル、イーモン・ファレン、リン・コーエン
主人公のオリビアは、アメリカの永住権を手に入れるために、ある男性との結婚を予定しているフィリピン系移民。しかし彼女はトランス女性であり、パスポート上の名前も性別も異なるため、結婚や永住権獲得には一層の困難がつきまとう。ある日、彼女が住み込みで介護をしているロシア系の老婆オルガの元に孫のアレックスが帰ってくる。彼女とアレックスは次第に親密になっていく。トランプ政権下の移民政策が移民の人々の生活に不穏な影を落としている現代アメリカを背景に、一人のトランス女性の願いや苦しみを丁寧に映し出していく。
監督兼主演のイザベル・サンドバルもまたオリビアと同じくフィリピン系アメリカ人で、トランス女性であり、本作で高い評価を得た後、ファッション・ブランド「miu miu」の短編企画の監督に起用されたり、アンドリュー・ガーフィルド主演のベストセラー小説のドラマ化「アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実」の監督に抜擢されるなど、活躍の場を広げている。
出演:エリザベス・ワビシュ、マグダレーナ・ワビシュ
オーストラリアの田舎の寄宿学校で夏を待ち焦がれている17歳のパウラは、高校最後の日々をなんとなくやり過ごしている。彼女は同性愛者で、同級生のシャルロッテに恋をしているが、シャルロッテにはミカエルという彼氏がいる。パウラは恋心を紛らわすために友達のティムと親しくしているが、ティムはパウラに恋心を抱いていた。実は、シャルロッテはパウラに惹かれているが、パウラはそのことを知らない。次第に距離が縮まるパウラとシャルロッテ。ついにシャルロッテはミカエルと別れるのだが、常に人目を引きたいリリは、パウラを弄ぶように誘惑 する。そのことをシャルロッテは知ってしまい、寄宿学校を抜け出してしまう。
90年代のオーストリアで育った若手監督であるモニヤ・アルトもまた、本作の登場人物たちと同じく同性に惹かれ、それを自然なものと感じていたという。本作はそういった欲望や期待と厳しい現実との対峙を真摯に描いている。アルト監督は、本作でマックス・オフュルス賞を受賞している。
ベルリンのとある一家のもとに、おばあさんを囲んでディナーをするために親戚が集まってくる。母親はディナー の準備をし、子どもたちは遊びまわる。家族の晩餐を準備するごく普通の土曜日の風景だが、どこか奇妙さをはらんだものとして映し出される。ある家庭の親密さ、そして、それでいて他者には理解し得ない個人の断片を描き、ごく普通の生活の中にある個人の謎や神秘性を捉えていく。
1982年スイス生まれのラモン・チュルヒャー監督は映画監督を志し、ドイツの映画テレビ・アカデミーで学ぶ。本作で長編デビューを果たしたあと、続く2作目「ガール・アンド・スパイダー」で第71回ベルリン国際映画祭「ENCOUNTERS」部門で監督賞を受賞。現代でもっとも注目を集める映画監督の一人となる。
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