地上波ニュースでは伝えきれない熱がある TBS報道部門がドキュメンタリー映画を作る理由
2022年11月13日 14:00
TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画の新ブランド「TBS DOCS」の6作品を配信する「TBS DOCS ニュースの真実に迫る映画祭」が、話題の映画を月会費なしで鑑賞できるVODサービス、シネマ映画.comで開催中だ。今回は主に日本の社会、政治にかかわるラインナップで、報道に強いTBSらしい見ごたえある作品群だ。このほど、大久保竜プロデューサーに話を聞いた。
「石破茂・嫌われた正論 10人の証言」「完黙 中村喜四郎 逮捕と選挙」「池袋母子死亡事故 『約束』から3年」など、現職の政治家のリアルな姿、痛ましい事件の裏側の出来事など、地上波のニュースでは報じられない、見ることのできないテーマをじっくりと深掘りする。
「普段は速報ニュースを伝えている記者達が企画・監督する作品が集まっていることが特徴です。普段の地上波ニュースでは伝えきれない、記者の想いをより丁寧に時間をかけて、より深く伝えるべく、映画にした作品が揃いました」
現職のTBSの報道部門が主体となってドキュメンタリー映画を手掛けており「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯」など、近年のヒットも記憶に新しい。制作過程での気づきをこう明かす。
「まだまだ様々なチャレンジ段階ではありますが、ソーシャルインパクトの高い意義深い作品作りを心がけています。ドキュメンタリーを制作していくと、『世の中の不条理』と人知れず闘っている人がいらしたり、そこに寄り添う人がいたり、取材し続けている記者は人生のハードな局面を目の当たりにすることが多くあります。そんな中におきまして、“何故、今、この作品を発信するのか?”監督や制作チーム内で常に話しながら、意義を共有した上で具現化を進めております」
これまでに劇場でリアルな映画祭も実施し、観客からはテレビ番組との感想や反響とは異なるリアクションに手ごたえを感じているそう。
「様々なご意見を頂きました。『以前テレビで観たことはあったけれど、けっこう深いところまで実際には取材されていたんですね!』というご感想が多かったです。映画ですと、より丁寧に時間をかけて伝えることができるので、感想も長文で深いものが寄せられることもあります。その都度、監督とも共有しています」
1作鑑賞すると、また別の作品も観たくなるような、バラエティ豊かなタイトル、テーマも強みの一つ。取材力以外でドキュメンタリーディレクターが求められる能力について尋ねると、「『どうしても伝えたいことがあって……』『今、伝えなくてはいけないのです』という熱量がとにかくパンパなく強い人というのが第一条件」だそう。「構成、編集手法、などについては、プロデューサーやほかのスタッフがアシストできますが、熱量だけは本人次第だと思います」と数々の作品を生み出してきたプロデューサーの立場から断言する。
配信プラットフォームで、これまでの作品群をまとめて紹介することは、今回初の試みだ。「映画好きが多く集まるプラットフォームですので普段あまりドキュメンタリー映画をご覧にならない方々にもご興味を持っていただける可能性が大きいことです。まずは、少しでも多くの方々にTBS DOCSのドキュメンタリー映画を知ってほしいです」と、TBSドキュメンタリーの面白さ、そして作り手の熱意が多くの映画ファンに届くことに、期待を込めた。
一見敷居が高そうに見える硬派なテーマも、カメラが捉えるのはリアルな“人”。試しに1本でも、鑑賞してみればドラマ以上にドラマチックなそれぞれの人間模様に心を揺さぶられることは間違いないだろう。「TBS DOCS ニュースの真実に迫る映画祭」は、11月30日まで開催。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
【推しの子】 The Final Act NEW
【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!
提供:東映
物語が超・面白い! NEW
大物マフィアが左遷され、独自に犯罪組織を設立…どうなる!? 年末年始にオススメ“大絶品”
提供:Paramount+
外道の歌 NEW
強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…地上波では絶対に流せない“狂刺激作”【鑑賞は自己責任で】
提供:DMM TV
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作 NEW
【伝説的一作】ファン大歓喜、大興奮、大満足――あれもこれも登場し、感動すら覚える極上体験
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
映画.com編集部もドハマリ中
【人生の楽しみが一個、増えた】半端ない中毒性と自由度の“尖った映画”…期間限定で公開中
提供:ローソンエンタテインメント
【衝撃】映画を500円で観る“裏ワザ”
【知って得する】「2000円は高い」というあなただけに…“超安くなる裏ワザ”こっそり教えます
提供:KDDI
モアナと伝説の海2
【モアナが歴代No.1の人が観てきた】神曲揃いで超刺さった!!超オススメだからぜひ、ぜひ観て!!
提供:ディズニー
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。