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横浜流星、原作者からの賛辞に笑顔 清原果耶も大阪凱旋に「帰ってこられて嬉しい」

2022年10月25日 13:00

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横浜流星と原作者の砥上裕將氏
横浜流星と原作者の砥上裕將氏
(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

横浜流星が主演した小泉徳宏監督の最新作「線は、僕を描く」の公開記念舞台挨拶が10月24日、大阪と福岡で行われた。大阪会場には横浜、清原果耶小泉徳宏監督が登壇し、福岡には横浜と小泉監督に加え原作者の砥上裕將氏が花束を持って登場し、水墨画について熱いトークを繰り広げた。

砥上氏による原作は、2020年に本屋大賞3位、19年にTBS「王様のブランチ」のBOOK大賞を受賞した青春芸術小説。大学生の青山霜介は、アルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。白と黒だけで表現された水墨画が、霜介の前に色鮮やかに拡がる。水墨画の巨匠・篠田湖山に声をかけられた霜介は、湖山のもとで水墨画を学び始学び始め、戸惑いながらもその世界に魅了されていく。横浜が主人公の霜介役、清原が霜介にライバル心を抱くようになる篠田千瑛役を演じた。

画像2(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

大阪では、映画を見終わった観客から拍手で迎えられた横浜が、「こうやってコロナ禍が少し落ち着いて、大阪で舞台挨拶が出来て本当に嬉しい」と挨拶。大阪出身で凱旋舞台挨拶となった清原も、「まさか大阪で舞台挨拶が出来るとは思っていなかったので、皆さんに会えて嬉しく思っています」と感慨深げに語った。

画像3(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会
画像4(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

印象に残っているシーンについて横浜は、映画の冒頭の「最初の湖山先生の揮毫会」をあげ、「多賀大社で撮影をして、三浦さんの水墨画の筆さばきを目にして、心を掴まれました」と振り返った。清原はお気に入りのシーンを「霜介が湖山先生にお弁当をもらうところ」だと明かし、「湖山先生が本当に優しいなという気持ちと、霜介はもりもり食べられて良かったなという気持ちで、心がほっこりと温かくなりました」と明かす。

小泉監督は「途中で江口さん演じる西濱と霜介が地元の食べ物を収穫したりもらいに行ったりするところ」をあげ、「どちらも滋賀県で撮影したのですが、実は地元の農家さんや漁師さんにご出演頂いたんです」と裏話を披露。横浜も「ニワトリ小屋のシーンでは、おばあちゃんにおにぎりをもらいました」と温かな交流を振り返った。

画像5(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

4作連続で滋賀県で撮影を敢行した小泉監督。滋賀について聞かれると「何にも染まっていない少年ような感じ」と語り、「特定のイメージで固まっていないので、日本のどの地域にでもなれるんです。撮影をする側からしてみると、とても助かります」と映画監督の目線で魅力を語った。横浜は「撮影中はご飯を食べに行くくらいしか出来なかったのですが、近江牛が美味しかった」と話し、清原は「この映画館(TOHOシネマズ梅田)はよく学生時代も来ていたので、またこうやって帰ってこられたのは嬉しい」と笑顔を見せた。

観客から印象的なNGシーンを問われると、小泉監督は「NG連発というところはなかった」と語り、「水墨画を描くシーンは一発勝負だったので、NGが出せないという緊張感のなか、撮影しましたね」と振り返った。「演じる前後で水墨画に対するイメージはどう変わったか?」という質問には、横浜は「最初は自分からは遠い存在のものだと思っていて、水墨画に対する知識が全くない中だったので、どのように描かれているんだろうと不思議に思っていました」と回想。「実際にやってみると、とても難しいんですけど、楽しくて。その時の感情が線に出るし、失敗もないので自由に描けるんです。でも自由に描ける分、また壁にぶつかったりとか、とても奥深かった」「自分と向き合うことも出来る水墨画を大好きになりました」と熱く語った。

清原も「練習期間を設けて頂けるとはいえ、私の役(千瑛)は初めから水墨画が上手くないといけない役だったので、大丈夫かな……と思って練習を始めました」と当時の心境を明かす。「東雲先生が『間違いはないんだよ』という言葉をずっとかけてくださって、失敗がないんだなと思うととても気が楽になって、そこからどんどん水墨画に楽しく向き合えた」と、水墨画監修を務めた小林東雲氏とのエピソードを披露した。

画像6(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

福岡の会場には、原作者で現地出身の砥上氏が花束をもって登場。映画の感想を聞かれた砥上氏は、「本当に言葉にならないくらい素晴らしいなと思いました。『観ればわかる』という感じ」と、劇中のセリフを引用して絶賛。横浜は「生みの親からそう言っていただけるのは嬉しい」と喜び、小泉監督も安堵の表情を浮かべた。

画像7(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会
画像8(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

映画化のオファーが来た時の心境を聞かれた砥上氏は、「『本当にやるの……?』という気持ちでした」と率直なコメント。小泉監督は砥上氏に水墨画の手ほどきを受けた経験が、横浜と清原が二人で筆を持つシーンが生まれるきっかけになったと明かした。横浜にも直接手ほどきしたという砥上氏は、「しっかりした手で、指先まで力がしっかりと伝わっている良い手でした」と評した。

観客から撮影中大変だったことを聞かれた横浜は、「やはり水墨画のシーン」と答え、「霜介の部屋で一心不乱に水墨画を描いているシーンは、集中力を使いすぎて段々意識が遠のいていきそうになりました」と振り返った。そして、「監督の編集の力もあって、とても素敵なシーンになったので、感謝しています」と小泉監督に謝意を伝えた。

画像9(C)砥上裕將/講談社 (C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

海外での上映に関して、横浜は「つい最近パリに行ったのですが、パリの映画館でこの作品を上映してくれたら嬉しい」とコメント。小泉監督も「劇中でもフランスの大臣が登場しているのですが、実はフランスは水墨画に興味がある方が多い国なんです」と話し、「もしフランスで上映されるような機会があれば嬉しい。中国やアジア全域でも見て頂けたら」と意欲を見せた。

イベントの最後、劇中の湖山先生のセリフにちなんで生きる活力を聞かれた横浜は、「携わってくれている方々や応援してくれてる皆さんの力のお陰」と答え、「僕らの仕事は地味な作業なのですが、皆さんやチームのお陰で救われて、最後までやり切れているので、いつもありがとうございます」と感謝を伝えた。

線は、僕を描く」は全国で公開中。

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