映画「翔んで埼玉」GACKTは出演を「即答で断った」!? 自虐と爆笑の面白ネタまとめ
2022年10月1日 18:00

2019年に公開され、社会現象級の大ヒットを記録した「翔んで埼玉」が、2022年10月1日午後9時のフジテレビ系「土曜プレミアム」で放送されます。
本作の取材、記事掲載を数多く実施してきた映画.comでは、放送にあわせて“公開前後の面白トピック”をまとめてみました。GACKTや二階堂ふみらキャストの出演オファーへの反応や、“そこらへんの草”味のポップコーン、そして続編「翔んで埼玉II」の製作決定などなど……。
本編がもっと楽しくなるかもしれないし、別に楽しくならないかもしれないトリビア・小ネタ・豆知識を10個、ぜひご覧あれ。

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「パタリロ!」で知られる漫画家の魔夜峰央氏による同名マンガを実写映画化。埼玉県をとことんディスり、愛でる描写が話題を呼び、観客動員・興行収入、映画賞など大きな成功を収めた。
二階堂ふみが男性である壇ノ浦百美役、GACKTが高校生の麻実麗役を演じるなど、キャスティングでも大きな話題に。監督は「のだめカンタービレ」シリーズ、「テルマエ・ロマエ」シリーズの武内英樹が務めている。

「翔んで埼玉」が実写映画化する。2018年4月9日、業界を震撼させるニュースが駆け巡りました。
そして同年8月17日、ティザービジュアルと特報映像がお披露目。ビジュアルでは「埼玉の皆様、映画化してゴメンなさい。」「どうか寛大な心で、劇場に」などの文言とともに、二階堂ふみ&GACKTが頭を下げる模様が描かれていました。
「まず謝罪から入る」という、初めて見るタイプの宣伝。映画.com編集部にも衝撃が走った瞬間でした。

ティザービジュアルに続いて、キャラクタービジュアルも披露。「翔んで埼玉」の世界観が実写ではどう表現されているかに大きな注目が集まりましたが……ひと目で「あ、本気だこれ」とわかる“笑劇”の仕上がりでした。
何よりも、魔夜ワールドを地でいくようなこの濃さ! さらに「埼玉県人にはそこら辺の草でも食わせておけ!」「ダさいたま、くさいたま、田舎くさいたま、古くさいたま、アホくさいたま」「ようこそ。おもしろ半島ちばへ」「これは…埼玉特有の熱病、サイタマラリヤ!」など、それぞれのキャラが発した刺激的なセリフが、キャッチコピーとして採用されていることもポイントです。

さまざまな角度から面白ニュースを届けてくれた「翔んで埼玉」ですが、フードメニューもすごかった。
映画館「MOVIX」とコラボレーションし、ポップコーンを開発。すごいのはその味で、なんと“そこらへんの草”! 劇中の名セリフ「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」にちなんだ珍商品です。
ちなみに、本当に草の味がするわけではなく、埼玉とは縁が深くもなく浅くもないタイ料理、グリーンカレーの風味を採用。「意外とうまい」と評判で、売れ行きも良かったそうです。

映画が完成し、2019年1月28日にジャパンプレミアイベントが開催。舞台挨拶では豪華キャストが一堂に会し、製作秘話などを明かしました。
なかでも注目されたのは、高校生役を演じたGACKTの「オファーを受けたときの感想」。オファーが来た瞬間に「即答で断った。『特殊な高校生でして』と言われ、どんな高校生だよ、と思った」と告白し、会場を爆笑に包み込みました。「しかも撮影初日が、二階堂さんとのキスシーンからで、『なんて工程だ』と思った」とも。
ちなみに映画.comのインタビューでは、GACKTは作品への感想も明かしてくれました。「映画を見ながら『なんてくだらないんだ』と何度も思い、自分も心から笑った」「人は誰でも心のなかに優越感や劣等感を持っている。これは特定の人の話ではなく、それぞれの人たちが住んでいるエリアでも当てはまる話。だからこそ、『くだらない』と笑いながら見てほしい」とのこと。
二階堂も「(本作を観ていて)意図していないところで共感が生まれることもある。自分のアイデンティティや劣等感、自尊心などをかきたてられる、エンタテインメント作品に仕上がった」と自信のほどを語っていました。

ジャパンプレミアイベントでは、GACKTと、初共演となった京本政樹のエピソードも話題に。
GACKT「京本さんのメイクさんとは僕も昔から交流があって。京本さんの話はずっと聞いていたので、お会いするのが楽しみだった」。
そして、2人が対面するのに15年かかったそう。GACKTいわく「僕が京本さんの楽屋にご挨拶に行くと、京本さんが『やっと会えたね~。やっと会えたよ。だってさ、僕たち同じジャンルじゃん!』って(笑)。そこで思わず、言ってしまった。『同じですか!?』」。

公開直前のイベントもいろいろと企画され、2019年2月7日には主演の二階堂ふみ、共演のブラザートム、武内英樹監督が埼玉県庁を訪問。上田清司知事(当時)と対面を果たしました。
訪問の目的は、まさかの“謝罪”。劇中で埼玉を徹底的に卑下する表現が多々登場することから、怒られる前に謝っちまおう、という魂胆でした。武内監督の「映画化して、すみません」との声に合わせ、二階堂ら3人は深く頭を下げていました。
謝罪を受けた上田氏のコメント「(この映画に)抗議しろ、という声もあったけれど、悪名は無名に勝る。最後は褒められているらしいから、楽しみにしたい」

そして映画化発表から約10カ月。2019年2月22日、ついに全国公開の日を迎えました。公開初週の3日間で興行収入3億3094万9400円、観客動員24万7968人を記録。数々の競合作品を抑え、週末映画ランキングで第1位を獲得しました!
動員・興収だけでなく、観客の評価も好調でした。SNS上では「最高の茶番劇」「最初から、最後のエンドロールまでずっと笑いっぱなし」などの声が上がっており、満足度も高かったことがうかがい知れます。
特に舞台となった埼玉県内では、驚異的な興行成績を記録。初週の都道府県興行収入シェアにおいて、東京を抑えてなんと埼玉が全国1位! 劇場公開が終わるころには、埼玉が興収シェアの23%以上を占めるという“とんでもないこと”に。県民が熱狂的すぎる。
さらに、なぜかMOVIXさいたまが“聖地”として祀り上げられ、連日にわたって大盛況。ピーク時には1日あたり3000席(500席×6回上映)を販売するも、即完売し劇場はパンパンという異常事態となっていました。

映画公開後の2019年3月5日、大ヒット御礼舞台挨拶が開催。二階堂ふみをはじめ共演したブラザートム、島崎遥香、メガホンをとった武内英樹監督が登壇し、ヒットの感想を語りました。
二階堂は「まさかこの映画がヒットするとは……嘘みたい」と本音を漏らし、埼玉出身の島崎も「(私が)生きている中で、これだけ埼玉がヒットすることはもうないと思うので、本当に嬉しく思います」と同調するなど、驚きと喜びが入り混じった複雑?な胸中を吐露していました。
また、同年4月19日の応援上映イベントでは、武内監督が公開初日の裏話を披露。「苦情がなかったのが不思議」と笑いつつ、「(クレーム用の)Q&Aも作っていたんですよ。こう言われたら、こう返すというもの。公開初日、皆で電話の前で待っていたんですが全然かかってこない」と明かしていました。

観客は楽しませたけど、映画賞ではあんまり……というのが、娯楽作にありがちなパターン。ですが「翔んで埼玉」には当てはまらず。第43回日本アカデミー賞では、なんと最多となる12部門の“優秀賞”を受賞したのです。
そして公開から約1年が経過した2020年3月6日、第43回日本アカデミー賞の“最優秀賞”が発表。「翔んで埼玉」は以下の3部門で最優秀賞を獲得するという、またも予想を覆す大成功を収めました。
武内監督は、受賞スピーチで「とっちゃいけない作品が、とっちゃったという感じで……本当にどうしようかな」と、喜びよりも驚きが勝っていた様子。「とにかく、埼玉の733万5000人の県民の皆さん、映画を応援していただいて、温かく見守ってくださってありがとうございました!」と謝意を示し、スピーチを締めくくっていました。

最終的に興行収入は37.6億円を記録。10億円が大ヒットの目安ですので、その3.7倍となれば続編が企画されるのは至極当然の流れで、2021年8月11日、「翔んで埼玉II(仮)」の製作が発表されました。
プロデューサーの若松央樹氏「前作の公開中、埼玉の皆様から“もっとディスっても大丈夫!”、他県の皆様には“自分たちの地元もいじって欲しい!”といった熱い反響が多数寄せられ、続編の話が持ち上がった」
続編製作に対し、原作者の魔夜峰央氏はというと「改めて言うが、正気かおまえら」と、少々困惑気味の様子。主演を担うGACKTも「不安しかありません」とコメントを寄せていますが、一方で二階堂ふみは「真面目に不真面目な大人達が集まる現場にまた呼んでいただけて、とても光栄です」とポジティブな心境を強調していました。
現在、「翔んで埼玉II(仮)」は鋭意製作中。そこらへんの草でも食わせていただきながら、公開の日を待ちましょう!
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