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「アキラとあきら」。経済を扱った映画は日本でどれくらいヒットするのか?【コラム/細野真宏の試写室日記】

2022年8月25日 07:00

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「アキラとあきら」
「アキラとあきら」
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)


今週末8月26日(金)から「アキラとあきら」が公開されます。

日本では、本格的な経済関連の映画がヒットしにくい傾向があります。

例えば、2007年にNHKの連ドラとして作られた「ハゲタカ」は、ドラマとしては良く出来ていたと思います。

それこそ、日本の本格的な経済系のドラマとしてはベスト級と言っても良い出来でした。

そこで、映画化の流れにも期待をしていました。

2009年にNHKエンタープライズ、東宝が共同で幹事会社を務め、テレビドラマの続編として「ドラマの4年後が舞台」となる「ハゲタカ」が公開されました。

ところが、世の中では2008年にリーマン・ブラザーズというアメリカの大手投資銀行の破綻から始まった経済危機「リーマン・ショック」が起こり、当初、作られていた脚本と現実の様相が大きく乖離する事態が起こっていたのです。そこで、時流に合わせるべく大幅に脚本を書き直すことに。

この急きょの脚本の書き直しがあったからなのか展開に無理が生じて、個人的には映画「ハゲタカ」のクオリティーは下がったと感じています。結果的に興行収入8.3億円で終わっています。

日本では、「ハゲタカ」のようにダイナミックな経済を追う作品が少ないのは、やはり「経済は難しい」ということで、敬遠されている面も大きいかと思います。

「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

では、他国ではどうなのかというと、ハリウッドでは本格的な経済を扱う作品も少なからず登場しています。

中でも突出してクオリティーが高い作品に、第88回アカデミー賞で作品賞も含めて5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した2015年公開の「マネー・ショート 華麗なる大逆転」があります。

これは世界的にも大ヒットしましたが、日本では興行収入5.8億円という残念な結果でした。

内容が経済の面で難易度が高かったという点は否定できないですが、この作品は非常に精緻に経済が描かれた名作と言えます。

これらの実例が象徴しているように、残念ながら日本では本格的な経済を描いた映画のヒットが見込みにくい現実があるのです。

そんな中、日本では面白い現象が生まれています。

それは、連ドラの「半沢直樹」シリーズが高視聴率を獲得しているなど、金融機関に就職した経験のある池井戸潤の小説を原作とした経済系のドラマがヒットしているのです。

映画では、これまで2018年公開の「空飛ぶタイヤ」、2019年公開の「七つの会議」があり、それぞれ興行収入17.4億円、21.6億円とヒットしています。

「空飛ぶタイヤ」
「空飛ぶタイヤ」
(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会
「七つの会議」
「七つの会議」
(C)2019映画「七つの会議」製作委員会

個人的には「大銀行と中小企業の話」という、似たような複雑ではない作品が多い印象ですが、何にせよ経済系の映画がヒットしている点は評価に値します。

そして、WOWOWが「連続ドラマW」という枠で池井戸潤作品の映像化を多く手掛けていて、これまでに「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」「株価暴落」「アキラとあきら」などを連ドラ化しています。

その流れから、今回はWOWOW、東宝が共同で幹事会社を務め、60分ドラマで全9話だった「アキラとあきら」を128分で映画化することになったのです。

「アキラとあきら」
「アキラとあきら」
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会

今回の作品も「大銀行と中小企業の話」という仕組みがベースで、経済的な仕組みの難しさが少なかったのは評価できるのかもしれません。

メガホンをとったのは恋愛映画で定評のある三木孝浩監督。個人的には「このような作風の映画ではどうなるのか?」と興味を持っていましたが、独自色は見えにくいものの、順当な仕上がりでした。

物語全体としても、さほど奇をてらわない無難な作品になっていたと思います。

「アキラとあきら」
「アキラとあきら」
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会

ただ、強いて言うと、脚本がやや気になりました。

アキラとあきら」は原作本や、すでに映像化された作品があるため、ベースの部分では問題は生じないと想定していました。

ただ、なぜか表現で引っ掛かるシーンが少なからずあったのです。

これは、名言で構成しようと努力したのか、セリフを注意深く聞いていると、「えっ、どうしてその話からこの話になるの?」という感じで、最初と最後が噛み合っていない「論理が飛んでいるセリフ」が散見されていたことがありました。

果たして、それが気になる人がどれくらい出るのかは分かりませんが、経済の話を分かりやすくするには、ある程度、本作のように「雰囲気で進める」のも正解の1つなのかもしれません。

「アキラとあきら」
「アキラとあきら」
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会
「アキラとあきら」
「アキラとあきら」
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会

さて、肝心な興行収入ですが、これまでの池井戸潤の小説を原作とした経済系の映画の実績だと、興行収入20億円前後ということになるのでしょうか。

ただ、例えば映画「ハゲタカ」の時には時代と合っていましたが、本作においては「リーマン・ショック」が出てきたりと、少し時代と合っていないような雰囲気が気になりました。

そのため、興行収入10億円を目指す展開になるのではないかと思われます。

「アキラとあきら」
「アキラとあきら」
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会

ちなみに、メインキャストの竹内涼真横浜流星は想定通りでしたが、上白石萌歌については「こういう役柄もできるのか」と新鮮に感じました。

また、横浜流星の弟を演じた高橋海人は「King & Prince」の人気もあり、興行収入を押し上げる存在となるでしょう。

さらには、タイトルにかけて「紙兎ロペ」のキャラクターが「アキラ」ということで「紙兎ロペ」とタイアップしているのは宣伝戦略が上手いと感じました。この辺りのコラボがどれだけプラスに作用するのかにも注目したいと思います。

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