生田斗真、お風呂が題材の「湯道」に主演 小山薫堂が企画・脚本「風呂で人を幸せにする」
2022年8月5日 05:00
俳優の生田斗真が、お風呂を題材にした映画「湯道」に主演することがわかった。「おくりびと」の脚本や、ご当地キャラクター「くまモン」の生みの親として知られる小山薫堂が映画化を企画、さらに完全オリジナルの脚本を担当。「HERO」「マスカレード」シリーズを手掛ける鈴木雅之が監督を務め、生田のほか、濱田岳、橋本環奈が出演する。2023年2月23日に公開。
2015年より小山が提唱する「湯道」とは、日本人ならではの習慣として疑いようのない“入浴”を、伝統や精神を受け継がれていく“道”とし、茶道、華道、書道などと同様に、銭湯・温泉をはじめとしたお風呂やその湯に向かう心の姿勢について深く考えること(公式HP:yu-do.jp)。湯の道には歴史、伝統、そして“日本人の心”がある――そんなテーマをもとに「湯道」の家元である小山自身が映画化を企画。銭湯で働く人々、銭湯へ通う人々、湯に魅せられた人々と、お風呂を通じて交差する人間模様を描き出す。
生田が演じるのは、銭湯「まるきん温泉」を営む実家から飛び出すも、うだつが上がらず、実家に舞い戻ってきた三浦史朗。実家の銭湯を兄の替わりに亡き父から引き継いだ弟・悟朗から煙たがられつつも“お風呂”に魅入られていく。
史朗と犬猿の仲である弟・悟朗を濱田が演じ、生田とは「予告犯」(15)以来2度目の共演。まるきん温泉で働く看板娘・秋山いづみに橋本が扮し、ある事情を抱える“銭湯女子”をハツラツと演じている。
撮影は2021年11月上旬から12月下旬に行われ、舞台の中心となるまるきん温泉、そして銭湯に通じる街並みの巨大セットを京都の松竹撮影所内に制作。本物の銭湯さながら、190坪を越える広さで、番台・浴室・天井・ボイラー室、様々な所から壁を取り外して撮影が可能に。浴室に入れるお湯を担当する業者も呼び、実際に浴槽に湯を張るこだわりも。生田、濱田、橋本もこの銭湯のお湯に浸かって撮影を行った。
「湯道」は2023年2月23日に公開。生田、濱田、橋本、企画・脚本の小山、鈴木監督のコメント全文は以下の通り。
小山薫堂さんが書かれた脚本は「銭湯」への愛と日本文化に対するリスペクトの気持ちが溢れ、そこに愛おしさとバカバカさが絶妙にマッチしていました。
演じた三浦史朗は、仕事がうまくいかなくて、実家にカッコつけて戻ってきて、それがカッコ悪くて……という役柄です。でも、そういうもどかしさは自分自身にもあるし、誰しもが当てはまることだと思います。愛おしくて、憎めない史朗の空気感が伝わってくれたらいいなと思います。
「まるきん温泉」のセットは、 “撮影後も壊さないで、そのまま銭湯として営業したらいいんじゃないかな?!”と思うぐらいの感動的な完成度!映画の街・京都にこんなに立派なセットを立てて、皆で寝泊まりして、じっくり撮影するのは久しぶりだったので、“映画作りをしているな!”と久しぶりに嬉しくなりました。
共演のがっくん(濱田岳)と環奈ちゃん(橋本環奈)とは、撮影以外の時間でも自然と三人が固まっていて、可愛い弟と妹に挟まれているようでとても幸せでした。そんな三人のトライアングルが、どんな化学反応を起こすのかは楽しみにしていて下さい。
今作は銭湯が舞台なので、ある意味、心も裸の付き合いができたというか、お風呂を通じて、キャストやスタッフの方々といつもよりも近くなれた感じがしました。誰しもが日々汚れを落とし、疲れを取るお風呂。この映画をご覧いただいて、自分と改めて向き合い、日々の生き方を大切にしてほしいと思います。是非、公開を楽しみに!
最初、「湯道」と聞いて、“ん?何の話??”と思いましたが、生きる道が違う人達が、お湯を通して心が繋がっていく、とっても温かいお話だなと思いました。
斗真さん(生田斗真)とは久々の共演。変わらず優しいお兄ちゃんで、演技は勿論、現場での振る舞いやスタッフさんへの気配りも素晴らしい。やっぱりこういう方が、主演をされるんだなと、改めて思わせてくれました。橋本さんとは初めましてでしたが、愛らしさも持ちつつ、とても気持ちの良い方でした。台詞の掛け合いも、空気を汲み取り合うことができるお二方だったので、本当に僕にとって、何一つストレスのない現場でした。
「まるきん温泉」のセットを初めてみた時は、“これはとんでもない作品に出演することになったな!”と、興奮しました。通いなれた松竹撮影所にこんな立派な街(セット)ができて、そこで遊べたのは、一俳優としてすごく幸せな時間だったと思います。
今作は、日常のお風呂を題材にした映画なのですが、皆さんに、“たかがお風呂、されどお風呂!”と思ってもらえる体験をしてもらえる作品になるんじゃないかと思います。
お休みができたら必ず温泉や足湯に行くぐらいお風呂が大好きなので、この作品が決まって嬉しかったです(笑)
私の演じたいづみは、史朗や悟朗のような兄弟でも常連客でもありませんが、皆さんとは違った立場でお風呂屋さんの番台に座っている、明るく愛嬌がありとっても素敵なキャラクターです。
斗真さん(生田斗真)と濱田さんとの一緒の撮影が多かったのですが、傍観者であるシーンもあれば、間を割って入っていく時もあり、お二人のお芝居に圧倒されたり、引っ張っていただきながら演じました。控室では笑いも絶えなくて、家族感が強かったですね。鈴木監督もスタッフの皆さんも素敵な方々ばかり。京都での長期撮影だったので、一緒に食事をして、撮影以外でも仲良くしていただきました。
“湯道”という面白いテーマの元、小山薫堂さんの素敵な脚本でお芝居ができ、私自身とても楽しく参加させていただきました。映画を観ていただく皆さんにそんな雰囲気が伝わればいいなと思いますし、この映画を観て帰り銭湯に寄っていこう!と思ってもらえると嬉しいです。
日本人特有の入浴行為は、一つの文化としてきっと世界に発信できる…そう信じて2015年に湯道を立ち上げました。その拠点は、京都の名刹、大徳寺の真珠庵。「湯道は作法にあらず、湯に向かう姿勢なり」を信条として、大真面目に湯道の発展を考えてきました。風呂には不思議な力があります。人と人をつなぐ力。他者を慮る心を育む力。ひいてはそれが人の優しさになります。そんな湯道の価値を映画にして伝えたいと思いました。ミニシアター向けの泣ける小作にするつもり…が、気付けばこんな豪華キャストで大きな作品になってしまい、実はとても戸惑っています。
鈴木監督とタッグを組むのは、約20年前の深夜ドラマ以来です。一緒に全国の温泉や銭湯を巡り、湯会(=シナリオハンティング)を重ねました。そのあまりにも楽し過ぎた時間が、そのまま作品のゆかいな輪郭になっています。大切なことを難しく伝えるのではなく、優しさに包んで楽しく伝える…文化をエンターティメントで翻訳した作品に仕上がったのではないでしょうか。風呂で人を幸せにする、という想いが一人でも多くの人に伝わりますように。
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