【ネタバレなし解説】劇場版「コード・ブルー」が面白くなる7の裏話

2022年7月23日 21:05


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山下智久新垣結衣らの共演で、リアルな医療・災害・事故現場、主人公たちの成長と絆の人間模様を描く「コード・ブルー」。人気ドラマシリーズを映画化した「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」が、2022年7月23日午後9時のフジテレビ系「土曜プレミアム」で放送中です。

今作の取材を数多く経験してきた映画.com編集部が、キャストや製作陣の言葉をもとに“製作秘話・裏話”をまとめ、ネタバレなしで解説してみました。「もはや親戚」と語るキャスト陣の絆や、名シーンにおけるエピソードなどなど……この記事を読めば、未鑑賞の人は本編が観たくなり、鑑賞済みの人は本編がもっと面白くなる!

>>シリーズの概要やあらすじは「作品情報」でチェック! https://eiga.com/movie/88327/


●目次

・主な出演者

・興行収入と評価

【1】冒頭映像とエンドロールに注目

【2】ゲスト出演の新田真剣佑山谷花純に注目

【3】山下智久と主人公の藍沢、10年間の歩み「役と自分の人生がリンク」

【4】新垣結衣戸田恵梨香、それぞれの10年間 空白期間が力に

【5】比嘉愛未浅利陽介が妄想する“冴島と藤川の将来”

【6】仲間たちへの思い 関係性はもはや“親戚”

【7】「出会って10年」… 最大の名シーンは山下らの発案で誕生


●主な出演者

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山下智久(藍沢耕作役)、新垣結衣(白石恵役)、戸田恵梨香(緋山美帆子役)、比嘉愛未(冴島はるか役)、浅利陽介(藤川一男役)、有岡大貴(名取颯馬役)、成田凌(灰谷俊平役)、新木優子(横峯あかり役)、馬場ふみか(雪村双葉役)、新田真剣佑(岸田彰生役)、かたせ梨乃(雪村沙代役)、山谷花純(富澤未知役)

●興行収入と評価

劇場公開初日から大ヒットスタートを切り、最終的に92.3億円を記録。これは18年公開の映画では1位となる成績でした。

>>2018年の興行収入トップ10 https://eiga.com/news/20181231/3/


【1】冒頭の振り返り映像、そしてエンドロールにも注目

まず注目したいのが映画冒頭と、エンドロールです。

映画が始まるや、藍沢の「3rdシーズンまでの『コード・ブルー』」という声が鳴り響き、ドラマ版を振り返る映像が画面いっぱいに広がります。第1期の藍沢たちはまだまだ頼りなく、大きな痛手を伴う失敗や葛藤を繰り返していました。しかし彼らは、シーズンを重ねるごとに自立していくのです。シリーズを見守り続けてきたファンの胸には、言葉にはできない感慨が押し寄せてくるはず。

さらにエンドロールにも“ある仕掛け”が。内容はネタバレになるため詳述しません、ぜひご自身の目で確かめてください! 劇場公開時、全国の観客が感動した様子で「エンドロールでも泣ける」「エンドロールを見に、もう一度映画館行ってくる」など絶賛評が寄せられていました。


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【2】ゲスト俳優で注目は新田真剣佑山谷花純 丸刈りエピソード「一緒に戦った」


患者やその関係者としてさまざまな人物が登場します。なかでも印象深いのは、末期の胃がんに侵された患者・富澤未知(演:山谷花純)と、その婚約者・岩田彰生(演:新田真剣佑)のエピソード。

未知役は、モデル・俳優として活躍し、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(せつ役)にも出演する山谷花純。今作では本当に頭を丸刈りにし、芝居に挑んだことが大きな注目を集めていました。

看護師・冴島はるか役の比嘉愛未と共演シーンが多かっただけに、比嘉は「山谷ちゃんの大変さを一番見ていました」と振り返ります。「なにが大変って、髪がすぐ伸びるんですよね。だからメイク室に入ると、山谷ちゃんは毎日バリカンで剃ってたんですよ」(18年8月の大ヒット御礼舞台挨拶より https://eiga.com/news/20180809/18/)

また、婚約者役・新田真剣佑とは、胸が熱くなるようなエピソードもありました。

山谷「クランクインが(新田と)2人でデートするシーン。撮影後に髪を切る時に『私も頑張るから支えて下さい』という思いで、真剣佑さんにバリカンで剃ってもらいました。一緒に戦ったなという思いがありますね」(19年3月の「とよはし映画祭」より https://eiga.com/news/20190309/11/)


【3】山下智久と主人公の藍沢、10年間の歩み「役と自分の人生がリンク」

2008年にドラマ第1期がスタートし、およそ10年に及ぶ長期シリーズとなった「コード・ブルー」。作品スタート当時、山下は23歳だっただけに、この10年間は現実の自分と作品の役どころがリンクし、ともに成長してきたという実感があるそう。

山下はドラマ第1期出演時をこう振り返ります。「第1期に参加したとき、僕は23歳。若気の至りですけど、尖っていたというか(笑)、自分がどう表現するかばかりを考えていました。演じる藍沢もそうだったんです。自分の腕を磨きたい気持ちが全面に出てしまっていて、周りを見ていなかった」(劇場公開時のインタビューから抜粋 https://eiga.com/movie/88327/interview/)

さらに、2010年のドラマ第2期については「大人になりきれていなかった。その時は僕は25歳で、がむしゃらに空回りしていて、藍沢と同じ感覚が強かったんです。役どころと自分の人生が、リンクしていたと思います」(同上)

そして2017年にはドラマ第3期がスタート。約7年ぶりの藍沢役には、万感の思いがこもっていました。

「その7年間でいろんな経験をして、僕自身が人間を好きになれた。人のことを知りたいと思えるようになった。藍沢のセリフで『今は“誰か”のために医者をやっている』というものがあります。僕自身も、自分のためではなく“その先の誰か”に影響を与えられたら、という思いで仕事をさせてもらっています。自分の経験を、いい意味で反映できたと思っています」(同上)


【4】新垣結衣戸田恵梨香、それぞれの10年間 空白期間が力に

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新垣結衣は、生真面目な性格ゆえに苦労が絶えない白石恵役。ドラマ第1期と劇場版を比較して「ちょっとだけ声が低くなりました」と笑いながら、「シーズンを重ねるごとに、スタッフさんたちが、お芝居を任せてくれる機会が増えたんです」と明かします(劇場公開時のインタビューより)。

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さらに、情熱を全面に出す緋山美帆子役の戸田恵梨香も、「私も、だいぶ声が低くなりましたね」(同上)と笑います。「第1期と第2期の私の顔を見て、私もトゲが強かったなと(笑)。でも今は、そのトゲは強さに変化して、同時に、その強さが包容力に変わっていくのも感じています」と述べ、「いい意味で丸くなれたし、ほかの4人のことも、フェロー(ドラマ第2期から参加した後輩たち)のこともちゃんと見守られる。だからこそ(第2期から第3期までの)7年間の空白は大きかったと、改めて思います」と、ドラマの空白期間に経験したさまざまな出来事が、丸ごと今作への力になったことを明かしていました。


【5】比嘉愛未浅利陽介が妄想する“冴島と藤川の将来”

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現場では冴島はるか役の比嘉愛未、藤川一男役の浅利陽介がムードメーカーだったそう。冴島と藤川はドラマ第三期で晴れて結ばれただけに、劇場公開時のインタビューではまるで夫婦漫才のように息の合った掛け合いで、周囲を和ませていました。

以下、インタビューでの会話の抜粋。

比嘉「第3期が始まるまでの空白期間で、急展開したのは藤川と冴島の関係性ですよね。いきなり同棲していたので、そこはいろいろ想像しました。藤川はどうやってアプローチしたのか。冴島はどう受け止めて、同棲したのか。スピンオフをやりたかったくらいです」

浅利「ほのぼのしていたと思うよ。『僕は死にましぇん!』みたいなことは言ってないと思う」

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比嘉「将来の冴島には、子どもを産んでいてほしい。看護師として働きながら、子育てもしてそう。あと藤川は、主夫をやっているんじゃないですか?」

浅利「将来は頑張って、故郷・山梨で『藤川外科』を開業していたい! 手伝ってもらっている冴島に『そこはもう縫ったから』とツッコまれる藤川。想像がつきますねえ」

比嘉「え~? 主夫はどうするの! 意見の食い違いがあるので、もしかしたら離れているかもしれないです(笑)」

藤川と冴島の関係性は、撮影現場でも妄想の対象となっていたようです。


【6】仲間たちへの思い 関係性はもはや親戚

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10年間、ともに歩んできた山下智久新垣結衣戸田恵梨香比嘉愛未浅利陽介。その関係性は、もはや共演者を超えた“仲間”であるといいます。

比嘉「5人は戦友。それぞれが別の作品で頑張っている姿を見て嬉しくもなり、頑張ろうと思える。そう感じられる人と作品は、そうそう巡りあえるものではありません。幸運だったなと、本当に思います」(劇場公開時のインタビューより)

山下「僕が死ぬ時は、みんなのことを思い出すだろう。劇場版を見ながらそう思いました。人生で大きな作品です」(劇場公開時のインタビューより)

さらに山下は、17年の撮影現場取材で、こうも明かしていました。「もう、親戚みたいですよ。何をしゃべるでもなく、ただそこにいる。みんなで楽屋に集まって、夕方のニュースを見てああだこうだ言ったり。5人もフェローも『親戚か』って(笑)。彼らも僕らも、いいタイミングで、いい人に出会ったんだと思います」。

シリーズ誕生から見守る増本淳プロデューサーも、「この(山下ら初代メンバー)5人だから、ここまでくることができた」と断言しています。

増本プロデューサー「演じている役者陣が(関係性の)バランスを取れるかどうかは、こればかりは運にも左右されます。最初に会ったときからこの10年間、あの5人が嫌な空気になったことがないんです」(17年の撮影現場取材より https://eiga.com/news/20180601/4/)

「常にみんな良いライバルで、変にベタベタ仲良くもしないけど、誰かが意地悪をすることもない。全員がいい形で刺激を与えて、尊敬しあって物語をつくっていける。よく監督とも話すんです。『あの5人だから(コード・ブルーは)成立しているよね』と」(同上)


【7】「出会って10年」… 最大の名シーンは山下らの発案で誕生した

「劇場版コード・ブルー」撮影前には、ある象徴的なエピソードが。山下ら5人と増本プロデューサーが「トータルで7、8時間」にもおよぶ長時間の打ち合わせを重ね、思いの丈をぶつけていったそうです。

そんな取り組みが、会心のシーンを生み出すきっかけになったそう。劇中、藍沢が「出会って10年……」と、誰ともなく語りかける場面です。

増本プロデューサー「打ち合わせをするまでは(台本にも)なかったんです。彼ら5人と話しているうちに『そういうシーンを作ろうか』となり、撮影を進めていったら、結果としてそこが一番の見せ場になった。あの5人が、正しい答えに導いてくれた。『コード・ブルー』の全部が、その2分ほどの“集大成”と呼べるシーンに入っています」。

キャスト陣の絆を象徴するエピソードは枚挙にいとまがないですが、最後にひとつ、劇場公開初日舞台挨拶での山下の発言を引用し、この記事を締めくくりましょう。

「これからもずっと一緒に、人生の節目節目に関わっていく人たち。(今作で)一段落というか、送り届けることができたけれど、僕らの関係はまだまだ続いていく」(初日舞台挨拶より https://eiga.com/news/20180727/16/)


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