大阪アジアン映画祭で“来るべき才能賞” 飯塚花笑監督作「世界は僕らに気づかない」今冬公開
2022年6月21日 11:00

第17回大阪アジアン映画祭でワールドプレミア上映された「世界は僕らに気づかない」が、今冬に劇場公開されることが決定。あわせて、場面写真が披露された。
本作は、芸能事務所「レプロエンタテインメント」が主催する映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」でグランプリに輝いた企画を映像化したもの。フィリピンと日本のダブルでゲイの高校生・純悟が、母や恋人との関係を通して、心の底から渇望していた愛に出合うまでの物語となっている。

群馬県太田市に住む高校生の純悟は、フィリピンパブに勤めるフィリピン人の母親を持つ。父親のことは母親から何も聞かされておらず、ただ毎月振り込まれる養育費だけが父親との繋がりである。純悟には恋人の優助がいるが、優助からパートナーシップを結ぶことを望まれても、自分の生い立ちが引け目となり、なかなか決断に踏み込めずにいた。そんなある日、母親のレイナが再婚したいと、恋人を家に連れて来る。見知らぬ男と一緒に暮らすことを嫌がった純悟は、実の父親を探すことにする。

監督を務めたのは、「フタリノセカイ」で商業デビューを果たした飯塚花笑(いいづか・かしょう)。トランスジェンダーである飯塚監督自身の経験をもとに、8年の構想期間を経て、家族、恋愛、進路など、思春期ならではの不安定な感情を描き上げた。大阪アジアン映画祭では“来るべき才能賞”を受賞。5月に開催されたドイツのニッポンコネクションでも上映され、富川ファンタスティック国際映画祭、ニューヨークアジアン映画祭での上映も決定している。

「世界は僕らに気づかない」には、堀家一希、GOW、篠原雅史、村山朋果、岡田信浩、宮前隆行、田村菜穂、藤田あまね、鈴木咲莉、加藤亮佑、高野恭子、橘芳美、佐田佑慈、竹下かおり、小野孝弘、関幸治、岩谷健司が出演。23年年明けの冬に公開。大阪アジアン映画祭“来るべき才能賞”の受賞理由は、以下の通り。
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