カンヌで笑いと歓声!「カメラを止めるな!」仏版リメイク上映 竹原芳子がレッドカーペットに
2022年5月20日 14:00

「カメラを止めるな!」のフランス版リメイク、「キャメラを止めるな!」が、第75回カンヌ国際映画祭のオープニング作品として上映され、レッドカーペットにはミシェル・アザナビシウス監督、主演のロマン・デュリス、ベレニス・ベジョらとともに、フランス版にもオリジナルと同じ役柄で登場した竹原芳子が登壇した。
「オリジナルの巧妙な構成に舌を巻いた」というアザナビシウス監督は、リメイクでもほぼ忠実なシナリオにしている。冴えない雇われ監督の父と、映画への情熱が空回りする娘の交流や、ゾンビ映画の1ショット撮影で次々とハプニングに見舞われるクルーの大奮闘などが、小気味好いテンポで描かれる。
一方リメイク版ならではの魅力は、フランスで売れっ子の俳優たちが揃っているため、「この人がこんなことをしている」という意外性が生み出す面白さがあることだろう。カンヌの公式上映は大受けで、会場は笑いと歓声に包まれた。アウト・オブ・コンペティションという扱いだが、オープニング作品がこれほど笑いをとるのは、かなり珍しいこととして印象に残った。

開幕2日目には、早くも今年の目玉の1つである「トップガン マーヴェリック」のワールドプレミアに伴い、トム・クルーズがカンヌに降臨した。カンヌにスターはつきものだが、クルーズの場合はそれだけが理由ではない。映画祭ディレクターのティエリー・フレモーはその理由を2つ挙げ、彼の作品に「駄作」はないこと、そして彼ほど「映画館で観る映画作り」に使命を感じ、全霊を傾けている俳優もいないと指摘した。たしかにそれは、新作にも言えることであり、映画館の大画面で観る興奮と醍醐味をたっぷりと味わわせてくれる。
ジョセフ・コジンスキー監督をはじめジェニファー・コネリー、ジョン・ハムらも並んだ上映前のレッドカーペットでは、突如空から轟音が響き、8機の「トップガン」がフランス国旗のトリコロール・カラーを撒いて飛ぶという、カンヌらしいど派手な演出も見られた。
さらにクルーズはこの日、ワールドプレミアに先立って、マスタークラスを開催。若い観客も混じった熱気あふれる会場で、約45分間に及ぶトークを展開した。
幼い頃からアドベンチャーに惹かれ、俳優になりたいと思っていたこと、そしてプロになってからは、1作ごとに学び続けてきたこと、またいかに人々を楽しませることができるか、ユニークな映画体験を与えることができるかをつねに考えていると語った。「僕は観客を愛している。観客のために、そして映画館の大画面で観るために映画を作っている」と彼が語ると、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が起こった。彼の実直さと映画愛がひしひしと感じられる時間だった。(佐藤久理子)
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